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やがて父になる その4〜妊婦体験〜

す「燕市の妊婦体験いつ行く??」

た「へ?なにそれ?」

妊婦さんやママさんの講座やらなんやらは色々あるというのは漠然とした情報で知っていた。

なんなら病院であるのだけ行けばいいと思っていた。
このような状況下なので、各講座中止になっているのは知っていたが、まさか市で行っているパターンもあるのかと、ここでも主体性のなさを痛感した。

正直に言うと、そういったものにはあまり参加する気にならなかった。

読み物を始め、様々情報を漁っても書いてあることは
「パパはママの代わりに家事しなさい!」
「パパはママの話を聞いてあげて!」
「ママはこんなに大変なんです!」
といった内容が主である。

(そのためこうやって父親になるまでの気持ちを残しておこうと決めた訳だが)

もちろん妊婦さんは大変だ。
それを想像することは出来ても、身をもって知ることは出来ないし、想像するにも限界がある。
だからこそ夫側にも葛藤はあるし、歯痒い。

そんなこんなで、夫への圧に少々喰らい気味だったのだ。

しかし心の中では産まれた後の我が子の扱い方に不安があったのは事実。
どうやら今回の講座の中では沐浴やオムツ替えなども教えてくれると言うことで、これは参加するしかないなと決心して参加してきた。

参加は我が家を含め2組とソーシャルディスタンスを取りつつ、手厚く指導していただいた。
講座の内容は、


①パパは講座の間は妊婦体験

会場に着くなり、ウエイトかな?と思うような妊婦ベストを有無言わさずに装着。

前日に仕事で足首を捻挫したため、信じられない負荷となって我が身に襲い掛かった。笑

妊婦さんと中身の質量違いすぎるやろ、胸こんなにあるか?などと文句を言いつつ、日常動作のやり辛さに驚いた。

す「どう?大変?」
た「いやー、想定通りな!」
などとハスりまくったが、内心いろいろな感情が頭の中を巡って少し感極まってしまった。

自分が勝手に太っていった分には受け入れられるが、自分だったら到底妊娠して変化していくのは受け入れられないなと痛感。

なんだかすーがとてつもない人物なのではと錯覚するほどであった。


②持ち方とオムツ替えと沐浴

次に助産師さんによるオムツ替えと沐浴の作法について教わる。

夫がメインで体験してくださいと念押しされ、ほぼ男性陣が体験する形に。

助産師さんの説明通り、必死に食らいついていく。
ただ妊婦状態で行っていくので非常にやりづらい。
冷静にふと思ったのだが、妊婦の状態で新生児の我が子のお世話をするって時系列的にあり得なくないか?なに?タイムパラドックス起きてる?と疑問に思ったが、その場で言うと全体から反感を買うのは目に見えていたため、帰り道の話題にしようと思い口をつぐんだ。笑

特に指摘されることもなく、人形の顔を拭く動作を褒められたのだが、頭の中では何かの動作に似てるなーという事で頭がいっぱいだったので、あまり集中出来ず。

ふと冷静に周りを見てみると、自分の周りにスタッフの人が明かに少ない!
というか、もう1組のパパさんにばっかり集まってる!
帰りにすーに聞いてみると、スムーズにやってる風だったから、少し手間取ってたあっちのパパさんに注目集まってたよとのこと。

聞きたい事もあったし、勿体なかったなー。
長い間患っている、なんでもそつなくこなす様必死になる、恥かきたくない病の弊害がこんなところでも出るのかと少し落ち込んだ。

ちなみにあとで判明したのだが、布で顔を拭く動作が慣れていたのは、金メッキ品を塗装する前に無塵布で拭きあげる時があり、簡単に擦り傷が入るのでかなり慎重にやるそれと同じ要領でやってたからだなと家についてから分かった。

抜群の仕上がりでウキウキになった品


時を戻そう。
沐浴もオムツ替えも知らないこと満載でとっても勉強になった。

実践するときにどこまで思い出せるか分からないが、自分から積極的にやってみたいなと思うようになったのは収穫だな。


③座学

最後に座学で食事や新生児の特徴など。
世の中のお母さんはこうやって我が子を育てていったんだなあと思うと頭が上がらない思いである。

こういった内容も本で読んで知るだけじゃ入ってこないし、こりゃ助かる。


会を総括すると、参加して非常に良かった。
自分が行う作業について知れたとか、夫婦で参加できてよかったという点もあるが、なにより各家庭だけで子育てするんじゃない、地域にも頼れるんだということが強く実感できたのがとても良かった。

まだまだ実感とお腹の子の成長スピードは一致しないし、産まれるまで〜産まれた後のことを考えると不安感はついて回るが、なんだか少し心が軽くなった気がした。

自分が生まれ育った地域ではないが、なんだかはじめて仕事以外で地域と繋がりを持てたような気がして嬉しかった。


生まれてくるまであと90日を切った。
近いようで遠いし、遠いようで近い。
自分がうじうじしててもしょうがない所まできている。
気持ちよく迎え入れられるように、やる事はまだまだ山積みだ。

すーと娘の無事を祈りつつ、自分に再度喝を入れた日となった。

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