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椿姫にはヴェルディかショパンか

なぜ椿姫のバレエは音楽に
ヴェルディではなくショパンを使ったのか。

マルグリット・ゴーティエとショパンは同じ時代を生きていたから。
そして、若くして病を患ったショパンはマルグリットと重なる部分がある。

パリの裏社交界で贅沢に生きながらも
本当は孤独感に苛まれていたマルグリットの二面性が、表面的な華やかさと、奥に潜む孤独と哀愁を感じさせるショパンの音楽と合わさった。

と振付家のジョン・ノイマイヤーが
言っていた。

椿姫なのにヴェルディを使わないの!?とずっと疑問だった。ヴェルディだってヴィオレッタの心情を細かく音にしているわけだし
私もオペラの椿姫の音楽は大好きだからさ。
普通にヴェルディの音楽で踊るダンサーの姿を見てみたかった。

でも最近オペラとバレエの椿姫はかなり別物なのではないかと思ってきた。
その理由にオペラは題名がLa dame aux cameliasではなく、La traviataになってるわけだし、フランスの話なのにイタリアオペラにしちゃっていて、登場人物の名前も物語のラストも全く違う。
原作小デュマの椿姫に近いのはバレエの方だなと痛感。

原作の小説はオペラよりもロマンチックというか、、薄っぺらい言葉だけども、、

ラストでアルマンと再開できずに孤独死してしまうところがロマンチック度を上げているのかなぁ?

マルグリットのモデル、マリー・デュプレシはリストと付き合っていたわけだから
リストの音楽ではどうだろうと思っていたりしたけれど、リストはちょっと違うんだよね。

ショパンの音楽がもつ、甘さと哀愁漂う感じが、マルグリットという人間やこの作品に一番スっと入り込める気がするなと思った。

ということでますますシュツットガルト来日の椿姫を観たくなってきた。

もうひとつ。ノイマイヤーはあるバレリーナを見て椿姫がピンと来たらしい。

私もアンナモッフォを見てこれぞ椿姫だ!と思ったんだけど、面白いのはノイマイヤーがピンと来たバレリーナとアンナモッフォが少し似てるってこと。

やっぱり"椿姫"に相応しい顔ってあるのだと納得。(勝手にノイマイヤーに共感している)

マルシア・ハイデ(左)
とアンナ・モッフォ(右)



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