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地域の強みこそ成長の要素

ぶどうを作るなら、ワインだって生み出せるし、ジュースやジャムだって、もしかしたら薬や化粧品だって作り出せると思うのです。そして、生産する事業に留まらず、販売や宣伝、研究する事業だって展開でき、生産を支える資器材の供給事業も必要になってきます。

白ワイン、赤ワイン、オレンジワイン

それが地域産業の振興や拡大のあるべき姿ではないかと、最近、というか常々思ってきたことです。

まちづくりをリードしたいと思い、政治家となって早7年が経ちました。「言葉だけでなく行動で」ということで政策提言に留まらず、実践の現場を持ち、またヒト・モノ・カネをつなぐ役割も担ってきました。そして、今確信的な思いに至っています。

やはり地域の成長は地域の特徴を生かしてこそであり、住民や地域で息づく産業が基盤となって文化とか体質とか、地域が歴史的に築いてきたことが原点となって拡大・充足していくことが、大事だし、間違いないことだということです。

ぶどうを栽培してきた先人たちは、さらにワインを作り出すことに取り組み、そして自ら飲み、振る舞い、販売することへと歩を進めました。私の子どものころはもっと大人たちがワインを飲んでいました。お酒よりもジャムやジュースをと求める方たちもいました。

歴史を振り返るとワインでできる酒石酸は軍事利用されても来ました。ワインから得られる酒石酸(酒石酸カリウムナトリウム=ロッシェル塩)が、イヤホンやマイクなどの圧電素子として利用でき、当時、通信機や聴音機の原材料として不可欠な軍需物資だったのです。

また、ぶどうにはポリフェノールが多く含まれており、抗酸化作用や老化防止、動脈硬化の予防、眼精疲労の抑制など、さまざまな効果が期待できます。このポリフェノールには、アントシアニンやレスベラトロールなどがあります。

アントシアニンは黒系のブドウの皮に多く含まれ、眼の疲労回復や視覚機能の維持に効果が期待できます。レスベラトロールは白系のマスカットやぶどうの皮に多く含まれ、強い抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぐ効果や、コラーゲンの減少を防ぐことでシワやたるみを予防する効果が期待できます。

さらに、ぶどうの皮にはビタミンCも含まれており、コラーゲンの生成を促進して肌の弾力性を保つ効果があります。

縷々書き連ねましたが、ぶどうを食す、ワインを飲む、酒石酸やポリフェノールを活用するなど、科学者でもない私がちょっと考えただけでも、ぶどう由来の産業はたくさん考えられます。

これが地域の強みなのではないでしょうか。生活に根差した文化産業であり、そして資源豊富な素材産業であり、加工業、製造業などへ展開していけると思うのです。ありきたりな企業誘致、産業振興を進めるよりも、原点に立ち返って、地域の強みから世界をリードできると思っています。

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