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映画分析ノック⑰『ジョーズ』(1975)

映画『ジョーズ』ログライン


第1幕「恐怖のサメ出現/犠牲者の存在/アミティ島の経済事情」(状況設定)

①:夜。ビーチにいた若い女性が1人で暗い海に入り泳いでいると、突然”何か”に襲われ水中に引き込まれてしまう。【Hook】
②:翌朝。家で起床した警察署長・マーティン・ブロディは「浜辺で死体が見つかった」と連絡を受ける。ブロディ一家(妻・息子2人)は、去年この”アミティ島”(アメリカ東海岸に位置する穏やかな町)に赴任してきた。現場へと向かうブロディ。
③:浜辺で死亡女性と最後に会っていた青年に話を聞いているブロディ。と、死体の現場に到着。遺体は無惨な姿であった。
④:警察署。検死結果の報告で「SHARK ”サメ”」に襲われたことが分かる。直ちに海岸閉鎖に向かうブロディ。
⑤:街並みは”アミティ独立記念祭”で大忙しの様子。ブロディは島民の些細な揉め事を諌めながら、ビーチへと急ぐ。学生が集団遊泳をしているらしいのだ。
⑥:ブロディがビーチを閉鎖しようとしていると、アミティ島の市長・ボーンほか町の有力者たちが来て、閉鎖を阻止しようとする。夏はビーチ目当ての観光客で島が潤うのだ。市長らは、女性は人喰いザメではなくスクリューに巻き込まれて死んだとする。【Triger】
⑦:結局ビーチは閉鎖されず、いつも通り観光客で賑わったまま。心配げにビーチを監視するブロディ。島民のオヤジがブロディを”カナヅチ(泳げない人)” だと揶揄う。少年・アレックスが、母親・キントナー夫人に泳いでいいか聞く。了承する母親。
⑧:そこへ再び人喰いザメが出現し、浮き輪で泳いでいた少年・アレックスを食い殺してしまった。騒然とするビーチ。【PP①】


第2幕「サメを巡る大人の争い/板挟みのブロディ/サメ退治の航海」(葛藤・対立)

