透明な液体
今日の夜ご飯は念願の焼肉。
僕は野菜炒めを作る担当。
野菜炒めを作りながら、
(そうだ、今日は肉と一緒に日本酒を嗜もう。)
そんな精一杯背伸びしたことを思いつく。
僕はお酒に弱く、普段飲まない。飲んだとしてもチビチビと飲む。なぜか今夜はお酒が飲みたい気分だった。
焼いていた野菜から冷蔵庫に目を移し、お父さんが買ってきた日本酒を冷蔵庫から取り出そうとした。
(いや、ちょっと待てよ。そこまで酔いたくないから先に水を飲もう。)
と思い、水をグラスに注ぎ一気に飲み干した。
お風呂上がりだったこともあり、水がいつもよりおいしく感じた。
水が全身に行き渡る感覚になった。
グラスが小さかっため、結局2杯飲んだ。
2杯目が飲み終わる頃には、野菜炒めは出来上がりに近づいていた。
急いで、冷蔵庫から日本酒を取り出し、グラスに半分ほど注ぎ、火を止め、リビングへ野菜炒めを運んだ。
そのまま慌ててキッチンに戻り、透明な液体を一気に飲み干す。
アルコールが全身に行き渡る感覚になった。
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