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アウトバック 車中泊用に改造

今回は、アウトバック(BS9)で車中泊するために行ったカスタム化(改造)について書いていきます。

以前、ステップワゴン(RP6)とN-VANを車中泊仕様にする方法について書きました。

実は、この3台の中では、このアウトバックが長期車中泊を始めた最初の車で、下北半島の龍飛岬から京都まで車中泊しながら、約一週間で走破したのがいい思い出です。

このアウトバックは、運転席背面からリアゲートまで2000mmほどあって、そこを最初からベッド仕様(車中泊仕様)にしておけば、宿泊地でも、運転で疲れて一休みするときでも、簡単に横になることができます。

ここでは、そのベッドのカスタム化を中心に話しを始めます。


1.コンセプト

真っ直ぐの状態で寝られる

アウトバックの前にも別の車で行っていた2日程度の車中泊旅で、足を伸ばし、水平なところで寝るのが大事なことに気付かされました。
 

簡単に仕様変更

また、この車は通勤や買い物に使う事が多く、車中泊の専用車にはできない事情から、車中泊仕様への変更は簡単に、車中泊旅から戻れば直ちに、通常の状態に戻す必要がありました。
  

2.ベッドの設置

ディーラーは「後席を倒せば、アウトバックの荷室はフラットになる。」と強調していましたが、ベッドあるいは和室のような平坦(完全にフラット)にはなりません。
何故かと言うと・・・
 

フラットとは言えない点

 倒したシートと荷室の間に3cmほどの段差
そこには連続性を持たせるための生地があって、一見フラットのように見せていますが、明らかに段差があります。
例えばベッドに3cmの段差があったら気持ちよく寝られませんよね。快適に寝るにはこの段差対策が必要です。

 背もたれ背面、倒したときに床になる部分に凹み
これは背もたれの強度アップのためか、通気性確保のためか、背面には触ると分かる凹部いくつもあります。
ベッドがデコボコしていたら気持ちよく寝られませんよね。

 倒した後席は前方が少し持ち上がる

倒した後席の背もたれは若干傾斜する

これは、後席の座面が前側(膝の裏が当たる部分)が持ち上がっているためです。
ただ、こちら側を頭にすれば寝るのに支障がなさそうなので、今回はこの傾斜の対策はしません。
(ディラーの言う「フラット」への注意喚起の意味での指摘です。)
  

対策

① 3cmの段差
これには、荷室の低いところの形状に合わせて成形して3cmの厚みのスタイロフォームを置いて嵩上げしました。

3cmのスタイロフォームを敷いて
倒した背もたれとの段差を解消した。

因みに写真も中央部の大きな窪み、これは荷室下の床下収納のフタを開けるときにスタイロフォームが干渉しないように、ヒンジ個所をV字カットしたものです。

ヒンジに乗っかる部分をV字にカット
これで、床板収納のフタが開閉可能に

このようにスタイロフォームを敷いた状態でも、後席背もたれの稼働や床下収納のフタの開閉に影響しないので、普段から敷きっぱなしにしています。
  

② 背もたれの凹凸  
背もたれを倒した状態でその上に寝袋で寝ると、背中に凹凸を感じ安眠できません。

そこで、その対策として900×620×5mm のベニヤ板2枚を、運転席の後ろからリアゲート付近まで並べました。
(別の理由もありますが、それは後程。)

ベニヤ板2枚敷いても若干余裕があります。

これによって、背中の凹凸を感じなくなり、当然ですがスタイロフォームのV字カット部分の凹みも気になりません。

スタイロフォームとベニヤ板がズレ易いので、板の下に背もたれからベニヤ板まで架かるように滑り止めマットを敷くことをお勧めします。

因みに、この2枚のベニヤ板は普段は重ねてスタイロフォームの上において荷室の床として使っています。いつも車内に置いてあるので、車中泊旅の前に簡単にベッド展開できます。


ベッドの作製

以上で、ベッドの基礎ができたので、以下の記事の「2.水平なベッドのセッティング/ベッドの完成の作製要領で、このベニヤ板の上にインフレーターマットとキルティングマットを重ねてベッドの完成です。
(インフレーターマットも滑り易いので、ベニヤ板の上にも滑り止めマットを敷いた方が良いでしょう。)