⑨:役所の会議室。犠牲となった少年の母・キントナー夫人が、人喰いザメの退治に3,000ドルの懸賞金をかけたようだ。議員や市民の前で”ビーチ閉鎖”を宣言するブロディ。騒然とする商人たち。市長も”24時間だけ!”と条件をつける。観光客の逃したくないのだ。
⑩:騒がしい会議室内を黙らせたのは、地元の漁師でプロのサメハンターであるクイント。自分に任せれば必ずサメを退治できるが、3,000ドルの懸賞金では低いと話し、10,000ドルの懸賞金を要求する。
⑪:ビーチに建てられる”遊泳禁止”の看板。
⑫:夕暮れ。ブロディは家でサメの本を読み漁る。と、息子たちが浜辺のボートで遊んでいることに気付き、早急に戻ってくるように指示。妻もブロディの言うことに賛成し、息子たちを連れ戻す。
⑬:真夜中。地元の男2人組が懸賞金目当てで浜辺に繰り出し、桟橋に括った鎖の先に肉をつけ、人喰いザメがかかるのを待つ。と、巨大なサメが食いつき、肉を引っ張り桟橋ごと壊してしまう。海に落ちた男、間一髪で陸に上がり命は助かった。
⑭:翌朝。同じような懸賞金目当ての市民たちで船着場はごった返していた。皆、我先にと船を漕ぎ出し、人喰いザメの捕獲に乗り出してゆく。その中でも先頭をゆくのは、サメ狩りに熱心な地元漁師・ベン・ガードナーの船。
⑮:船着場が混乱の最中、ブロディが呼んだ海洋学者・マット・フーパーが尋ねてくる。フーパーはブロディに「女性の遺体を見せてほしい」と頼む。
⑯:被害にあった(冒頭の)若い女性の遺体を検死するフーパー。一通り検死を終えたフーパーは、これは事故死ではなく明らかに巨大なサメの仕業であると断言する。息を呑むブロディ。
⑰:一方、船着場では中規模のサメが捕獲され、吊るし上げられていた。歓喜する市民たち/ブロディだったが、フーパーは”口の直径と傷跡が違う”と話す。サメの腹を開いて確認すべきだと主張するフーパーに、市長はその必要はないと拒否。板挟みになるブロディ。【MP】
⑱:そこへ、サメの犠牲となった少年の母・キントナー夫人が来て、ブロディを平手打ち。危険だと知りながらビーチを閉鎖しなかった署長の責任を問われる。鎮痛な面持ちになるブロディ。
⑲:夜。家で酒を飲むブロディ。隣に座る息子を見つめ、キスをする。そこへフーパーが尋ねてくる。ワインで語り合うフーパーとブロディ夫妻(フーパーがサメを好きになったキッカケ/ブロディが溺れたトラウマ)。人喰いザメを野放しにしておく危険性を再確認。まずは先ほど釣り上げられた中規模ザメの解剖する予定だ。
⑳:中規模ザメを解剖し、胃袋に人間の肉がないことを確認。人喰いザメではなく別のサメだったのだ。海岸閉鎖だけでは根本解決しないと、フーパーは今から沖へ出て人喰いザメを探すと言い出す。渋々ついていくブロディ。
㉑:深夜の海をフーパーの高機能の船が進む。と、遠くに浮かぶ何かを発見。近づいてみると、地元漁師・ベン・ガードナーの船だった。フーパーが海に潜って船の中を捜索すると、巨大なサメの歯を見つける。しかし、同時にベンの無惨な遺体も見つけ、驚きのあまり歯を落としてしまう。
㉒:翌日。ブロディとフーパーは昨日の調査を根拠に、今ビーチを解放したら大惨事になると市長に警告する。が、観光客で稼ぎたい市長は聞く耳を持たない。歯の実物がない限り信用できないなどと言って煙に巻く市長。呆れるフーパー。ブロディもお手上げだ。
㉓:(点描)アミティ島に次々と観光客が上陸/人で賑わうアミティ島の街並み/対策に追われるブロディとフーパー。
㉔:ビーチ開き当日。大勢の観光客がビーチにいる。ブロディとフーパーは監視の体制を強化。マスコミは賑わうビーチの様子とサメの存在を報道している。市長はサメを恐れて海に入らない観光客を懸念して、知り合いのオジサンに「誰も入らないと困るから入ってくれ」と唆す。オジサンが意を決して海に入ると、つられて大勢の観光客が海に入った。
㉕:ビーチを監視警備しているブロディは、海に入ろうとしている息子を引き止め、陸で遊ぶように諭す。が、結局ボートに乗ろうとする息子たち。
㉖:海は観光客でいっぱい。と、サメの尻尾らしきものが見えて大パニックに。アラートが鳴り、観光客が海から引き上げた。が、そのサメのヒレは子供たちが作った偽のヒレだった。子供のイタズラだと一安心のブロディたち。
㉗:が、入江の方でまたサメのヒレが目撃された。「またか…」とウンザリするブロディだったが、妻から息子たちが入江の方で遊んでいると聞き、急いで向かう。息子たちが乗っているボートにサメが近づき、隣のボートに乗っていた男性を食い殺す。寸前のところで助かったブロディの息子は、ショックで気絶。ビーチは騒然とする。【Low Point】
㉘:病院。気絶した息子は無事だった。ブロディは市長にクイントを雇うための誓約書にサインするよう促す。市長も浜に息子がいたと話す(後悔がある)。
㉙:クイントの家。サメの歯型や骨がたくさん飾られている。ブロディはフーパーも連れてゆくと言うが、拒絶するクイント。フーパーとクイントは険悪な雰囲気になるが、クイントが折れて、渋々フーパーの乗船を了承する。
㉚:港。船に乗り込む準備をするクイント、フーパー、ブロディ。クイントは巨大な鉄檻を運び込むフーパーに嫌味をチクリ、険悪なふたり。ブロディは妻とハグをする。命懸けの出航なのだ。
㉛:船が出発する。沖に来た船の上でブロディは魚の餌を撒く。圧搾空気ボンベを倒してしまうブロディ。爆発すると警告するフーパー。サメに食わせろと毒づくクイント。
㉜:クイントの釣り竿に大物が引っかかる。慎重に上げてゆくが、不仲なクイントとフーパー/初心者のブロディ……3人の連携が取れず。やがてピアノ線を噛みちぎり逃げられてしまう。クイントは「サメじゃない」と言ったフーパーを嘲笑し、フーパーは沸騰寸前。どんどん仲が悪くなってゆく。
㉝:ブロディが餌をやっていると、遂に人喰いザメが顔を出す。7.6m/3tの巨大ザメだ。クイント、スピアガン(銛にタルを括った銃)をサメに向けて発射。見事命中しサメにタルが1つ結ばれる。が、サメは海に潜ってゆく。次は、タルの浮力でバテたサメが浮かび上がってくるのを待つと言う。
㉞:夜。船の屋内で酒を飲む3人。古傷の話で打ち解け合う。クイントは第二次世界大戦末期に沈没した軍艦インディアナポリスの生き残りであり、サメに大勢の仲間が食い殺された過去があると打ち明ける。もう救命胴衣は着ないと話すクイント。
㉟:そこへサメが襲撃してくる。物凄い力で船底を攻撃し、船内に水が漏れ出す。そしてまた去っていった。【PP②】


