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人事的に意外とモヤモヤする6選!

こんにちは。なんやかんやで人事をやっている吉野高一(tkkz1009)です。

簡単な経歴は以下。

開発組織人事(イマココ)←人事・総務・法務・購買←SI営業←エンジニア

今回は、↑の煽りタイトルの通り私が個人的に感じたモヤモヤするけど意外とよく見かけるあるあるTIPSをいくつかご紹介できればと思います。人事というよりは人事以外の方にこそ知っていただきたい内容だと思います。(もちろん人事としては当然押さえて欲しいポイントです)


採用選考編

スカウトの差出人と実際に送っている人が違う

よくあるパターンで差出人が代表や役職者の求人職種の役職者の方だけど、実際送っている人はリクルーター or RPO(採用代行事業者)だったりすることが多いです。
役職者から直接メッセージ頂くのは嬉しいものですが実際は、そこまでリソースを割けないことも多々あり、誰かが代行してメッセージを打っていることがままあります。
個人的にこれはダイレクトリクルーティング詐欺とも見えてしまうので、スカウト文を書いた本人の名前で送る方が良いと考えています。
理由としては、文章の内容で本人じゃないということは結構分かってしまうものです。なので「直接スカウトしてもらえた」というメリットが打ち消されてしまうのでそれをやるくらいなら送る人本人がやった方がマシだと思います。「役職者から直接スカウトされる→嬉しい」もあると思いますがそれよりも「候補者の業務経歴を見た上で何に魅力を感じたか」を丁寧に伝えた上で声がけする方がうれしいのではないかと思います。

カジュアル面談は0.5次面接!?

「カジュアル面談」というのも近年当たり前になってきたのでそんなに認識が大きくズレるということはないと思います。ただカジュアル面談には明確な定義があるわけではないのでどんな目的で行うかは各社それぞれ解釈が異なっていることがあります。多くのケースではカジュアル面談は「選考ではなく、会社のことをよく知ってもらう場。魅力付け」かと思います。

ただ会社としては選考に繋げる思惑が当然あったりするわけです。そういう意図が認識されないまま思惑が前面に出てしまうと候補者体験としては悪くなる可能性があります。どういう場か予め認識を揃えていないと実際カジュアル面談の場で面接っぽい質疑がされたりすることもあり、候補者からすると「カジュアル面談のつもりがカジュアル面接だった」ということになるわけです。
数年ほど前なのですが、「カジュアル面談の炎上をなんとかして」という相談というか依頼がありました。せっかくリファラルで紹介してもらった候補者に対してカジュアル面談の場で面接的な質疑や年収を訊いてしまうなど紹介社員からもクレームが来ていました。そのためカジュアル面談のガイドラインを作成して面談担当者に周知、浸透させていくことをしていました。
できればカジュアル面談を組む際や、カジュアル面談が始まった際に「何の場」かを候補者の方に丁寧に伝えておくこと、または候補者がどういう場にしたいかをしっかり確認するなど(互いに認識をすり合わせる)を推奨します。

スカウトされたはずなのに、書類選考で「見送り」ってどういうこと!?

候補者的にはスカウトされたということは「自身の業務経歴をよく読んでもらった上で声がけしてもらっている」と考えるので、カジュアル面談後、選考に進んだ場合は面接になると考える方が多いと思います。
ただ、しばしばスカウトされたけど書類選考で「見送り」という連絡があるケースがあります。候補者からすると、「経歴は見た上で声がけしているんだから書類選考で見送りは失礼じゃないか?」と感じるかとおもいます。
改めて履歴書等の書類に不備や虚偽が発覚した場合は致し方無いケースもありますが、こういう対応をされる理由は主に以下の3つが多いと思います。

  1. カジュアル面談で会った際に求人とのギャップが大きかった(カジュアル面談を0.5次面接として扱いその結果、見送りとなるケース)

  2. スカウトした人と、書類選考の担当者が違うので実際の書類選考になった時に違う判断となってしまう。(ex:スカウト時はリクルーター、書類選考時は、求人部署の面接官)

  3. スカウト媒体に掲載されている情報量が少ない場合、書類選考でしっかり見極めを行い、結果を見送り判断となる。

1.についてはオペレーション上の都合もあると思いますが採用企業が正直に言いづらいでしょう。結果として候補者としては納得しづらい体験となってしまいます。
2.については事前にこういうケースで見送りとなる場合があるということを明示してくれる場合もありますが、社内の話なので候補者からするとやはり納得しずらいですね。(じゃあスカウトじゃないやねんって)
3.についてはスカウトの媒体に候補者自身がどこまで情報を入れているかによって変わってくる話ですので可能な限り応募書類と同等の情報を入力する方が望ましいでしょう。
数ある企業の中からせっかく自社に興味をもってくれた候補者がどのような選考結果となっても会ってみてよかったと思えるような候補者体験を突き詰めていきたいですね。これまでの慣習もあるかと思いますが、個人的には企業側が候補者のことを「対等」にみているかどうかで姿勢は変わってくるのではないかとも思っています。

人事評価編

評価制度は評価することが目的化してしまう

評価制度は組織成長でかなり重要な位置を占めます。
適切な評価、FBがされないとやる気を無くして社員が辞めてしまうからです。適切に評価することは大事ですがそもそも評価制度とは何のためにあるのでしょうか?
運用しているとしばしば目にするのが「いかに評価してもらえるか?」に焦点が当たってしまいがちです。
会社視点で考えると「人が成長し、結果として組織・事業成長に寄与していく」ことが重要であり、評価することが目的ではありません。
あくまで評価制度は上記を円滑に行うためのコミュニケーションツールでしかないのです。評価記号のAやBを取ることではなく、成長していくために適切にFBサイクルを回していく運用ができているかどうかが重要と考えます。

評価者と被評価者で目標と評価の認識がズレる

評価制度を運用する際に、目標設定がありますね。
目標設定の際に「定量的に、具体的に書くように」と評価者から言われると思います。これは適切に公平に評価するため(水平調整の際に比較し易くする等)に必要なことですが、一方で全てを客観的に表現し切ることも難しいと思います。言葉は発した瞬間から自分の意思から離れていく(受けての解釈で変わってしまう)ものなので認識のすり合わせができていないと評価の際に、自己評価と実際の評価に大きくずれが出てしまいます。
設定の際は、しっかり解釈が同じになっていることを口頭でも確認、補完合うことで互いの主観を揃えていくが良いですね。

評価項目の記載が大変過ぎる!?

評価は具体的にかつ主観のすり合わせが大事という話はさせて頂きましたが、職能評価の場合、会社によってはスキル毎に等級レベルの基準を満たしているか、どの程度のレベルかを評価していることもあるかと思います。社員のスキルを可視化することは、タレントマネジメントの観点でも有効だと思いますが、変化の激しい時代に常にこれをやり続けることができるかは悩ましい部分があります。
外部環境、内部環境によっては求められる各職能でスキルは変わってきます。常に評価する項目をアップデートし続ける必要がありますがこれを評価管理側でメンテし続けるのは並大抵のことではないと思います。(特にエンジニアは技術トレンドの変化が激しいと思う)
考え方は諸説あるかと思いますがあくまで人の成長、事業の成長を軸にするのであれば組織が求める成果を上げるための能力があるか(または成果を出せているか)に注力して細かいスキルについては参考レベルで考えていく方が本質的な成長に向き合えるのではないかと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
モヤモヤしがちなものをいくつかピックアップしました
まだまだ出てきそうであれば第2弾等も考えていければと思いますが、TIPS系だけでなくもうちょっと領域毎に掘り下げた話も今後書いていければと思います。


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