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外資系企業ワーカーが、スモールビジネスの起業を自己体験する。「Bean to Barを輸入始めた訳」

はじめまして。TOMOKOです。

普段は外資系IT企業に勤める傍、

プラトグラフィコというマイクロスモールな会社で、フードに関わるセールス&マーケティング からファイナンスまでをワンオペで行っています。
具体的な取扱製品は、Bean to Bar チョコレートです。

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米国ミズーリ州スプリングフィールドに、ファクトリーのあるクラフトチョコレートメーカーの
アスキノジーチョコレート」とホールセール契約をしています。
アジアで唯一、日本市場に製品販売提供できるディストリビューターです。
タブレットチョコレートのセールス予測と製品発注、輸入管理のオペレーションから経理作業、および物流管理、日本のリテーラーさまとの受注作業、さらにリテール店舗でのプロモーションまで、
一言で言うと、

「日本のリテールさまに海外メーカーのBean to Bar チョコレートの卸売販売しています。」

また、アスキノジーチョコレートの小売販売だけでなく、同じカカオから生産されるカカオニブやココアパウダーといった、米国のプロのシェフやパティシエが料理や製菓に利用するプロダクトを紹介するために、日本のパティシェの方々とコラボレーションして、

アスキノジー製品を材料とするレシピ開発や、
カカオのカスタマーコミュニティテーブルを作る活動が主なところです。

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撮影:yutaokashi

コラボレーションイベント記事は次回更新したいとおもいます。(2019年10月27日)
コラボレーションパートナー
* クラフトフード専門店 The Meadow Japan さん
* インスタグラマー Yutaokashi さん

まずは、ここまでの経緯をまとめてみようと思います。

ポートフォリオキャリアの始まり。

あらためて。

外資系IT企業に勤める傍ら、
プラトグラフィコという輸入食品の卸売および販売促進企画、プライベートキッチン、フードイベント及びプロモーションの会社を立ち上げて以来、ワンオペ運営しています。

複数の本業、いわゆるMultiple careers 歴7年になります。

現在はプラトグラフィコセレクションという、
厳選したフードブランド(アスキノジーチョコレート)の日本輸入と卸売が、主たる事業内容ですが、
会社定款にある目的のサービス業態として、
プライベートキッチンを構築するために、会社本店増床が必要となりました。

プラン実行にあたり、
2018年本店登記を東京千代田区から横須賀市秋谷に移しました。
オフィス兼キッチンワークスペース、それが、AKIYA the wall houseです。

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秋谷の海を見下ろすキッチンアトリエ

アスキノジーチョコレートをテイスティングする場所であるとともに、
コラボレーションパートナーのフード職人の皆さまとのコミュニティテーブルがあります。

オンラインとオフラインの両方であじわう豊かなテーブルエクスペリエンスを届ける場所です。

Bean to Bar チョコレートとの出会い

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そもそものきっかけは、
2011年、西海岸のフード事情をよく知る友人シェリーの住むサウサリート、サンフランシスコを再び訪れるようになってから。
ブルーボトルコーヒー、フォーバレルコーヒー、サイトグラスコーヒー、リチュアルコーヒーなどのスペシャルティコーヒーロースターをめぐり歩き、そこでダンデライオンチョコレート、そして、アスキノジーチョコレートと言うBean to Bar チョコレートを知ったことから始まりました。

Bean to bar とは、
カカオ豆からチョコレートバーまでの一貫した工程を、すべて
手作業でつくるクラフトチョコレートです。

原材料は、カカオとシュガーの2種類のみ。
一切添加物なし。
豆の産地から製造工程までこだわるbean to bar。
アスキノジーチョコレートは、少量生産で、スモールバッチともいわれます。

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難しいこと抜きで、1. 格別に美味しいダークチョコレート。2. 無添加安心。3. でも日本に売ってない。
売ってないなら、私が輸入すればいい。

