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加工肉が危険なワケ

ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ、コンビーフ、沖縄でよく食べられるポーク缶詰などの加工肉には、さまざまな危険性が潜んでいます。

その中から今回は、亜硝酸ナトリウムという添加物が引き起こすと考えられる発がん性を中心に解説します。 
(記事の文末に動画を添付しています)

亜硝酸ナトリウムが使われる理由

亜硝酸ナトリウムという添加物が加工肉で使用される理由は、大きく分けて3つあります。

①色合いをよくする、整える 

肉類は日数が経つと見た目がだんだん黒ずんできます。
すると美味しそうに見えない、つまり売れません。
ということで亜硝酸ナトリウムが使われます。 

②細菌の増殖を抑制する 
これはおもにボツリヌス菌を対象にしています。 

③肉の獣臭さを消す。

ただ何と言っても、メーカーにとっては
①色合いをよくする、整えるが主目的だと考えられます。

実際に亜硝酸ナトリウムは代表的な発色材です。

亜硝酸ナトリウムで色合いを整えるのは、最初に挙げた加工肉以外にも、イクラ、明太子などの魚卵も含まれます。

亜硝酸ナトリウムの何が危険なのか

加工肉や魚卵に含まれる亜硝酸ナトリウムが、消化管内で2級アミン(アンモニアの化合物)と反応すると、ニトロソ化合物(ニトロソアミン)という発がん物質が生成されます。

この2級アミンは、肉類や魚卵に多く含まれるため、
肉類や魚卵を食べると、それ単体で 

亜硝酸ナトリウム+2級アミン=ニトロソ化合物(ニトロソアミン) 

という化学式が成立してしまいます。 
これが、加工肉や魚卵の危険性です。

ちなみに、発がん物質のニトロソ化合物(ニトロソアミン)は、酸性下で反応が促進されやすい性質を持ちます。

消化器の中でもっとも酸性なのは、強酸性の胃酸を分泌する胃です。
つまりニトロソ化合物は、胃がんのリスクを著しく高くします。

もちろん、たまに加工肉や魚卵を食べたくらいで、胃がんにはなりません。
旅先での食事や人との楽しい会食の時に、加工肉や魚卵が出てきても、残したりせずに美味しく食べてください。

ただ、日常的にそういうものばかり食べていると、発がんのリスクが高くなるということです。

亜硝酸ナトリウム不使用の商品を選ぶ

では、亜硝酸ナトリウムの対策です。

①亜硝酸ナトリウム不使用の商品を選ぶこと。

少ないですが、探せばあります。例えば、信州ハムや日本ハム(森の薫りシリーズ)のハムやベーコン。

原材料表示を見ると、亜硝酸ナトリウムの表記はありません。

次に、沖縄でよく使われるのが、ポーク缶詰です。
戦後アメリカから入ってきた食文化だと思うのですが、そのため多くの人が購入するのは、こういった輸入品です。

これには、100%亜硝酸ナトリウムが入っています。

私が買う場合には、亜硝酸ナトリウム不使用の商品を選んでいます。

明太子についても、下の商品には「発色材不使用」と表記されています。

全体の中ではごく一部ですが、探してみてください。

ビタミンCがニトロソ化合物の生成を阻害する

硝酸ナトリウムの対策、その②はビタミンCです。

加工肉や魚卵を食べる時には、その前後にビタミンCをたっぷり摂って下さい。
ビタミンCは、亜硝酸ナトリウムと2級アミンが反応して、ニトロソ化合物が生成されるのを阻害する働きがあるからです。

この「note」で学習している皆さんは、ビタミンCをたっぷり1日 1000mg以上は摂取していると思います。
であれば、ニトロソ化合物ができるのを“完全”かどうかは分かりませんが、概ね防ぐことができると考えられます。

「なんだ、じゃあ加工肉を食べたって大して心配ないじゃないか」
と思った方、それは早合点です。

加工肉が大腸がんを引き起こす?

こんな事実もあります。 

[国際ガン研究機関(IARC)は、ソーセージ、ハム、ベーコン、サラミなど毎日50g食べた場合、大腸ガンになる可能性が18%増す]
と報告しています。

胃ガンではなく大腸ガンです。

大腸のペーハーは弱酸性です。
平均すると、6点台前半です。
(個人差、大腸の場所による差あり)

酸性と言えば酸性ですが、強酸性である胃と比べるとニトロソ化合物との因果関係には「?」が付きます。

加工肉と大腸ガンとの関係は、それ以外に2つの原因が考えられます。

一つは、加工肉とくに赤肉の場合には、そこに多く含まれるヘム鉄です。
ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高く、貴重な栄養素ですが、過剰摂取すると大腸ガンのリスクが心配されます。  

それについては、下の記事で解説しています。

加工肉が大腸ガンを引き起こすと考えられるもう一つの理由は、肉類に多い飽和脂肪酸の摂り過ぎが考えられます。

飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に比べて消化が困難であるため、脂質の分解を助ける胆汁酸を大量に分泌させます。 
胆汁酸は飽和脂肪酸を分解したあと大腸に移動します。

ところが、大腸に移動した胆汁酸は、悪玉菌により「二次胆汁酸」に変化します。
この二次胆汁酸に発がん物質が含まれているため、胆汁酸が増えるとガン発症の可能性が高くなるといわれています。

結局、大腸ガンの真の原因はハッキリ解明されていません。
が、いずれにせよ、加工肉を含む肉類の摂りすぎはリスクがありそうです。 

注意しましょう!

まとめ

亜硝酸ナトリウムはおもに色合いをよくするために使われる添加物で、代表的な発色材です。

亜硝酸ナトリウムで使われているのは、
ハム、ソーセージ、ベーコン、
サラミ、コンビーフ、ポーク缶

などの加工肉。

それ以外にも、
イクラ、明太子
などの魚卵も含まれます。

亜硝酸ナトリウムが消化管で2級アミンと反応すると、ニトロソ化合物という発がん物質が生成されます。

2級アミンは、肉類や魚卵に多く含まれるため、肉類や魚卵を食べると、

亜硝酸ナトリウム+2級アミン=ニトロソ化合物 

という図式が成立します。
これが、加工肉や魚卵の危険性です。

ニトロソ化合物は酸性下で反応が促進されやすいため、とくに胃がんリスクを高くします。

対策は
①亜硝酸ナトリウム不使用の商品を選ぶこと。
②前後にビタミンCをたっぷり摂ること。
この2つです。

加工肉は、亜硝酸ナトリウム以外にも、ヘム鉄、飽和脂肪酸による大腸ガンのリスクが疑われています。
ビタミンC摂取とは関係なく、食べ過ぎには注意することが大切です。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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