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BtoB製造業のデジタルマーケティング基盤 ~ Twitter騒動を通じて考える自社プラットフォームの重要性

Twitter存続の話題が世の中を賑わせています。言うまでもなく、万が一の際、フォロワーを他のSNSに移管することはできません。フォロワー数を積み上げて自分のビジネスにうまく活用できている方にとって、他人事でいられないのは当然です。

実際には、世界で3億人を超えるユーザーのいるサービスが突然無くなるとは考えなくて良いと思いますが、ユーザー数が減ったり、ユーザー構成が変わったりと、プラットフォームとしての方向性が変わることは大いにあり得ます。

インターネットの世界では、新たなサービスが次々と生まれ、気軽に使い始めることが出来ることが大きな価値ですが、SNSだけでなく検索エンジンしかり、ポータルメディアしかり、第三者が運営するプラットフォームサービスに永遠の安定はありません。こちらでコントロールできない以上、自社にとって都合の良い形でい続けてくれるかは保証の限りではないのです。

旧Facebook/現Metaの大きな方向転換や、Twitterのような企業買収による突然の混乱、サードパーティデータへの規制や、独禁法の適用可能性などを踏まえると、これらはそうしたものと割り切り、自社でコントロールできる自社プラットフォームと併せて使っていく必要があります。

そこで、気軽さとはうらはらに長期的にはリスクもある第三者プラットフォームと、安心安定の自社プラットフォームを比較して、それぞれの特徴と臨み方を考えてみたいと思います。

第三者プラットフォーム vs. 自社プラットフォーム

第三者プラットフォームは、主に認知・集客のために使います。多くの新規客と出会うことが目的なので、その接点を広く持つオンライン広告やSNS、産業メディア・ポータルがそれに当たります。訴求したい製品やタイムリーなイベントに応じた発信なので、情報はフローとして流れていきます。

純粋な認知・集客とは異なる第三者プラットフォームとして、ECも忘れてはいけません。オンライン販売では、圧倒的な集客力を持ち、他社製品との比較が可能な第三者プラットフォームの活用が当然です。ただBtoCを見ると、ホテル、交通、アパレル・雑貨など、どれも第三者と自社プラットフォームを併用するようになっており、BtoB製造業でも同様の動きとなるでしょう。

認知・集客にせよECにせよ、第三者が作った基盤を使うのなら、ゼロから作る自社プラットフォームと比べ、活用方法はシンプルです。

自社プラットフォームの構築・活用は、第三者プラットフォームより複雑なので、
綿密な計画に長期視点での取組み、そして、自社で使いこなせるための時間が必要

一方、自社プラットフォームは情報発信・リード獲得のためのもので、情報をストックとして扱います。発信する情報はWebやPIM、DAM、ECに、行動データや顧客データもMAやSFAに蓄積されますが、これらのデータは組み合わせ次第でゴミにも宝にもなります。

差がつきつつある、ストックデータを制するための前哨戦

ですので、自社プラットフォーム構築では、膨大なストックデータを有効に使うための、全体を俯瞰した設計が成功のカギを握ります。また、この巨大な仕組みを自社で活かすためには、コンテンツの制作体制やノウハウの蓄積、人材育成なども欠かせません。

これまで企業のコミュニケーションはフロー中心でしたが、デジタルの登場で、ストックが可能となり、膨大な情報資産を生かすも殺すも企業次第という状況が生まれました。

本当にデータをビジネスに活かせている会社は、まだ少数派です。そのレベルに達するには、自社プラットフォームの仕組みと活用体制づくり、そしてノウハウの蓄積といった前哨戦を、時間をかけて地味にこなしていくしかありません。

1つ留意しておきたいのは、情報をフローではなくストックとして活用することは、多くの企業にとって新しいことなので、着手のタイミングやトライ&エラーの積み重ね度合いによる巧拙の差がとても出やすくなっているということ。

できた企業とできなかった企業の差は、これからどんどん広がっていきます。時間をかけて差がつく分、後から先行企業に追いつくのはかなり大変との認識で、この前哨戦に臨まねばなりません。

様々なBtoB製造業の自社プラットフォーム構築

イントリックスは、デジタルコミュニケーションの土台である自社プラットフォームが、デジタル時代の企業競争力を大きく左右するものと考え、創業以来、多くのBtoB製造業のお手伝いをしてきました。

10年前にご支援した大手上場電子機器メーカーでは、グローバル展開のひな形となるフルスペックマーケティングプラットフォームを構築。なんと現在の海外売上高は、当時の10倍近くになりました。徹底した俯瞰視点での設計、それを使い倒すための充実した運用体制、そしてたゆまぬPDCAサイクルとノウハウの蓄積。同業他社が一朝一夕では追いつけない差がついているように思います。

当社では、その後も様々なBtoB製造業のマーケティングプラットフォームの企画・構築を手掛けてきました。BtoB製造業に特化して積み上げたノウハウとプロジェクトマネジメント力、そして大手ITコンサル・システムインテグレータよりもリーズナブルな費用が、みなさまからご評価されてきた理由だと考えています。

セミナーのご案内:ミツトヨ様・足かけ5年のデジタルマーケティング基盤構築

最後にセミナーのご案内をさせてください。来週2022年12月1日(木)15時から、精密測定機器メーカー・ミツトヨ様のプロジェクトリーダー中島様と当社のプロジェクトマネージャー千代、そして私が登壇して、プロジェクトの苦労話や成功のポイント、エピソードなどをお話しする無料セミナー(主催:日本BtoB広告協会)を行ないます。

タイトルの通り、このプロジェクトは立ち上げから5年の歳月を要した長期視点の取り組みでした。しかしこれでもまだ道半ば。中島様は、将来の展望についても語ってくださいます。

BtoB製造業の自社プラットフォームは、構築および活用を軌道に乗せるのに時間がかかります。また、自社プラットフォーム強化の流れは不可逆です。ミツトヨ様のご経験は、多くのBtoB製造業が通る道。デジタルマーケティングを担当されるマネジメントや担当者の皆様でご興味のある方がいらっしゃれば、是非ふるってご参加ください。

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