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#104 『水車の例え話』

本日は、リレイト代表・二宮尊徳7代目子孫の中桐万里子さんの「水車の例え話」についてのお話です。二宮尊徳(金次郎)といえば、薪を背負い本を読む勤勉で親孝行な少年像として教科書などにも載っているイメージですが、江戸時代後期に活動した農政家で、600以上荒廃した農村の復興・再建を果たした勤労者であります。

その子孫である中桐さんは、「親子をつなぐ学びのスペース」リレイト代表として、コンサルティングや講演活動を行っています。また、活動の一環として、二宮尊徳の教えや考え方を広めるセミナーなども開催したり、本の出版もされています。


今回の「水車の例え話」は、変化の激しい、正解がない現代において重要な考え方であると思います。特に、「自分のものさしを持たない」という考え方は、変化や状況、環境に合わせて柔軟に対応するために必要なことであると思います。客観的に、事実をきちんと観察する、捉える力をこのお話から考えることができると思います。

"私の先祖である二宮尊徳は、人間がどう生きるべきかを、生涯にわたり考え続けた人だと思います。彼が人間というものを捉える際に、様々な場面で使っていたと思えるモデルが「水車の例え話」です。"
"水車の下半分は天の力、つまり水の流れに従わなければ回りませんが、上半分はその流れに逆らわなければ、水車は水車の用を足しません。そうして「半分従い、半分逆らう」という姿勢を取ることによって、初めて水車は水車となり、人間の生活を助けるものになるのです。要するに、半分は天に逆らうことこそが人間の務めである、と。その当時は飢餓が続き、天に逆らっていく力を人間が失っていた時代であった分、尊徳は特にその部分を強調して訴えたのだと思います。"
"この水車の例え話は、物事を考えたり、行動を起こしたりする際にも大きなヒントになると思います。どうにもならない部分はどこなのか、どうにかすべき部分はどこか、と2つのことをバランスよく考えていれば、物事の本質がよく見えてくる場合が多いのです。"
"「水車のモデルが尊徳の基盤にある」という考えは私の憶測ですが、彼自身は「自分のものさしを持たない」ことを大切にしていたのではないかと思います。つまり、この時、この状況を当たり前であると思ってしまわないこと。いま普段に過ごしているこの時にも、非常に注意深く物事を観察し、何が起こっているかを常に知ろうとしていた。だから毎日顔を合わせている奥さんといる時でも、畳に腰を下ろしている時でも、おそらく彼は最大限に注意を払っていたのではないでしょうか。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/04/14 『水車の例え話』
中桐万里子 リレイト代表・二宮尊徳7代目子孫
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※Photo by FitNish Media on Unsplash