翌年2012年、シェリーの紹介で初めてアスキノジーチョコレートの創立者Shawn Askinosie に会うためイタリア トスカーナに向かいました。

アスキノジーチョコレートのテイスティングイベントが行われるとシェリーから聞いたからです。
キャンティの丘に建つ、la Petraia : シェリーの友人であるスーザンが主宰するビオディナミのクッキングクラスのあるオーベルジュホテル。
ここにいけば、アスキノジーチョコレートの創立者に会える。販売代理店の契約交渉を直接できる二度とないチャンスでした。

直接、社長のショーン・アスキノジーからテイスティングとレクチャーを受け、すぐにホールセール契約を決めました。帰国後1ヶ月でPlato Grafico を設立。登記完了したのが2012年のクリスマスの夜でした。(勤務先には申告しました。)

当時、シングルオリジンのビーントゥバーチョコレートの日本での認知度は低く、供給も少量で安定しないので、ファクトリーがミズーリ州にあるアスキノジーチョコレートの米国外リテールでの販売はとても難しく思われました。
なのに、何やらわからない使命感に突き動かされて、初めての海外食品輸入準備。
このプロダクトをどうしても日本に紹介したいと思った2013年。

食品を海外から輸入する、通関に関しては、そこはIT企業歴20年!
全く知らないことだらけでしたし!
特に食品は難易度高い輸入品目であることは間違いなく、ですが、ありがたい周りのサポートを受けて、成田初荷を無事通関。(今もお世話になっています。)
手貼りの食品シールで神宮のアイデンティティーコーヒー(カフェ)に無事初納品。
その頃、日本で飲めるインテリジェンシアコーヒー(シカゴ)とフグレンコーヒー(オスロ)を知りました。

スモールビジネスの側面を自己体験

ところが、このカフェが諸般の事情で秋の取引を終える頃に撤退が決まり、喜びも束の間、初のチョコレート取引は、あっけなく終了することに。
明けて2014年の1月初め、カフェのオーナーは、お店を閉めると共に親切にもフグレンの代表小島さんを紹介してくれました。
(2月の雪の降る日、バレンタイン直前にフグレンコーヒーさんで、テイスティングイベントしましたが、)残念ながら追加の在庫を持たなかったので、2月の一番のイベント需要に応えられず、フグレンさんとのおつきあいは始まりませんでした。
その後、5月には幸運にも、新たに代官山のスペシャルティコーヒーロースターさんから引き合いが。

というわけで、設立当初から、波のある業務のワークロードに直面し、自分の時間の生産性と労力の掛け方を考えさせられました。その甲斐あって、
プラトグラフィコでは、冬のハイシーズン、隙間時間に業務を行う、モビリティワークスタイルをとことん追求しています。

マイクロスモールな会社経営ですので、ワンオペならではの、ビジネスappの活用は必須です。月次にかかるコスト削減とTCOマネジメントを実体験してきました。

ちなみに今使っているモバイルビジネスappの一部を書き出してみますと、

コミュニケーションツール:Chat work (無料)会計事務所とのやりとり。会計ファイル添付と経理作業の質疑応答。電子署名。
会計ソフト:Freee (月額
連携アプリ が豊富で、AMEX ビジネスカードの法人口座連携により経費データ入力が大幅に時短効果。外出先から、見積、納品、請求書作成と送信がiPhoneデバイス上で完結。零細企業には嬉しいプロダクティビティ向上。
モバイルPOS : Air REGI(無料)
Eコマースソフト:BASE (無料)
Web 会議システム:WEBEX(フリー版)
クリエイティブ: Adobe CC(月額

会計年度は10月スタートですが、設立当時から3年ほどは、決算はいつもギリギリの経理入力作業。
しかし、会計ソフトFreeeを導入以来、この3年は、モビリティワークに特化したアプリのおかげで、作業が格段に楽になったのを実感しています。

