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#06 『思考を深めるキーワード』

6/30(水) Thinking Design Lab(TDL)の第6回の定例会を開催しました。

TDLの定例会とは?
①事前にテーマや問い(※「思考」に関わることや「思考」を通じて見える化できること)を設定する
②「思考設計」(Thinking Design)のポイントである『対話』(Dialogue)と 『整理』(Organize)をしながらその場で『言語化』(Output)する
③その時間で言語化したアウトプットをnoteで発信・共有する
→この3つのプロセスは、「見えないものを見えるようにする」というLabのコンセプトに基づいた「思考実験」をする場であり、発信・共有することを通じて、ニーズやリアクションがあるものはプロジェクト化やプログラム化する。

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今回のテーマは、「思考を深めるキーワード」についてです。先週(「思考法の活用」)に引き続き、「思考」について掘り下げてみました。

先週は翔泳社さんの『思考法図鑑 -ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60-』という本を参考に、思考法の活用について考えましたが、今週は思考をより深めるアプローチを考えていきました。

前回の簡単な振り返りですが、「思考と行動は両輪」であり、「自身の行動や体験を振り返り、言語化したりして素材にすることで初めて思考法の活用や独自の思考法の発想ができる」と、料理の「素材とレシピ」の考え方をもとに、思考法の活用を先週のレポートでは触れました。

その上で、今週は素材化する、レシピ化する=思考を深めるという過程において、ヒントなるキーワードを取り上げる時間にしました。まず参考にさせていただいた本として、英治出版さんの『進化思考 -生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」-』です。

40億年にわたり変異と適応を繰り返してきた生物や自然を学ぶことで、創造性の本質を見出し、体系化したのが『進化思考』である。

変異(HOW):偶発性を起点にした発想手法
適応(WHY):自然選択を起点にしたリサーチ手法

変異によって偶発的に無数のアイデアが生まれ、それらのアイデアが適応によって自律的に自然選択されていく。変異と適応を何度も往復することで、変化や淘汰に生き残るコンセプトが産まれる。その結果、本質的な願いを具現化するイノベーションを起こせるようになる。

この本は、「あなたが進化思考を実践しながら身につけられる」ことを目指している。そのため50個の進化ワークが登場する。「変異」の章では、たくさんのアイデアを出し、「適応」の章では、たくさんの情報や繋がりを理解し、「コンセプト」の章では、それらが美しく結合した時代を生き残るコンセプトに出会うことができるだろう。

参照:https://amanokaze.jp/shinkashikou/


生物や自然という文脈から創造性の本質を見出し、コンセプトをつくるという思考は、自身の行動や体験という文脈から自分だけの素材やレシピをつくる過程と似たものがあると感じました。以下は進化思考で紹介されている、変異9つ、適合4つのキーワードです。

●変異
1 変量:極端な量を想像してみよう
2 欠失:標準装備を減らしてみよう
3 融合:意外な物と組み合わせよう
4 逆転:真逆の状況を考えてみよう
5 分離:別々の要素に分けてみよう
6 交換:違う物に入れ替えてみよう
7 擬態:欲しい状況を真似てみよう
8 転移:新しい場所を探してみよう
9 増殖:常識よりも増やしてみよう

●適応
1 解剖:内側の構造と意味を知ろう
2 系統:過去の系譜を引き受けよう
3 生態:外部に繋がる関係を観よう
4 予測:未来予測を希望に繋げよう


筆者(の萬里小路)は、漢字2文字で物事を考えるのが好きな人間なので、このキーワードは見ただけで興奮しました。


まず変異の9つのキーワードを見たときに浮かんだものは、「四則計算」でした。算数の基本である【+-×÷】の4つでアプローチするということです。例えば、

変量:+欠失:−
融合:×
分離:÷
逆転:−と−を×と+になる

といった感じで、四則計算の4つで分類することができると思いました。物事を思考する時に、+-×÷を使って考えるとより深掘りできるのではないでしょうか。続いて、適合の4つのキーワードは「内外」と「時間」の2つが浮かんできました。

解剖:out(外)→in(内)
生態:in(内)→out(外)
系統:過去→現在
予測:現在→未来

といった感じで、アプローチの方向を「内外」と「時間」で整理できる考え方で、私たちのLabで取り組んでいる、「ポートフォリオ」(外→内、過去→現在)と「MVV」(内→外、現在→未来)はこの4つに当てはめることができるのではないかと思いました。


その他にも、マインドマップ、要素分解、5W2H、マトリックス、理想ー現状=課題、抽象化、KPT(Keep:継続/Problem:改善/Try:挑戦)、トレードオフ、表裏一体(ポジネガ、強み弱み)、フロー、ストーリー、起承転結、PREP法(Point:結論/Reason:理由・背景/Example:例え/Point:結論)など、思考を深めることができそうなキーワードを出しながら、先週の「思考法を活用する」をより昇華させていきました。

その上で今回、思考を深めるプロセスとして、

⓪「行動する」or「認識する」or「ひらめく」
①情報を「整理する」or「理解する」
②物事の本質を「発見する」or「特定する」
③新しいアイデアを「発想する」or「構築する」
④行動を「選択する」or流れを「設定する」

の5つのステップを独自に定義してみました。前回の「素材とレシピ」、今回の「変異と適合」は
⓪→①:素材化
①→②:レシピ化

③→④:変異
④→⓪:適合
に当てはまるのではないかと思います。ここの考え方はまだまだ考察が不足しているので、今後より深掘りしていきたいと思います。

そして、この5つのステップを定義した際に、どの「範囲」でみるか、どの「視点」でみるか、の2つは物事の前提や条件を定義するために必要なアプローチであると思いました。

前提や条件を可視化することは、思考のプロセスそのものをより明確にするのではないかと思います。それは素材化とレシピ化を進めることにつながり、変異と適合の創造性の本質を見出すことにつながるのだと思います。

前回と今回で、思考のプロセスのステップを言語化することができ、今後の活動における指針にもなったのではないかと思います。思考法を活用することや思考を深めるキーワードを用いながら、私たちの定例会も変異と適合を繰り返して日々アップデートしていきます

以上、Thinking Design Labの第6回の定例会レポートでした。
次回のテーマは「ストレングス:強み」についてです。お楽しみに。


■プロジェクトメンバー募集中

「見えないものを見えるようにする」というコンセプトをもとに活動する私たちのLabは、「対話」(Dialogue)を通じて、言語化や構造化して「整理」(Organize)をし、その体験や思考プロセスを体系化したプログラムを「設計」(Design)していく活動をしています。
 
プログラムは、新たな価値(=思考と行動の両方がアップデートされる仕組み)を提供することができる人の発明を目的に、ビジネス(事業)をつくるというよりは、「ジョブ」(課題解決/機会)をつくる方向を考えています。

思考実験する場をもっと多くの人と共有・共創していきたいと思っています。ぜひ興味関心のある方は、一緒に何か取り組みをしたり、イベントやプロジェクトを企画したりしたいので、お気軽にお声かけください。


※サムネイル画像:Image by athree23 from Pixabay