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【雑記】小説新人賞について(5)

どうやったら賞を獲れるんだろう。どうやったら選考委員を感心するものが書けるんだろう。どこかにすごいトリックないだろうか。誰も考えついていないぶっ飛んだネタはないものか。才能のない私は寝ても覚めても、そんなことばかり考えていた。

いままでにも小説はそこそこ読む方だったが、勉強のため、手をつけなかった分野の小説も相当読んだ。それでも編集者など読む専門の方に比べれば、私などまだまだ全然足りない。
「自分の感性を大切にしたいんで、人の小説は読まないんです」なんていうのは、単なる戯言に過ぎない。
読んで読んで読みまくらないと、いい小説は書けないと思う。

日本ミステリー文学大賞新人賞や横溝正史ミステリ大賞で最終選考に残ったときには、本当に嬉しかった。そして審査員に酷評されて、落選したときには、本当に落胆した。
酷評されながらも、ムー伝奇ノベル大賞優秀賞(大賞ではない)をいただいたときも、本当に嬉しくて「これでやっと書籍化されるぞ」と思った。ところが次年度から賞はなくなり、出版もされなかった。
最終的に講談社の方にお声をかけていただき、メフィスト賞として「虫とりのうた」出版させていただいた。講談社編集部の方には本当にお世話になり、感謝している。
もう感謝の言葉もないくらい。

ところが諸事情が出てきて、東京を離れなければいけなくなり、執筆どころではなくなった。

それから10年近くが過ぎてしまった。
会社を起業して、九州での生活にも慣れた。
息子の中学受験と共に、やっと執筆する時間が取れるようになった。

こうしてnoteに出会い、いろいろ書いてみると、自分は書くことがやはり好きなんだなと、しみじみ思う。

最後に。
新人賞に応募している方がいたら、言いたい。
皆同じように、絶望感や無力感を味わっているんですよ、と。
もうやめようかな、と思ったときがチャンスかもしれませんよ。

小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)