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【クルマ好きの自由研究】ニュースから学ぶ、数学脳

はじめに

今日、こんなニュースを目にしました。関越での当て逃げ事故です。

ライターとしてこのニュースを見ても、コメントでは「まぁ、そらそーだな」と思うようなものが並んでいます。同じ意見をわざわざ書き込むのもどうかと思いますが、ニュースを見て気持ちの納まりが悪かったのでしょう。

元ADASのテストドライバーの視点でも、コメント以外の部分では、「なぜ横から幅寄せされているのに、ブレーキを踏まなかったのか」疑問でなりません。

これから、免許を取得するであろう若い人たちには反面教師として、路上で余計なトラブルに巻き込まれないように、臨機応変な対応をとってもらいたいものですね。

コメントを読んでいて思ったこと

コメントを読んでいて、感情的な人や、ルールを説明している人などが多いと感じましたが、速度を算出しようとしている人が見つけられなかったので、自分で計算してみました。

計算方法

ドラレコにはGPSが搭載され、おおまかな速度が表示をされるモデルもありますが、この動画には速度表示が無かったので、算出してみましょう。

方法は、ネズミ捕りと呼ばれる、速度違反の取り締まりでは警察官が速度を判断するのに、道路わきの街灯の間を何秒で通過するかで速度を判断して追尾する人と同じようにして計算してみます。

今回の場合では、基準を白線とその間隔の長さを基準に計算していきます。

使う式

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小学生でも分かるとタイトルで述べた通り、速度を求めるために「はじき」を使います。

は・・・速さ(速度)

じ・・・時間

き・・・距離

というやつです。

実は、算数において単位とはよくできており、km/h(キロメーター パー アワー)と書いた場合、これ自体が数式になっており、わざわざ「はじき」などと考えなくても、答えが書いてあるといっても過言ではありません。

km・・・距離

/・・・割り算

h・・・時間

なので、すぐに計算できますね。

使う数字

使う数字を画像の中から探していきます。

式では、時間と距離が必要なので、時間は、シークバーの時間カウンターを利用して秒単位で図っていきます。次に、距離は、高速道路ということもあり、白線は8mその間隔が12mということで、計算していきましょう。

↓計測開始地点(0:02)

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ちょうど白線の切れるあたり、次の白線までは12m前後のところです。シークバー0:03の位置で、どこまで車は進んでいるでしょうか。

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↑1秒後の地点

左わきの青い看板を超えて、最初の白線に差し掛かるところです。大まかに12m+8m+12mで計32mほど進んでいるものと考えられます。

カメラが広角であることを考慮に入れれば、最後に加算した12mの部分はすこし距離が長く、10mほどと考えられ、およそ30mを1秒間に進んでいると計算に必要な数字がそろいます。

実際に計算してみる

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先までにそろった数字を基に計算していきます。

まず、この車は1秒間に30mを進むということで、秒速30m(30m/秒)であることがわかります。

秒速(m/秒)を時速(km/時)に変換するためにはまず、以下の事を覚えておきましょう。

時間には、時、分、秒という単位があり、1分=60秒、1時間=60分となります。

そこで、この計算を例に進めると、1秒が60回繰り返されると、30mも60回繰り返されます。

さらに、1分が60回繰り返されると、30m×60回×60回となることがわかります。

つまり、1時間あたりに進む距離は、30m×3600回ということですね。計算すると、108000mであることがわかります。

1kmは、1000m(k自体が1000倍を意味しているので、kmとかけば1000mと書いているのと同じ)ですので、108000mは、kmが108個、つまり108kmであることがわかります。

したがって、この車は時速108km(108km/h)で走行していたといえるわけです。

もっと簡単に計算する方法

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過去に、大学生の時に塾の先生のアルバイトをしていましたが、その時から思うことがあります。

算数や、数学が苦手という人は、式が煩雑なままだったり、数字が大きいまま無理に計算してケアレスミスをする人が多いということです。せっかく考え方を理解していても、これでは、「なぜ間違ったのか?」、「本当は理解できていないのでは?」、「点数が取れなくて苦手」という思考になっても仕方がありません。

ポイントは、暗算である程度できる範囲で、計算してしまうということです。そして、問題用紙や、解答用紙には間違えないように式を書いておくことも重要です(別に、算数や数学だから、日本語を書いてはいけないという理由はありませんし、証明問題なんかは、日本語書かないでどうするのという話、というか文章問題は、証明問題となんだ変わりはありません)。

今回の場合では、秒から分、分から時、そして最後のmからkmと3回も単位を変えています(数学では式を変形といいます)。

数学が得意な人は、たいていの場合、面倒がりであることが多く、先にこいつらを1回で変換できないか考えます。

式にすると60×60÷1000をしていることになりますので、3600÷1000で、3.6を30に掛け算すれば、一気に108と回答にたどり着くことができます(少数が登場するのは小学校4年生だか、5年生だったような)。

単位は当然、m/秒からkm/時にすることを目的とした計算なので、108km/時です。

まとめ

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数学や、算数を得意とするためにすることを3つにまとめてみました。

1.メモをとる←最重要で、計算する用紙には式しか書かないというのは、あまりいいとは言えません。何の計算をしたのか分かるように一言添えておきましょう。

2.だらだらと長い式は、分けて計算する←日本語でも同じですが、「ーで、ーで、ーで」とだらだらと長い話は聞くに堪えず、誤認も発生しやすいです。数式が長いということは、これと同じで、計算しにくいし、間違えも起こりやすくなっています。だがら、学校では×÷()などの記号(文字)で式を整理してから計算することを教わります。

3.単位を理解する←一番の難関であろう公式の暗記ですが、いちいち全て暗記!なんて覚え方をしていては、将来的に「この式なんだっけなー」となってしまいます。でも単位を理解するだけであれば、さほど難しいことではありません。単位を理解するために、記号の意味を覚えましょう。これは、日本語で50音を覚えるのと同じで、国語も算数、数学も同じです。

ここまで読むと、わかってもらえると思いますが、国語や英語の文章、プログラミングも含め、数式も、文字が並んでいるもので、その文字が組み合わさって意味があり、相手に伝えるという点に差はありません。

それに、算数や数学の文章問題は、言葉の意味が分からなければ回答に至らず、国語力が必要です。また、国語で文章を理解する時に、順序だてて思考することは、数学の式を整理する能力と差はありません。

どのみち、文系にせよ、理系にせよ、考える力や、工夫をしなければ解けない問題は多岐に及びます。

最悪なのは、苦手だからと理由で、シャットアウトしてしまうことですが、自分なりに興味を見出して、コロナでの自宅学習に役立ててもらいたいものです。

例えば夏休みの宿題が終わっていない君ですが、家の近くの道路や、目の前の通りの距離を測って、通過する車の速度を外から計算して提出すれば、立派な自由研究ですよ!

ちなみに、めんどくさがりな私は、相似を使って距離を計算します。わざわざ、現場になんて距離を測りに行きません笑

自衛隊でもやっている、自分の腕と指を使って遠くのものの距離を測る方法

この対象までの距離がわかれば、相似(比例)の関係を組み合わせると、そこに行かなくても、おおよその数値は分かっちゃいます。

測定に使う式や環境を、どのように測定し、その結果その車が何キロで走っていたか、外から判断するというのはいかがだろうか(紙と鉛筆、ストップウォッチがあればすぐに終わるよ、計算は電卓使えばいいし)

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