「市民が主役、市民が当事者」 甲州市に活気を呼び込む十の政策提言
私が考える市政の基本は「市民が主役、市民が当事者」で、市議会議員としての提案はこの原則に沿って考えています。新年に、そして転機も迎える甲州市にとって重要と考える私から十の政策提言です。
【一の提案】地域経営円卓会議による、市民が主役、市民が当事者のまちづくり
住民主体の円卓会議での地域経営と、経営を支えるふるさと納税や住民税寄付金活用によるクラウドファンディングを提案します。
地域経営円卓会議とは小学校区くらいの範囲で、区や組、農業者、経営者、教育者、女性、子育て世代、高齢者、文化・スポーツ活動団体など、様々な階層の住民代表者が希望や課題を話し合う会議体です。解決への実行計画を作り、それに対して市は、組織化と活動両面から支援を進める役割を担うという考えです。
具体的な課題の一つに、公共施設の将来的利活用が挙げられます。また、各地域の宅地や農地のゾーニング、土地利用の促進と抑制の区分など、地域まちづくり計画も重要な事例です。
クラウドファンディングは、ふるさと納税や住民税の寄付金を活用し、実行計画の初期投資支援を担うことを想定しています。
【二の提案】「元気になる奨励金」を創設、元気追求の動機付け
福祉関係者で連携体制を作り、市民が元気を追求できる具体的な企画を作ること、市民の積極性喚起のために「元気な奨励金」創設を提案します。
連携体制とは、高齢者世代を中心とする市民の皆さんの元気の維持・向上へ、お医者さんやケアマネージャーさん、民生委員さん、保健師さん、訪問看護師さん、医療・福祉施設、文化・スポーツ指導者などの協力体制のことで、健康を損なった場合の対処よりも、維持・向上の追求に重点を置いて市民が取り組む展開を想定しています。
取り組みの受け皿を具体的に挙げれば、なごみクラブや健康増進の体験教室、介護保険の介護予防・日常生活支援総合事業があり、それらが連携しての実施も考えられます。加えて、総合型カルチャー(大人が学ぶ文化とスポーツ)クラブも担い手になり得ます。
市民の積極性を喚起するため、元気な結果を出している方向けに「元気な奨励金」を創設、自動車保険で適用される無事故者への保険料割引に類似する仕組みで、割引ではなく奨励金を出して元気追求の動機付けになる効果をねらいます。
【三の提案】果樹とワインの進化と関連産業拡大に重点を置く産学振興
果樹・ワイン産業の拡大と進化を促進し、関連産業の育成と誘致に重点を置いた産業振興を提案します。
果樹とワインが産業の基軸で、人材も資源も地域にあることが強みであり、法人化や事業拡大を積極的に支援すべきです。関連産業とは例えば、薬剤や肥料、資材、機械、医薬品開発などのメーカーや、合理化や技術革新、異分野活用などを探る研究機関やベンチャー起業が該当し、これらの誘致や、法人が必要とする許認可申請、国や県の補助金獲得、企業版ふるさと納税原資の環境整備資金、用地などの用意を市がワンストップで支援する構図を採るべきだと考えます。
また、産業と研究の人材集積へ❶県立全高校に導入されるコミュニティスクール制度を活用した塩山高校の経営学や農学系への特色化❷ワイナリーや農地に恵まれた日川河岸に大学の理系・マネジメント系学部キャンパスを誘致、この2点を進め、人材の育成と供給を背景に、塩山高校周辺と日川河岸の2地域へ企業や研究機関などの法人立地を促進すべきと考えます。
【四の提案】おギャーと生まれて大学進学まで安心できる取り組み
妊娠・出産から育児、保育・就学・修学をトータルで支援していく取り組みを提案します。
具体的には❶市内の小中高がコミュニティスクールを活用して地域色豊かな学校への変化を目指し、地域との連携を担う多様な「地域学校協働活動推進員」を組織化(地域学校協働本部)して、学校発・地域発の教育企画を発信❷総合型カルチャークラブを創設、その機能を受け皿に子どものスポーツ文化活動の機会を提供する❸子ども園や小中学校、児童クラブが有機的に連携、その裏付けに所管を教育委員会に位置付け、これらの機関と地域学校協働本部は大いに連携❹大学などの高等教育機関への進学と学生生活を応援する官民共同の基金を創設し、将来のふるさと(甲州市)振興を担う意思のある若者を対象に支援金を給付する、の4点を提案します。
この提案に加え、保育料無償化、高校無償化など国の支援策や、出産祝金や医療費窓口無料、給食費無償化などの市政発の財政的な子育て支援は変わらず実施が良いと思います。
【五の提案】甲州アルプスの保護と利活用の継続を追求する仕組みづくり
