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うちの母には一生敵わない

わたしの周りではこのところ、心配事や悩み事が頻発している。

まあ、とは言っても気分が落ちこんでしまうほどのものでもないし、かといって誰かに話すほどでもないな、という感じ。


「家族だし、母には連絡も兼ねて話してみようかな、最近電話もしてなかったし」

そう思って電話をかけてみた。


最初は「おー!久しぶり!」から始まって「今日は何をしていたのか」「最近何かあったのか」と話題が進んでいく。

会話のキャッチボールがわたしに巡ってきたので、最近あった出来事(マイナスなこと)をちょっとだけ話してみた。

「こんなことがあってさ〜その後に、この事件よ!」

「踏んだり蹴ったりな一週間だったなあ〜」

というように一通り愚痴を言わせてもらって、少しスッキリして「お母さんは?」「どうなのよ?」と会話のボールを渡そうとしたら母はこう言った。



「良いじゃない」

「この一週間で悪いものが全部落ちたのかもね」



うわあ、、、この考え方はなかったなあ。

悪いことが重なったら、わたしなら「キツかったね」「今は平気?」とかって聞いちゃう。

でも、新しい考え方を持ち出してくれるパターンは、人生であんまり経験がなかったように思える。



そうだね、今はそういう時期なのかもしれないね。

それなら今悪いことをぜーんぶ終わらせちゃって、来週とか来月からは楽しくワクワク過ごしちゃえば良いのかも。


母の機転の速さや、言葉のチョイスにはいつまでも敵わないなあ。


彅野アン(なぎのあん)

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