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経営者とのミーティングの進め方

数字とロジックで経営と現場をExit(IPO、M&A、優良中堅)へナビゲートする。ベンチャーパートナーCFO®、高森厚太郎です。

初回から前回まで、テーマ「中小ベンチャーの成長マネジメント」における、中小ベンチャーの経営とCFOについて、あらましを語ってきました。今回以降は、具体的にCFOが会社の成長マネジメントをするにあたり、経営者とどう議論していけばいいのか、「中小ベンチャー経営者とのディスカッションスキル」について考えていきます。

■経営者とのミーティングの進め方


もしあなたがある中小ベンチャーを担当する社外CFOで、その経営者がとある案件について折り入って相談がしたいと言ってきました。ミーティングはどのように進めるのがよいでしょうか。

経営者が求めているのがコンサルティングなのか、コーチングなのか、はたまた壁打ち(ディスカッション)なのか。ミーティングのなかで早めに見極める、ニーズに合わせてミーティングを進めるのが有効です。

コンサル、コーチングの違い

■コンサルティングでは、答えを与える

コンサルティングというのは、クライアントが抱える問題に対し、コンサルタント側が解決策を提示していく手法です。つまり答えを持っているのはクライアントではなく、コンサルタントの方になります。

コンサルタントは個々の問題(事柄)に焦点を当て、合理的・論理的に具体的な解決策を模索していきます。コンサルタントがよく使う質問形式には「どうすべき(Should)だと思う?」や「どうすれば(How)いいと思う?」というものがあります。

■コーチングでは、答えを引き出す

これに対してコーチングは、クライアントが抱える問題を、クライアント自身が自力で目標達成・問題解決できるようにサポートしていく手法です。ここで答えを持っているのはコーチではなく、クライアント自身。つまり、セッションを通じてクライアントのなかから答えを「引き出す」形式となります。

個々の問題(事柄)よりもその人自身に焦点を当て、五感や感情を揺さぶるなどの情緒的アプローチも交えながら、クライアントのありたい姿や価値観をあぶり出していきます。コーチがよく使う質問形式には「どうありたい(Want)?」や「なぜ(Why)そうなりたい?」というものがあります。

■ディスカッションでは、ひたすらラリーをする

一方、ディスカッションにおいては、答えはクライアント側にあるのでもディスカッションパートナー側にあるのでもなく、どこにもありません。強いていえば、ディスカッションの「」にある、でしょうか。

クライアントとディスカッションパートナーは個々の問題についてひたすら壁打ち(ラリー)しながら、相手になにかしらの刺激やインスピレーションを与えていきます。「他には?」と視点を他に振ったり、「するとどうなるのか?」と議論を前に進めたり、あるいは「こういうことですか?」と議論を収束させたりする形式が、よく使う問いかけになるでしょう。こうして見ると、ディスカッションパートナーはファシリテーターに近い存在と言えます。

ちなみにディスカッションと雑談は答えがないという意味でよく似ていますが、ディスカッションには目的があり雑談には目的がないという根本的な違いがあります。「生産性がない会議」と言われる会議がありますが、そんな会議は内容が雑談になっている可能性がありそうです。

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