充分な長さのベッドが完成
ベッドの長さ
運転席後ろからの距離に相当


寒さが心配の際には、キルティングラグの下に電気敷毛布と、その熱を下に逃がさないように銀面を上にしてキャンプマットとを、敷くことをお勧めします。


運転席後ろの空間の利用

ここまで読んで来られた方は、床の凹凸を無くすならインフレーターマットで十分じゃないか、と思われたと思います。

実は、この2000mm近い長さを確保するには、後席後ろの空間もベッドとして利用する必要があります。
そのため下の写真のようにヘッドレストを最大限まで引き出し、更にその上に後席中央部のヘッドレストを乗せて空間を埋めることで、この部分にベニヤ板を置くことができ、インフレーターマットもここまで伸ばせます。

運転席の後ろの空間をベニヤ板で覆うため、
最大限伸ばしたヘッドレストと後席中央のヘッドレストの組合せ。
この下の空間にはポータブル電源を置いています。

この状態でも頭部の重さを支えることができる(十分な実績あり。)ので、この上が枕の位置になります。
(隙間を埋めるエアークッションも市販されてますが、膨らませるのが面倒くさい。この方が、「簡単に車中泊仕様に」が可能となります。)

これが、インフレーターマットだけでなく5mm厚のベニヤ板を利用した理由です。
これにより、2000mm近くのベッドが可能になった訳です。
  

なお、このヘッドレストの下の空間にはポータブル電源を置いていて、電気敷毛布などへ電源を供給します。
また、助手席後ろの席でPCを使用しますので、ここに電源があると何かと便利です。


3.換気扇

車中泊では内外の気温差の他に、中にいる人間の呼気によって、朝方窓ガラスが結露します。
特に大きく傾斜しているフロントガラスの結露の拭き取りは大変です。

車内で煮炊きしない場合でも、車内外の湿度差や温度差を少なくするために、換気扇が必須と考えています。

内側から見た一体型換気扇
左の黒い箱にモバイルバッテリーを入れる
外側から見た一体型換気扇

作り方や窓への装着方法は以下の記事の「2.換気扇」をご覧ください。

この一体型換気扇の大きさは現物合わせで決めてます。


4.カーテン、遮光シート

これらも上のnote記事の「1.カーテン類」をご覧ください。

カーテンの取り付け方法

このアウトバックもステップワゴンと同様に、Bピラーから天井へカーブしていて突っ張り棒が効かないので、前後のアシストグリップに取り付けた木の棒を足掛かりにしてカーテンを取り付けています。

但し、木の棒の長さは910mmで十分です。

窓に取り付ける遮光シートの作製方法も上のnote記事をご覧ください。


5.アウトバックをやめた理由

自分の車中泊旅のタイプ(高速道路で遠くまで移動し、そのあと山道に入る)ような走り方では、アウトバックの高速運転での安心感と疲れにくさを担保するアイサイトと、濡れた山道でも安定した走行が可能なAWDが非常に有効です。

ところが車中泊車としての評価では、長期に亘って車の中で生活していて天井の低さが問題と感じました。

具体的に言うと、ズボンを脱ぎ着するときの問題です。普通は立って穿きますよね。
座ってズボンに脚を通したとしても最後は立ち上がります。

ベッドから天井まで80cmほどしかない今回のアウトバック車中泊仕様では、天井の低さが気になりました。
体が硬い自分には特に辛い事でした。

そういう不満を何とかしたい考えていたとき、ホンダから荷室の高さが130cmを超えるN-VANが発売されました。
荷室で前かがみながら立っていられることをディーラーの展示車で確認し、その他いろいろ調べてターボ付きのN-VANに買い替えしました。

予想通り、このN-VANは車中泊するには良かったのですが、それ以外の問題が明らかになって、今では同じように天井が高い車、ステップワゴンを使っています。
N-VANの問題点は以下のnote記事「8.N-VANをやめた理由」にまとめているのでご覧ください。


アウトバックで車中泊をお考えの方に、少しでも参考になれば幸いです。
そして、ここまで読んで頂いて有難うございました。
  
  

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