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株主総会を振り返って

今回は、「株主総会を振り返って」、というテーマでお話をしたいと思います。
当社グループは全社3月決算のため、株主総会を6月に開催しております。
今年の株主総会もひと段落しましたので、振り返っていきたいと思います。

1.株主総会とは

まず最初に、株主総会ついてざっくりと説明いたします。
株主総会は株式会社の最高意思決定機関となります。
大きく二つに分類すると、計算書類の承認など毎事業年度ごとに定時に開催される定時株主総会と、必要がある場合にいつでも開催することができる臨時株主総会があります。
参加資格は、株主総会開催日時点の株主ではなく、設定された基準日時点での株主にのみ議決権が与えられます。

2.株主総会でやること

続いて、株主総会の流れ(今回は定時総会)について説明いたします。

①監査報告
 監査役または監査等委員から監査結果の報告を行う
②事業報告、計算書類の報告
 事業報告と計算書類の内容について報告を行う
③議案の上程
 審議する議案の説明を行う
④質疑応答
 報告事項及び決議事項についての質疑応答を行う
⑤決議
 上程された議案について採決を行う

近年は新型コロナウイルス感染症の流行もあり、3密を回避した時短進行がトレンドであり
②の事業報告については割愛する会社がほとんどだと思います。
コロナ前は、ビジュアル資料やナレーションを外注したり等で結構工数がかかっていたのでここが割愛されることにより、事務局的には少し助かった一面も。。。(もちろんその分、他(コロナ対策等)に気を配る必要は増えたのですが)
また、④の質疑応答によって株主総会の開催時間は大きく左右されます。
会社規模にもよりますがコロナ前で大体1時間くらい、コロナ後で30分くらいというのが平均的な時間だと思います。
ちなみにソニーの12時間半というのが過去の最長記録だそうです。すごいですね(驚)

3.株主総会までの準備について

あまりフォーカスされることもないので、株主総会の準備についてもさらりと触れてさせて頂きます!
株主総会の開催は前述の通り1時間くらいで終了しますが、その準備にかける時間は実は何百倍もかかっております。(^^;
当社グループの場合は6月下旬の株主総会のため、4月から本格的に準備に入ります。
事業報告や招集通知といった法定資料作成や総会議案の最終調整、総会当日の議事進行等のオペレーション構築、株主名簿管理人(証券代行)との各種事務手続きの連携などだけでなく
金融庁に提出する臨時報告書、東証に提出するコーポレートガバナンス報告書といった株主総会に関連する手続きの準備も行います。
ご存じの方も多いと思いますが、この総会開催までの日程についても会社法で決められたスケジュールがあり、それに沿った形で全体スケジュールを作成するというのが一番初めの作業だったりします。
また、総会が終わった後も登記が必要になったりするので、そこまで含めて4-6月まではコーポレート部門はピリピリとしたムードが漂っております(笑)
コロナ前は総会後にはコーポレート部門は長期休暇をとり、バカンスに出かけるというのが日常でしたが、コロナのおかげでここ数年はそれも出来ず。。(@_@)

4.今回の新たな取り組み

そして、弊社が新たに取り組んだことを紹介いたします。
これは私の個人的なポリシーでもあるのですが、同じことをやり続けない、ということを常に考えております。
とはいえ株主総会というのは前述したとおり、会社法上の重要な会議体でありますし、法律通りに行うことがまずは求められます。
しかしながら、ただ法律にそって毎年同じことをやるだけでは「ただの作業」になってしまうし、そこに成長を感じることは少ないと考えているので、毎年、何かしら新しいことを取り入れていこうと(勝手に自分の中で)決めています。('ω')ノ

そこで、今年度に行った新たな取り組みをご紹介します。

①議決権電子行使プラットフォームの導入
コーポレートガバナンスコードの改定により、プライム市場上場企業には議決権電子行使プラットフォームの導入が求められました。
これは機関投資家(特に海外)が議決権行使を行いやすくする取り組みのことで、当社も今回から導入を行いました。
今年度からの導入のため前回比較はできませんが、行使率は全体で約9割、うち海外投資家は3割ちょっとという数字でした。

②取締役のスキルマトリックス導入
こちらもコーポレートガバナンスコードにて推奨されている項目です。
取締役会を構成する各取締役が保有しているスキルを、一覧表の形でまとめたものになります。
スキルバランスを可視化することで、必要な経営機能が備わっているかどうかを、外部から判断しやすくなります。
当社の場合は、経営やコンプライアンスなどの一般的なスキルに加えて「EdTech」というスキルを重視しているところがポイントです。
また、まだまだマイノリティですが各スキルの基準も開示しており、ご興味ある方は是非、招集通知をご覧頂ければ幸いです。

③レアジョブ+子会社4社の株主総会を実施
今年度はレアジョブグループ合計で5社分(すべて3月決算)の株主総会を対応いたしました。
上場会社と未上場会社では、その準備に係るボリュームは違いますが、5社分の株主総会の対応は会社としても私個人としても初めての経験でした。

④株主総会統括責任者の引継ぎ
これまで株主総会は私が統括責任者として、プロジェクトマネジメントを行っておりましたが、今年度は後任に引継ぎを行い、責任者として遂行してもらいました。
大きな問題なくグループ全体の株主総会を終えることができ、この経験は後任者本人だけでなく、私個人、そして会社にとっても大きな財産となったと思います。

5.振り返って

最後に振り返りです。
今年度の参加人数は昨年比で50%減の10名、一方で質問の数は6問(昨年は無し)となりました。

概要
・参加者 10名(出席率0.18%)
・質問数 6問
・所要時間 43分

昨年に比べて、総会の参加者が減少したのは今年はLIVE配信を中止したためです。
全体としてはコロナ前の株主総会と同じくらいの水準になったといったところです。

2022年の株主総会の動向をみても、今年は参加者、質問、所要時間ともに昨年比では増加傾向ということなので、概ねトレンドと同じ動きだと思います。

担当者の割り振りや、昨年の反省事項の振り返りなど入念な準備のもとリハーサルも2回実施した成果もあり、当日は概ねスムーズな進行で運営できました。
一方で、これだけ準備しても、細かな部分では来年に活かすべき改善点は出てきます。
この改善点をまた来年の株主総会に活かしていくことが重要なので、総会後には事務局メンバーに振り返りを依頼しナレッジとして蓄積しております。
株主総会の準備はスケジュール作成がまず最初の業務と前述しましたが、この前年までの蓄積された振り返りを見直すというのが実は一番最初の準備かもしれませんね(^^;

今年の総会が終わったばかりですが、来年に向けての動き出しも行わないと。。
特に弊社は着実に株主数が増えておりますのでそろそろ別会場での開催や完全バーチャル総会の継続検討(今年は検討の結果見送りましたが))も視野に入れる必要もあります。
(現在は本社のイベントホールを利用して実施しました)

と、これを書いている今も既に次の1Q決算対応が始まっていたりします。。
猪突猛進あるのみっ(/・ω・)/

※業界職種問わずに情報交換させて頂ければ幸いですので、お気軽にお声がけください~!!

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