第3幕「サメとの最終決戦/帰還」(解決・変化)

㊱:翌朝。浸水によってエンジンに被害が出る。そこへ再びサメが来る。途中、ブロディが無線で警察に応援を呼ぼうとしたところ、勝負に拘るクイントによって壊されてしまう。クイントは、またスピアガン(銛にタルを括った銃)をサメに命中させ、サメについたタルが計2つになる。
㊲:サメとの攻防は一進一退。サメの異様な怪力と体力に翻弄されながらも、タルは計3つになる。船尾にロープで固定してサメを曳航しようとする策も、サメの怪力の前に船が危うくなり、逃してしまう。
㊳:クイントはサメに船を追わせて浅瀬に誘導しようとするが、着く前に過負荷で船のエンジンが完全に故障してしまう。後がなくなった船。クイントは救命胴衣をブロディとフーパーに渡す。
㊴:最終手段。フーパーが持ち込んだ鉄檻を組み立て、中に入ったフーパーが近距離でサメに毒を注射する作戦を決行することに。2つあった圧搾空気ボンベのうちの1つを使い、フーパーが鉄檻に入った状態で海に潜る。
㊵:海中。鉄檻の中でサメを待つフーパー。しかし背後からの衝突を受けて、海底に毒の注射を落としてしまう。さらに鉄檻を攻撃するサメ。間一髪でひしゃげた鉄檻の隙間から脱出し、岩陰に隠れることができたフーパー。【Lowest Point】
㊶:船の上。ブロディとクイントが急いで鉄檻を引き上げると、そこにフーパーはいない。脱帽するブロディとクイント。そこへサメが船の先頭を襲撃し、船は沈没寸前に傾く。クイントが傾いた船から滑り落ちてしまい、サメの餌食になって殺される。
㊷:すぐにサメはブロディも食い殺そうとやってくる。ブロディは余っていた圧搾空気ボンベをサメの口に放り入れる。サメは一瞬、去ってゆく。
㊸:沈没しかけている船の欄干にのぼり、そこから銃でサメの口の中の圧搾空気ボンベを狙うブロディ。最後の最後に命中し、爆発でサメは頭ごと吹っ飛んだ。ブロディは巨大な人喰いザメに勝利したのだ!【High Point】
㊹:そこへ岩陰に隠れていたフーパーが来る。フーパーの無事に安堵するブロディ。2人は残りのタルで浮きながら陸を目指して泳ぐのであった。


映画『ジョーズ』分析


■主人公は誰で、どこから登場しているか

主人公は、警察署長・マーティン・ブロディ。
秋にアミティ島に家族4人(妻・息子2人)で赴任してきた。

②、冒頭でサメに若い女性が食い殺される【Hook】シーンの直後。
その知らせを受ける警察署長として登場。
「秋に物件を決めてしまった」という会話から着任して間もないことが分かる。

■二番目の人物は誰で、どこで登場しているか

本作の場合、副主人公は2人いる。

・海洋学者:マット・フーパー
第2幕⑭⑮:懸賞金目当てでごった返す船着場で登場。
警察署長・ブロディから呼ばれて、ブロディを探している様子が描かれる。
→これ以降、フーパーが専門的な知見からサメを警告する役割を担う。

