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【中学受験ネタ】四年生で学力はほぼ決まる?

ツイッターで、現役の塾の先生が
「四年生の成績で学力はほぼ決まる。そしてそれは遺伝と環境で決まる」
と書いていたのを見かけた。
その方は「やればできる分野は限定されているので、教育産業に騙されないように」という良心的なツィートだったと思うのだが、プチ炎上してしまって、少し気の毒に思った。
そう言われて、息子の塾のメンバーを見ると、上位層は塾内での順位はほとんど変わっていない。

たとえば自分たちの時代であれば(だいぶ古いが)、「最後の学年で頑張れば成績がぐんと伸びる」という風潮があった。
「高校(中学)二年までは部活に一所懸命で、三年になって本格的に勉強」
というのが、実際に多かったような気がする。
現に私も高校時代麻雀&部活三昧で、ほとんどビリから猛勉強して、卒業時には上位数%で卒業したという記憶がある。
ただ、それを息子の塾(日能研)でやれるかというと、100%近く無理だと思う。

そもそもごぼう抜きできるのは、母集団のレベルが大したことない場合(母校の人ごめんなさい。一応進学校ですが)であって、日能研や四谷、さらにはサピのように、既に小学生全体で考えるとかなりの上位層が集まっている塾では、6年生から入塾して上位層に行くことなんて相当難しいのではないかと思う(それまで他の塾に通っていたというのは、なしで)。すごく勉強の得意な子で、上位層1割に食い込めたら御の字ではないだろうか。

息子の勉強を見ていても、痛切にそのことを感じる。
例えば、中学で息子と同じクラスになったとする。自分が中学で猛勉強したとしても、まったく息子に勝てる気がしない。
なにが違うのかと言うと、小学校の段階で勉強にかける時間が、天と地ほど違っているのだ。

息子氏、小学生にしては信じられないぐらいの勉強時間である。
息抜きの時間ですら「まんが日本の歴史」とか「世界の国々の図鑑」とか「漫画で理解する高校数学」とか、「いやあ、それも勉強だよね」みたいなものを読んでいる。
もう彼は勉強が趣味のレベルに達しているのではないかと思うくらい。
(この場合の勉強は、中受の勉強ではなく、広義の意味での勉強です)

公開模試でもたまに世界の国に関する問題が出るが、ほとんどの国と位置、特徴を知っているので、彼にとってはサービス問題になる。
このあいだ「まんが世界の歴史」をせがまれたので一式買ってやった。二月に届くそうだが、しばらくは息子の愛読書になりそう。

そんな相手に、中学から死に物狂いで勉強したからと言って、勝てるわけがないと思う。学校の勉強以外でも、圧倒的な知識量の差はいかんともしがたい。
もう時間を戻して、小学校からやり直すしかないと思うくらい。
それでも息子に勝てる自信は、まったくない。
じゃあ、時間をさらに戻して赤ちゃんからではどうか?
うーん、我ながら、むなしい仮定だった……。

閑話休題。
日能研には応用クラスと基本クラスがあるが、応用クラスのメンバーは四年生からまったく変わっていない。順位も大した変動はない。
少なくとも、うちの教場では「学力は四年生でほぼ決まっている」と言えることになるのだ。
もちろん例外はあるだろうが、塾の先生が言うということは、かなりの確率でそうなのだろう。

ただし、これは中学受験での話に過ぎないと思う。
大学受験ではまた変動はあるだろうし、勉強ができたからと言って社会人になって活躍するかどうかも未知数。
しょせんは中学受験の「お勉強」というステージにおいてのみの話。
それで頭の良し悪しが決定されるわけでは、まったくないと思う。

ということで、息子の「点取りゲーム」は、とりあえずあと一年。



小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)