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新型コロナの正しい予防法①手洗い編〜アルコール消毒は必要か?〜

政府の他、既にいろんなところでいろんな方が言っていますが、変な情報もありますので、ちゃんとしたものだけをピックアップして、気になる情報も検証しながらまとめました。

基本的な予防法

基本は、「手洗い」「うがい」です。

というのも、手についたウイルスが知らず知らずのうちに、しかも繰り返し、口や鼻、眼などの粘膜に触れるためです。

逆に言えば、ウイルスが手についたとしても、手を洗えば感染を防げるということでもあります(うがいは口の中に入ったものを防ぐ方法です)。

せすから、感染症予防では「手洗い」が最も有効な予防法で、コレラやチフスなどが蔓延するアフリカで対策として力を入れているのは、「石鹸による手洗い」です。ちなみにコレラは、ワクチンはありますが、年間数百万人が感染し、数万人が死んでいる感染症です。

こちらはテレビでも紹介されていましたが、石鹸で手を洗う習慣のない子どもたちに、おもちゃが埋め込まれた石鹸をプレゼントして、石鹸を使ってもらうというWHOの施策です。

とにかく、ウイルスの感染拡大には手洗い、が鉄則です。アルコール消毒よりずっと重要です。

手洗いはどれだけすればいい?

手洗いは、流水で、石鹸・ハンドソープを使うことで、ほとんどのウイルスを予防できます。

あるデータによると*、流水で15秒洗うだけでウイルスの99%は落ちるそうです。さらにハンドソープを使ってしっかり洗えば、限りなく100%に近い数字になるそうです。
(*下記スライド。出典:国立医薬品食品衛生研究所

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これはコロナウイルスの調査ではありませんが、それでも、ウイルス対策として流水による手洗いがいかに重要かわかっていただけるかと思います。

逆に言えば、コレラなどの感染症が蔓延する発展途上国に、いかに綺麗な上水道がないかという証でもあります(余談ですがこの辺は天皇の研究テーマだそうです)。

ちなみに、アルコール洗浄は、手に汚れが付着していた場合、そこにウイルスがいたら落とし切れないので、まずは流水による手洗い→石鹸で汚れを落とす→アルコールという順番でやる必要があります。

特に外で遊んだ子どもの手は、砂や泥などがついていることが多いので、石鹸やハンドソープが必須です。また、洗顔をちゃんとする女性はよくご存知なように「泡立ち」させないと汚れは落ちませんので、ちゃんと手洗いができないお子さんの場合は、割高ですが、最初から泡で出るハンドソープがよいでしょう。

正しい手洗い方法はこちらを参考にしてください。

アルコール消毒は必要か?

アルコール、売ってないですね。

日本で感染者が見つかるまでは、アルコール入りウェットティッシュなどもありましたが、今や、精製水と混ぜて使う無水エタノールですら売ってない状況です(ちなみに子ども用品店にはアルコール入りウエットティッシュが普通に売っていたりします、参考までに)。

一時期はアルコール度の高いお酒ならいいんじゃないかというのもありましたが、最近はじゃっかん「ないからどうしようもない」とあきらめムードだったり・・・なにはなくとも、まずは前述したように基本的な手洗いをすることが先決です

そもそも、病院の病室にアルコールがあるように、アルコール消毒をするのは、感染リスクが高い場所においてするものです。

武漢ではテレビで診察を待つ患者が病院からあふれている様子がたびたび映されていましたが、あれでは医療関係者が院内感染しても無理はないでしょう。推測ではありますが、そこら中にウイルスがいたのだと思われます。

そもそも、狭く、同じ手すりや壁を触り、換気が十分できずにいる環境と、「公園で遊んできた」というのとでは、アルコール洗浄の必要度が異なります

とくに「公園も行っちゃダメ!」と言っている自治体もあるようですが、専門家からすると、公園で接触していて感染するケースはあまり考えられないそうです。公園は空気が常に移動していますし、ウイルスもずーっと生き続けるわけではないですからね。

新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)は、たびたび言っていますがいわばSARSウイルス2号なので、そのSARSの感染経路(院内感染、介護、肉親)から見ても、やはり危険は屋外ではなく、あくまでも屋内、とくに閉鎖的な空間と言えるでしょう。
*SARSは、看護や介護、同居での感染(濃厚接触)が多かった(出典:国立感染症研究所)

そういう意味で、アルコールがないからと、公園で遊んで帰って来た子どもに「アルコール消毒できない!」と心配になりすぎるのもよくありません。基本的にウイルスがいそうな空間での接触の際の感染予防法と考えた方が、精神的に落ち着いて生活できると思います。

意外と知られていない正しいアルコール消毒法

ちなみに、手指のアルコール消毒ですが、ほとんどの方が正しい方法でやれていないそうです。

私もテレビで初めて知ったのですが、アルコールは「ワンプッシュ下まで押し切る」が正解だそうです!

そうです、ベタベタになるほど出すの必要があるのです!

ほとんどの人が、ベタベタになるのを避けるため、半分くらいの量でやっているかと思いますが、アルコール消毒液メーカーの試験結果によると、半分の量ではほとんど殺菌できていなかった、という衝撃画像もありました(ちょっと見せれないくらい笑)。

また、これまたほとんどの方が手のひらでこすって終わっていますが、それも大間違い。ベタベタな量のアルコールを正しい手順で手指になじませないといけないのです。

衝撃的なのが、一番初めは指先をアルコールに浸す、という所!

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上記は丸石製薬の見本ですが、これはどこのメーカーも専門家(WHOやアメリカCDCも)も同じことを言ってるので、まずは指先から!

考えれば当たり前かもしれませんね、爪の部分もありますし、手のひらより指先の方が色んなところに触るし、口や目にも触りますから!

なお、アルコールベタベタにしても、手が濡れていると意味がありませんから、必ず手を乾かしてからアルコールを正しい方法でつけてください。

このように、アルコールアルコール言ってますが、十分消毒できてないケースも多々ありますので、正しいタイミングで、正しい衛生管理をするのが大事、ということですね。

ノイローゼにはならないで!

ただ、そのことでノイローゼになってもいけませんので、少なくとも、「やった方が良かったけど、今までやっていなかった!」という感染症予防はした方が後悔がなくていいでしょう。

そもそも、大人は全然手を洗わない人も多いので・・・男子トイレで手を洗わない人がどれだけいることか!(女子トイレもですか?)

基本的には、公衆衛生のレベルが全体的に上がれば、SARSの時のようにウイルスそのものの拡散を抑えることにつながると考えられていますので、まずは今までの衛生対策を、一段階、二段階でもいいので、できることからやる必要があります。

もちろん、体調不良な人、高齢者や基礎疾患がある人と濃厚接触する、というような人は、ちゃんとした手洗いをしておく必要があります。お互いのためです。

これは、ノロウイルスなどと同じですね。

➡新型コロナウイルスの正しい予防法②うがい・マスク編に続く

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