・地元の漁師/プロのサメハンター:クイント
第2幕⑨:紛糾する役所の会議室で登場。
自分に任せれば必ずサメを退治できるとアピールし、高値の懸賞金を要求する。
(※※※このシーンは「顔見せ」の登場※※※)

本格的に登場するのは、第2幕㉙:クイントの家で登場。
市長がクイントにサメ退治を依頼することを承諾し、ブロディとフーパーとクイントに会いに来たシーン。
出航の準備をしながら、サメ退治に意欲を見せるクイントが描かれる。


■主人公の物語が本格的に始まるのはどこか。それはどんな物語か

物語が本格的に始まるのは……第2幕⑨「役所の会議室」。
犠牲となった少年の母・キントナー夫人が、人喰いザメの退治に3,000ドルの懸賞金をかけたシーンから。
→ここから「サメを巡る大人の争い」に発展する。
具体的には、サメを退治するまでビーチ閉鎖すべき/観光客は逃さないためにもビーチ閉鎖しないべき、の争い。
サメにかかった懸賞金目当てに多くの市民が我先にと出航する事態に発展する。

どんな物語か……
【巨大な人喰いザメが出現したリゾート島で、大人たちの醜い争いの末、最終的にサメを退治する話】


■物語が大きく転換しているのはどこか

第2幕㉗㉘:海開きに踏み切ったビーチで、観光客が食い殺されて、ビーチが騒然となるシーン。【Low Point】
病院で市長がクイントを雇うための誓約書にサインする
→それ以降は「3人のサメ退治」がメインとなってゆく。(物語を前半・後半に分けた際の、丁度折り返し地点)


■クライマックスはどこか

第3幕㊷㊸:沈みゆく船の上。
ブロディ vs 巨大ザメ の一騎討ち
になり、サメの口に圧搾空気ボンベを詰め込み、そこに銃を打ち込むブロディの死闘。
これまで「板挟み」「カナヅチ」など良いところが無かった主人公・ブロディの、最初で最後の見せ場になっている。


■主人公が困ること、苦しむことはどこでどんなふうに起こっているか

・人喰いザメが出現し、人が食い殺される事件が多発する。
・ビーチを閉鎖したいブロディだが、観光客を逃したくない市長によって隠蔽されてしまう。
・人喰いザメの懸賞金目当てに海に繰り出す輩が現れ、港が混乱する。
・間違った中規模サメが捕獲され、人喰いザメは死んだと誤解してしまう。
・閉鎖すべき VS 解禁すべき、2つの間で板挟みにあう。
・息子が人喰いザメに襲われそうになる。

・サメ退治に繰り出すが、仲間のフーパーとクイントの仲が悪い。
・ブロディが泳げないし、お荷物である。
・船がサメの攻撃によって壊れ、沈没してゆく。
・鉄檻作戦も失敗し、クイントがサメに食われ、絶体絶命。


■逆にホッとするようなことや主人公が喜ぶことはどこで起こっているか

あまり起こらない……。

・サメに襲われかけた息子の命は無事だった。
・市長がビーチ閉鎖とサメ退治を承諾してくれる。
・船の上、険悪だったクイントとフーパーとブロディが打ち解け合う。
・最終的に人喰いザメを退治でき、フーパーも無事だった。


■起承転結に分けるならどこまでが起でどこまでが承か

起「恐怖のサメ出現/犠牲者の存在/アミティ島の経済事情」(状況設定)
①:夜。ビーチにいた若い女性が1人で暗い海に入り泳いでいると、突然”何か”に襲われ水中に引き込まれてしまう。【Hook】
②:翌朝。家で起床した警察署長・マーティン・ブロディは「浜辺で死体が見つかった」と連絡を受ける。ブロディ一家(妻・息子2人)は、去年この”アミティ島”(アメリカ東海岸に位置する穏やかな町)に赴任してきた。現場へと向かうブロディ。

⑧:そこへ再び人喰いザメが出現し、浮き輪で泳いでいた少年・アレックスを食い殺してしまった。騒然とするビーチ。【PP①】

承1「サメを巡る大人の争い/板挟みのブロディ」(葛藤・対立)
⑨:役所の会議室。犠牲となった少年の母・キントナー夫人が、人喰いザメの退治に3,000ドルの懸賞金をかけたようだ。議員や市民の前で”ビーチ閉鎖”を宣言するブロディ。騒然とする商人たち。市長も”24時間だけ!”と条件をつける。観光客の逃したくないのだ。

