【速報】『個と組織の両面でハイレベルの相手への戦い方が見えた?90分』~キリンチャレンジカップ2022日本代表VSブラジル代表~

キリンチャレンジカップ 2022
6/6 19:20K.O. @国立競技場
日本(0-1)ブラジル
75分 ネイマール

SAMURAI BLUE(以下日本代表)が新国立競技場で行う最初の試合にFIFAランク1位のブラジル代表を迎えた一戦は、雨が激しく降る中で63,638人の観衆が駆け付けた。

日本代表はGK権田修一、ディフェンスラインは右から長友佑都、板倉滉、吉田麻也、中山雄太。アンカーに遠藤航が入り、その前には田中碧と2試合連続出場となる原口元気が並ぶ。そして、左WGに南野拓実、右WGに伊藤純也が入り、最前線には古橋亨梧が起用された。

一方のブラジル代表はフルメンバーを揃えた。GKアリソン(リバプール)がゴールマウスの前に立ち、右SBはダニエウ・アウベス(バルセロナ)、CBはマルキーニョス(パリサンジェルマン)とエデル・ミリトン(レアルマドリード)がコンビを組み、左SBにはギレルメ・アラーナ(アトレチコミネイロ)が入った。カゼミーロ(レアルマドリード)とフレッジ(マンチェスターユナイテッド)がダブルボランチ、右SHにハフィーニャ(リーズ)、左にヴィニシウス(レアルマドリード)。ルーカス・パケタ(リヨン)とネイマール(パリサンジェルマン)が2トップを構成した

前半はブラジル代表がパスをつないで完全に押し込んでゴールに迫り、それに対して日本代表がみんなでボールに食らいつき粘り強く守る構図で進んでいく。

2分、PA中央でボールを持ったネイマールがヒールパス。日本代表は意表を突かれ、これに反応していたルーカス・パケタが抜け出してシュートを放ったが、ボールは左ポストに当たる。18分にはダニエウ・アウベスが内側からゴール前に入っていき右のスペースにボールを流すと、ハフィーニャがPA右から左足を振り抜いた。至近距離からのシュートだったが、権田が足を残してニアサイドに飛んできたシュートを冷静に対処した。さらに27分にもこぼれ球を拾ったネイマールが左斜め45度から右足を振り抜く。曲がりながらゴール右スミに飛んだシュートはGK権田が横っ飛びのファインセーブでしのいだ。

日本代表はブラジル代表の波状攻撃に対して集中を切らさずにカバーを早くして組織として抵抗した。41分にも権田の好守でPA右からのネイマールのシュートを防ぎ、攻撃に転じていきたかったが、切り替えが早く強度の高いブラジル代表の守備を越えていくことができない。シュートシーンを作ることができず、日本代表は何とかしのいでスコアレスドローで前半を折り返すことで精いっぱいだった。

前半だけで15本のシュートを浴びた日本代表は原口に代えて鎌田大地を投入して後半に入った。

引き続きブラジル代表がボールを保持して攻める中で、日本代表は51分に自陣からロングボールを放り込むと、相手のクリアを拾った古橋がミドルシュートを放つ。後半1本目のシュートを打つと、引いて守るのではなく積極性を発揮していく。守備ではプレスをかけて、攻撃では自陣からつなぐことにチャレンジする。53分には南野が自陣でボールを奪われてしまい、ゴール前のネイマールにボールが渡るも、遠藤が懸命に頭でブロックした。ピンチをしのいだ日本代表は右サイドの関係性でゴールに迫る。58分に伊藤のパスに抜け出した長友が右サイドを突破してクロス。DFにクリアされるも、こぼれ球を合わせるように田中がシュートを放ったがジャストミートせず。田中は頭を抱えて悔しさをあらわにした。

0-0で試合が進んでいく中で、両チームは勝利するための交代策を投じる。

ブラジル代表は63分にマルティネッリ、ジェズスを投入し、70分にはリシャーリソンとチアゴ・シウバが駆け出していく。対する日本代表は67分に前田大然、73分にも堂安律と三笘薫を入れて、3トップを変えた。

日本代表が敵陣でのプレーを徐々に増やしていったが、ブラジル代表が75分に試合を動かす。左サイドから入れたクロスに対して選手がなだれ込むように入っていくと、遠藤がPA内でリシャーリソンを倒してPKを与えてしまう。これをネイマールがしっかりとGKの動きを見て逆を突くシュートを決めてゴールネットを揺らした。

失うものがなくなった日本代表は左サイドから三笘が仕掛けていく。86分に背番号15が中央に切れ込んでいき、鎌田とのワンツーでPAに入って倒されたが、審判の笛は鳴らない。アディショナルタイムに入っても日本代表はゴールへの意欲を出したが、最後までブラジルの守備を崩すことができなかった。

世界ランク1位は伊達ではなかった。力のある選手たちが個人だけでなく組織として戦ってくる相手はやはり手強い。しかし、本大会で対戦するドイツ、スペインも同じように個と組織の両面でレベルの高い相手であることは間違いない。そういう相手にどのように戦えばいいのか。我慢強く戦ってスコアレスで試合を進めて、スピードのあるアタッカーで後半勝負という戦い方にはある程度の手応えを感じることができただろう。これが弱者の戦い方なのか、相手との力量を踏まえた戦い方というのかは人それぞれだが、本大会での振る舞い方に生かすべくブラジルとの試合は濃密な90分間だった。

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