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【中学受験】ポーランドボール禁止令

妻からとうとう出てしまった。ポーランドボール禁止令。

メモリーチェックや算数問題428問は息子が採点しても甘く点数をつけるので、いまは妻が採点している。
今後ポーランドボールが見つかった場合には、教科書だろうがなんだろうが、その部分をビリビリに破り捨てると言い渡された。

「私の目の届くところにポーランドボールの絵があったら、容赦なく破り捨てるからね」
「僕がノートに書いていても?」
「当たり前でしょ。その部分だけ破り捨てるわよ」
「自由帳に書いても駄目?」
「私の目に触れるところに、って言ってるでしょ。わざわざあなたの自由帳なんて私が開くわけないでしょ。夏期講習の解答を書いたノートのことを言ってんの」
「よかった」

正直言って、これで「よかった」と思えるのは、どういう神経の持ち主なのだろうと思う。しかもそこまでしてポーランドボールを書きたいのか、と。

それにしても、試験の問題用紙に落書きをしたのはまずかった。
見事に妻の逆鱗に触れてしまった。
しかも満点近い算数や社会、理科ならまだいい。「油断したら駄目でしょ」程度で済む。
ところが、よりによって、記述問題がほぼ白紙状態の国語の問題用紙でやることはないだろう。落書きしている暇があったら、なぜ解答用紙を埋めないのかと誰もが突っ込むに決まっている。

「僕って、どうして後先を考えずに行動しちゃうんだろうね」
と今になって反省の弁を述べていたが、後の祭りだ。
いったん妻が言い始めると、確実に守る。
よって今後ボーランドボールの絵や動画は、禁酒法下のアル・カポネの酒売買のように、妻の目の届かないところで見せ合いしなければいけなくなった。

「いまのうちにポーランドボールを弔ってあげなさい」
そう言ったら、微妙な顔をしていた。

小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)