㉗:が、入江の方でまたサメのヒレが目撃された。「またか…」とウンザリするブロディだったが、妻から息子たちが入江の方で遊んでいると聞き、急いで向かう。息子たちが乗っているボートにサメが近づき、隣のボートに乗っていた男性を食い殺す。寸前のところで助かったブロディの息子は、ショックで気絶。ビーチは騒然とする。【Low Point】
㉘:病院。気絶した息子は無事だった。ブロディは市長にクイントを雇うための誓約書にサインするよう促す。市長も浜に息子がいたと話す(後悔がある)。

承2「サメ退治の航海」(障害物)
㉙:クイントの家。サメの歯型や骨がたくさん飾られている。ブロディはフーパーも連れてゆくと言うが、拒絶するクイント。フーパーとクイントは険悪な雰囲気になるが、クイントが折れて、渋々フーパーの乗船を了承する。

㉞:夜。船の屋内で酒を飲む3人。古傷の話で打ち解け合う。クイントは第二次世界大戦末期に沈没した軍艦インディアナポリスの生き残りであり、サメに大勢の仲間が食い殺された過去があると打ち明ける。もう救命胴衣は着ないと話すクイント。
㉟:そこへサメが襲撃してくる。物凄い力で船底を攻撃し、船内に水が漏れ出す。そしてまた去っていった。【PP②】

転「サメとの最終決戦」(変化)
㊱:翌朝。浸水によってエンジンに被害が出る。そこへ再びサメが来る。途中、ブロディが無線で警察に応援を呼ぼうとしたところ、勝負に拘るクイントによって壊されてしまう。クイントは、またスピアガン(銛にタルを括った銃)をサメに命中させ、サメについたタルが計2つになる。

㊶:船の上。ブロディとクイントが急いで鉄檻を引き上げると、そこにフーパーはいない。脱帽するブロディとクイント。そこへサメが船の先頭を襲撃し、船は沈没寸前に傾く。クイントが傾いた船から滑り落ちてしまい、サメの餌食になって殺される。

結「帰還」(解決)
㊷:すぐにサメはブロディも食い殺そうとやってくる。ブロディは余っていた圧搾空気ボンベをサメの口に放り入れる。サメは一瞬、去ってゆく。
㊸:沈没しかけている船の欄干にのぼり、そこから銃でサメの口の中の圧搾空気ボンベを狙うブロディ。最後の最後に命中し、爆発でサメは頭ごと吹っ飛んだ。ブロディは巨大な人喰いザメに勝利したのだ!【High Point】
㊹:そこへ岩陰に隠れていたフーパーが来る。フーパーの無事に安堵するブロディ。2人は残りのタルで浮きながら陸を目指して泳ぐのであった。


■三幕だとするとどこが分かれ目か

第1幕「恐怖のサメ出現/犠牲者の存在/アミティ島の経済事情」(状況設定)
①:夜。ビーチにいた若い女性が1人で暗い海に入り泳いでいると、突然”何か”に襲われ水中に引き込まれてしまう。【Hook】
②:翌朝。家で起床した警察署長・マーティン・ブロディは「浜辺で死体が見つかった」と連絡を受ける。ブロディ一家(妻・息子2人)は、去年この”アミティ島”(アメリカ東海岸に位置する穏やかな町)に赴任してきた。現場へと向かうブロディ。

⑧:そこへ再び人喰いザメが出現し、浮き輪で泳いでいた少年・アレックスを食い殺してしまった。騒然とするビーチ。【PP①】

第2幕「サメを巡る大人の争い/板挟みのブロディ/サメ退治の航海」(葛藤・対立)
⑨:役所の会議室。犠牲となった少年の母・キントナー夫人が、人喰いザメの退治に3,000ドルの懸賞金をかけたようだ。議員や市民の前で”ビーチ閉鎖”を宣言するブロディ。騒然とする商人たち。市長も”24時間だけ!”と条件をつける。観光客の逃したくないのだ。

㉞:夜。船の屋内で酒を飲む3人。古傷の話で打ち解け合う。クイントは第二次世界大戦末期に沈没した軍艦インディアナポリスの生き残りであり、サメに大勢の仲間が食い殺された過去があると打ち明ける。もう救命胴衣は着ないと話すクイント。
㉟:そこへサメが襲撃してくる。物凄い力で船底を攻撃し、船内に水が漏れ出す。そしてまた去っていった。【PP②】

