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#202 『よい人と歩けば祭り、悪い人と一緒は修行』

本日は越後瞽女・人間国宝の小林ハルさんの「よい人と歩けば祭り、悪い人と一緒は修行」についてのお話です。生後3か月で失明し、5歳の時に瞽女修行を開始した小林さんの物事や苦労に対しての向き合い方が語られています。


"瞽女は目が見えないので、必ず「手引き」という目の見える人と組んで旅に出かけます。いつも気の合う人と歩ければいいのですが、そういったことは滅多になく、あの人と歩いたり、この人と歩いたりと、いろいろな人と組まなければなりません。だから、瞽女の組み合わせは一つの修行といっても良いかもしれません。私はいい人と歩けば祭りだし、悪い人と一緒だと修行だと思っていつも歩いてきました。"
"どこへ行っても、いくつになってもいろいろな苦労があるものです。しかし、神仏はすべてお見通しです。人に言いたいこと、したいことを何も考えないでしていると、必ず天罰があたる。私は決して無理なことを言ったり、したりしないですべて神仏にお任せしてきました。言いたいことはいっぱいありましたが、それを口から外に出してしまえば必ずバチがあたります。"
"私は目が見えないので、どんな目に遭っても、どんなことがあっても人には背くまいと思って生きてきました。そうやって努めてきたからこそ、いまはこんなに幸せで気ままに生きさせてもらっているのだと思っています。若い時の苦は楽の種という言葉がありますが、100歳になったいま、そのことをしみじみと実感しています。"


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書籍『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
2021/07/21『よい人と歩けば祭り、悪い人と一緒は修行』
小林ハル 越後瞽女・人間国宝
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※Image by Free-Photos from Pixabay