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#76 『最大の危機は、低過ぎる目標を達成すること』

"ミケランジェロは、「最大の危機は、目標が高過ぎて達成できないことではない。目標が低過ぎて、その低い目標を達成してしまうことだ」と述べています。"

本日は、イエローハットの創業者で、NPO法人「日本を美しくする会」の創唱者・相談役の鍵山秀三郎さんの「目標」についてのお話です。イエローハットを創業して以来続けている「掃除」が世間の評判を呼んで、掃除運動がいろんなところに広がったことで有名です。

こちらの記事にもそうじの大切さが語られていました。「夜中の社内そうじで、泥棒にまちがえられた」というエピソードはすごいですよね。


今回のお話は、ミケランジェロの言葉、「最大の危機は、目標が高過ぎて達成できないことではない。目標が低過ぎて、その低い目標を達成してしまうことだ」を紹介した上で、失敗や問題を乗り越えるための意識や姿勢について語られています。

"人生にも仕事にも問題はつきものです。会社も国も世界も、実にたくさんの問題が日々発生しております。そこで勘違いしやすいのが、あんな問題が怒ったから自分はこうなってしまった、というふうに問題のせいにすることです。これは大きな見当違いで、問題が起きたことは問題ではないのです。それにどう対処するか、それによって皆さんの仕事も、人生も変わっていくのです。問題によって人生がダメになるということはありません。すべて対処の仕方です。"

起こってしまった問題を問題のせいにするか、問題に対して自分はどうするべきかを考えて行動するか。その選択一つで人生は大きく変わるのだと思います。

"もちろん、そこで失敗することもあるでしょうが、失敗することは問題ではありません。私など失敗だらけです。しかし失敗からすべて学んできました。ですから、失敗がすべて次の成功へのエネルギーになったのです。失敗を恐れて何もしないことのほうがよほどいけない。"

鍵山さんは、失敗することではなく失敗を恐れて何もしないことを、ミケランジェロの言葉と同じように危機だとおっしゃっています。決断して、行動して、チャレンジして、そこで失敗することもある。だから、その失敗に対してどのように対処するか大事であるのですね。

"目標が大きければ大きいほど、大きな壁が立ちはだかるものです。時には、とても自分には乗り越えられないと思うこともあるかもしれませんが、乗り越える必要はないんです。そういう時には、そこに穴を開けてくぐり抜けていけばいいのです。"

壁は必ずしも乗り越えなければならない、と思ってしまいがちですが、そうではない。壁に穴を開けて抜けるという方法もあるという余裕や選択肢が大切なのですね。この例えはとても刺激的でした。

"イギリスの首相を務めたベンジャミン・ディズレーリは、「いかなる教育も、逆境から学べるものには敵わない」と言っています。では、逆境に遭うことがすべてかといえば、そうではありません。日頃から様々なことを通じて学んでいるからこそ、逆境から学べるのであって、何の備えもない人が逆境に遭うと、そこで潰れてしまいます。"

「日頃から様々なことを通じて学んでいるからこそ、逆境から学べるのであって、何の備えもない人が逆境に遭うと、そこで潰れてしまいます」

この考え方は重要なポイントだと思います。私は思考設計士としてよく使うのですが、自分の考えていること、いわゆる「思考の枠組み」を超える・破るためには、まず枠を定義しなければならない。型破りするにもそもそも型がなければ型は破れないのですね。

"大事なことは、日々いろんな人や書物から学んで、それを自分の血肉にしていくことだと思います。"

人が学べるものは人です。書物も人が書いたものです。そのため、日々いろんな人に触れることは大切ですし、いろんな経験や挑戦をした人の言葉は、自分の人生をより良くすることにつながる可能性が詰まっているんですね。


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/03/17 『最大の危機は、低過ぎる目標を達成すること』
鍵山秀三郎 日本を美しくする会相談役
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※Image by pieroor from Pixabay