特に
たくさんあるモバイルPOSの中でも、Airレジとスマレジは、ユーザーエクスペリエンスを高めるために、ソフトウェアの設計段階でUIデザイン(ユーザーインターフェース)に関して、iOSに最適化されているので、手元のiPhone, iPadでストレスなく
使用できるアプリケーションに仕上げていただいてます。

従業員の業務効率を一番に考慮して設定をシンプルに開発されているのは、とても、助かります。

USからスペシャルティコーヒーブランドの上陸。

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話をビーントゥバーチョコレートにもどします。

一方で、新しいコーヒーカルチャーとして定着した「サードウエーブコーヒー」でしたが、

2011年から2014年までシェリーと廻り歩いたサンフランシスコ、ミッション地区。その、サンフランシスコ発祥のスペシャルティコーヒーブランド、ブルーボトルコーヒーがついに2015年、日本に上陸。
(今やネスレに買収されてしまって、コーヒームーブメントのなんと目まぐるしいことか。)

それに伴い、BEAN to BARのチョコレートブランドも次々と日本マーケットに上陸してきました。
第二次ハイカカオブーム到来です。チョコレートをカカオで語る時代が来ていました。健康志向の消費者の理解も高まると同時に、大手百貨店の輸入チョコレートのバイヤーからアスキノジーチョコレートに、バレンタイン催事取引の引き合いが来るようになったのも、この頃です。
主に、米国のフードショーや、アワード受賞のニュースリリースでアスキノジーチョコレートに問い合わせ、米国アスキノジー経由でプラトグラフィコに日本でのディストリビューター紹介の営業連絡がくるというパターン。でした。

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バレンタイン商戦のシーズナルイベントだけでなく、内外含めてBean to Bar チョコレートメーカーがより多く、日本のマーケットに進出してくる中、それまでは、SNSでもチョコレートのパッケージの写真ばかりだったのが、クラフトチョコレートの工房で起こる事柄や作り手に光をあててのBTS(behind the story)舞台裏のストーリーがSNSなどでも拡散されるようになり、消費者の方々の知的好奇心も高まりました。

ダイレクトトレード、サステナブル、エシカル。ハイエンドフードのキーワード。

アスキノジーチョコレートは、

実は日本のモノづくりに感化された作り手の、
丁寧なクラフトマンシップで
少量生産されている
100% トレーサブルな
ビーントゥバー チョコレートです。

エクアドル、アマゾニア、タンザニア、フィリピンダバオの産地から選びぬいたカカオ農家とよりよいパートナーシップで結びつき、ダイレクトトレードを実践しています。

Eat good Chocolate
It tastes good
It’s good for farmer.
It’s good for environment.
It’s good for you.

安心安全の品質と美味しさ。
包装も全て手包みの、
自然に優しい生分解性フィルム使用。
全て自然に還る。


まとめ

ダイレクトトレード
サステナブル
エシカル

これらのムーブメントの社会的な意味は、

アスキノジーチョコレートという
プロダクトに全て包含されていることを、
自身で輸入販売することにより得た学びであり、

7年たってもまだ飽きることなく、
シングルオリジンカカオからクラフトする、
このチョコレートメーカーから、目が離せないし、
むしろ高い製品力に今もなお、執着している。

そんなわけで、私は間違いなく
アスキノジーチョコレートの
日本で絶対一番の
ロイヤルカスタマーです。
チョコレート好きが高じて、アメリカの工房を留守にしたメーカー社長をイタリアまで追いかけた強烈なファンです。

みんなが知らないそのチョコレート工房の職人たちと、そのプロダクトのことを伝えたくて日本に輸入しています。

これからのスモールビジネスは、もっとおもしろくなるはずだと信じて。

だから、
まだ、『スモールビジネスの側面を自己体験する。』はやめられない。
そんな中での、あれこれをこれからnoteに書きとめておこうと思っています。

©2020 Plato Grafico Inc.




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