第3幕「サメとの最終決戦/帰還」(解決・変化)
㊱:翌朝。浸水によってエンジンに被害が出る。そこへ再びサメが来る。途中、ブロディが無線で警察に応援を呼ぼうとしたところ、勝負に拘るクイントによって壊されてしまう。クイントは、またスピアガン(銛にタルを括った銃)をサメに命中させ、サメについたタルが計2つになる。

㊸:沈没しかけている船の欄干にのぼり、そこから銃でサメの口の中の圧搾空気ボンベを狙うブロディ。最後の最後に命中し、爆発でサメは頭ごと吹っ飛んだ。ブロディは巨大な人喰いザメに勝利したのだ!【High Point】
㊹:そこへ岩陰に隠れていたフーパーが来る。フーパーの無事に安堵するブロディ。2人は残りのタルで浮きながら陸を目指して泳ぐのであった。


■このストーリーを3行で言うとどうなるか

アメリカ東海岸のリゾート地・アミティ島に巨大な人喰いザメが出現し、海で泳いでいる人を食い殺す事件が多発する。
警察署長のブロディはビーチ閉鎖に動き出すが、真夏の観光客を逃したくない市長たちとの間で、板挟みにあう。
市長を説得し仲間と共にサメ退治に乗り出したブロディは、絶体絶命の危機を乗り越えサメ退治に成功する。


■このストーリーを15項目くらいの箇条書きにするとどうなるか

・夕暮れのビーチで若い女性が人喰いザメに食い殺される。
・警察署長ブロディは事件の知らせを受け、人喰いザメの仕業としてビーチ閉鎖に乗り出す。
・しかし、観光客を逃したくない市長たちによってサメの存在は隠蔽されてしまう。
・新たなサメの犠牲者(少年)が出たことから、ビーチは一時的に閉鎖になる。
・人喰いザメに懸賞金がかけられ、大勢の市民や漁師たちがサメ退治へと繰り出す。
・海洋学者フーパーが合流し、女性の遺体を検死した結果、巨大なサメであることが分かる。
・懸賞金のせいで間違った中規模ザメが捕獲され、人喰いザメが死んだことになってしまう。
・ブロディとフーパーは捕獲された中規模ザメは犯人ではないと判断し、市長に掛け合うが取り合ってもらえない。
・警備体制を整えてビーチを解禁すると、島の内外から観光客が押し寄せるが、また犠牲者が出てしまう。
・市長はようやく、ビーチを閉鎖しサメ退治をハンターのクイントに依頼することを承諾する。
・警察署長のブロディ、ハンターのクイント、海洋学者のフーパー、の3人でサメ退治に出航する。
・チームワークの悪い3人(特にクイントとフーパーの仲が悪い)。巨大な人喰いザメと戦うも、全く歯が立たない。
・ようやく打ち解け合う3人だったが、サメの攻撃によって船底から水が漏れ、沈没の危機になる。
・フーパーの鉄檻作戦も失敗に終わり、クイントはサメに食い殺されてしまう。
・沈みゆく船の上で、ブロディは無事にサメを退治することに成功。フーパーも生きて戻ってくる。


学びポイント


■構成/ストーリー

フェイントを挟むと、よりハラハラさせることが出来る
・サメの出現かと思ったら、おじさんの水泳帽
・サメの被害かと思ったら、若いカップルの戯れ合う声
・サメの出現かと思ったら、子供たちのいたずら
💡フェイント→フェイント→本物、という流れ=退屈せずドキドキ感が増す!


■シーン

未記入


■キャラクター

ー主要人物ー
ブロディ(主人公):警察署長
フーパー(副主人公):海洋学者
クイント(副主人公):地元の漁師・プロのサメハンター

市長
人喰いザメ

ーサブキャラー

ブロディの妻
ブロディの息子2人

人喰いザメの被害者たち
・若い女性
・浮き輪に乗った少年
・漁師のベン・ガードナー
・ボートに乗った若い青年

キントナー夫人(被害少年の母)
警察補佐
地元の人たち


■小道具

未記入


■セリフ

未記入


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