関係者が集う甲州アルプス円卓会議をつくり、森林環境税もうまく活用して、継続してきた自然とヒトが共存する営みに加え、新たな知恵を取り入れた甲州アルプスの管理を進めることを提案します。
円卓会議に集う関係者とは、県や市、森林組合、森林所有者、森林管理者、林業者、山小屋関係者、里山集落代表者、森林保護活動団体、山岳ガイドやトレイルランなどの山岳アクティビティー関係者、観光事業者などでしょうか。
そして、円卓会議を中心に❶甲州アルプスの手つかずの自然を保護する核心エリアや、ヒトと自然が共存するエリアなどを設定❷甲州アルプスの保護と利活用に継続的に取り組む行動計画を作り、関係者が連携して活動、の2点が重要だと思います。また、活動には森林環境税を充てるべきと考えます。
【六の提案】公共交通ネットワークの活性化
JR駅や高速バス停の各拠点のプロジェクトチームを結成し、拠点とその周辺の活性化を企画、実行していくことを提案します。
チーム構成は、周辺住民や利用者、交通事業者、活用事業者、観光事業者などで、利用形態の分析や集客の仕掛け、周辺の空き施設や未利用地などを調査しつつ、集客促進に必要な施設やインフラを計画し、市と連携して実行に移す形が良いかと思います。
リニア開通や山梨環状道路の整備、中部横断道の完成、中央道の3車線化やトンネル新設などの渋滞緩和整備、新御坂トンネル開通などの周辺インフラ整備の動向もしっかり踏まえ、前例に囚われず、現実的で有効的な大胆な立案が重要と考えます。
【七の提案】ふるさと納税寄付金、個人住民税の税額控除寄付金の活用
地域の公益的な事業計画にふるさと納税や個人住民税の税額控除の寄付金を充てることを提案します。
寄附金活用は、公益性の高い地域需要に対する初期投資が適切で、主に地域経営の円卓会議で立案された事業に寄付金を充当する手法を採るべきと考えます。納税者の支持がないと事業実施が叶わないので、理解を得やすい公益性重視の事業が立案されるでしょう。また市民が主体となって納税者に理解を求め、寄附を募る運動が展開されることも想定でき、実現へ市民が当事者意識持つことにつながると思います。
市外や全国からは、ふるさと納税寄附金、市内からは、個人住民税の税額控除寄附金を募り、市は、地域経営の円卓会議などの市民団体が、寄付金受領ができる認定NPO法人などになることを支援する役割を担うべきと考えます。
【八の提案】粗大ごみのリサイクルパークの設置と資源ごみ価格一括管理
中学校区で粗大ごみのリサイクルパークの設置、リサクルスステーションの資源ごみリサイクル価格の市の一括変動管理への移行を提案します。
粗大ごみは、部材によっては買取価格が付く場合もあり、処分費との相殺でトータル費用抑制が可能となることから、部材の分別ができるリサイクルパークを設置していくべきと考えます。持ち運びを考えると、中学校区程度の範囲に1つが必要で、リサイクルに加え、リユース(再利用)なども進め、焼却処分などのエネルギー消費抑制にもつなげていきたいですね。
また、各地のリサイクルステーションに集まる資源ごみは相場変動が激しく、細かい観察は手間なのが実態です。しかし、観察を怠ると利益逸失の可能性もあります。市が相場観察の役割を担い、適期を逃さず有利な価格を一括で獲得すべきではないでしょうか。
【九の提案】おまつり実行委員会の常設化と民営化
さくらフェスやぶどうまつり、勝頼公まつりなどの文化発信型イベント(おまつり)の実行組織を法人化し、非営利の民間常設団体とすることを提案します。
巨大イベントを、伝統や文化などを踏まえた市民の支持ある継続的な取り組みへと進化させるため、市の条例指定による住民税税額控除の寄付金対象のNPO法人へと実行委員会が衣替えすべきと考えます。当然ふるさと納税寄付金充当も可とします。つまり、市民などの支持が獲得できるイベントか明確にする必要があると思います。
【十の提案】公共施設の管理・運営をできるだけ民営化
指定管理や委託、さらに言えば株式会社化など、民間活力を生かして公共施設の管理・運営を進めることを提案します。
公共施設には設置理念・がそれぞれあり、その実現へ向けた運営が望まれ、その担保があれば、運営主体が民間(地域住民や事業者)でも問題はないでしょう。指定管理や委託、加えて自治体が大株主である株式会社も理念を逸脱できない仕組みだと思います。
設置目的を踏まえつつ、効率性や合理性、誘客企画立案などを得意とする民間活力を生かす公共施設運営を目指すべきと考えます。
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