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セブンイレブンやローソンからファミマに人を40%以上動かしたNOINの事例

ずっとnoteを更新しようと思ってましたが、バタバタしてなかなか更新できずにいました。最近面接しまくってますがその中で「note読んでます!」とかなり言われるのでちゃんと更新しないといけないですね。

さて、以前にメルペイの決済比率について書いたnoteがありますが、メルペイ社内で好評で営業資料にも使われていると聞きました。私のnoteなんかフリー素材みたいなもんなのでご自由にお使いください。今回は2020年4月に株主として参加いただいた伊藤忠商事関連です。

ファミリーマートとの提携(伊藤忠関連)

伊藤忠商事がTOBでファミリーマートを100%子会社化というニュースもあった通りファミリーマートと伊藤忠は関係が深く、ノインもファミリーマートさんとお話する機会が増えています。

その提携の大きなものの一つとしてノインのプライベートブランドsöpö(ソポ)を全国のファミリーマート16,700店舗で販売しています。söpöはノインの販売データを元に企画開発した商品で、あえて定番色の黒やブラウンのようなものを作っていません。これはノインでは社長室という少数精鋭の組織で企画開発しています。(最近はsöpöの企画に携わりたいということで面接にいらっしゃる方も非常に多いです)

ちなみに超余談ですが、ファミマのCMOの足立さんは高校の先輩なので勝手に親近感を持っています。

提携の決め手はNOINのユーザー属性

実はファミリーマートとの提携をすすめるにあたり、ノインとファミリーマートの相性として非常に大きかったものがあります。下記はファミリーマートの強豪であるセブンイレブンの顧客年齢層です。セブン&アイHLDGS.コーポレートアウトライン(2020年2月期)


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業態を考えてもファミマもほぼ同様に比率になっているかと思います。驚くべき(?)ことに40歳以上が60%を占め、10代、20代は25%にも達しません。人口比率からすれば当たり前とも言えるかもしれませんがコンビニはもはや若者の店舗ではありません。

「若者の取り込み」は全業種業態の課題

人口減少している日本において、「若者の取り込み」はコンビニのみならず、ドラッグストアや百貨店でも同様の深刻な課題です。一方で我々、NOINのユーザーはどうでしょうか。過去にNOINを使っているユーザーは誰なのかにも書きましたが非常に若いユーザーが多いです。上記はちょっと前の記事なので1月時点での最新データでユーザーの年代を出してみました。

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ご覧いただければわかるように非常に若いユーザーが多いです。コンビニからすればボリュームこそ微々たるものですがこの構成比率は魅力的に映るはずです。余談ですが10月に開始した大丸松坂屋百貨店との提携においても私達のこのユーザー構成がフックの一つとなりました。実際に業務において私達が分析する際はもっと細かい年齢に分けて分類しています。

「若年層から取り込む」はNOINの戦略

コンビニや百貨店との提携をもともと睨みながら事業展開をしていたわけではないですが、ノインが若年層から取り込んでいっているのは偶然ではありません。EC事業のような「お金を使わせる」事業において当然、可処分所得の高い上の年代を取り込んだほうが売上が伸びるのは当たり前です。しかし、私達は「若年層から取り込む」ことを優先しています。

これはノインは「流行を作り出せる」というブランド力が今後大きな価値を持つと信じているからです。そしてブランドの方向は不可逆です。流行は若者から作られます。

①若者に人気のブランドから派生したラグジュアリーライン

②中高年に人気のブランドが出した若者向けブランド

どちらのほうが魅力的なのかを考えれば「若者を取り込めている」ということの価値は分かるかと思います。最初からダサく思われるようなプロダクトにすることは我々がターゲットとしているコスメのカテゴリにおいては致命的です。一方で売上がしっかり作れるのは少しダサいくらいのもののほういいというのはあるので、難しいところではありますが、それでも私達は将来的な価値を考え、イケてる方を選択するようにしています。

NOINにおける決済手段

さて、前段がやたら長くなりましたが、ファミマとの提携にはもう一つ大きなものがあります。それは決済手段です。以前にもNOINへのメルペイ導入に関する考察① 導入理由編でも触れましたがNOINの決済は若者が多いことも起因してかクレジットカード決済の比率がECとしては比較的少なく、コンビニ決済や後払いなどが非常に多いです。

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なんとコンビニ決済比率が15% (2021年1月)もいます。個人的にはECで買い物するときにコンビニ決済なんか考えたこともなかったので本当に驚きました。また、後払いも10%程度います。これも後払いはおそらくコンビニに決済しにいっているものと思われます。クレジットカードなんか持っていない若者が使っているであろうことが伺えます。メルペイも10%程度でやはり相性いいですね。(potpay=後払いが10月から11月にかけて激減しているのは後払い手数料をユーザー負担とするように変更を加えたためです)

さて、ここから言えるのは「NOINユーザーはコンビニに行ってる」≒「NOINはユーザーの15%をコンビニに送客しつづけていた」という事実です。けっこうすごくないですか?

コンビニ決済における内訳

このコンビニ決済の中身を見てみましょう。どのコンビニで決済しているでしょうか。まずは10月までを見てみましょう。

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月ごとでばらつきはあるものの大手3社で3割ずつといった様相です。では11月以降はどうでしょうか。

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セブンイレブン、ローソンをまさに押しのけてファミマが8割です。なぜこうなっているのでしょうか?(セブン、ローソン、ファミマで色がわかりやすいようにと思ってそれぞれの色つけようとしたらセブンもファミマも緑だったんでわけわかんないグラフになりかけたw)

söpö発売に合わせた施策

söpöの売上を少しでもつくるためにもまずはファミマに足を運んでもらう必要があります。そこでファミマに行かなくては行けない理由を作ることを考えました。若いユーザーで価格にかなりセンシティブに反応することは普段から分かりきっていたので、ファミマだけコンビニ決済手数料を無料とすることを2020年11月から実施しました。(söpöの発売は2020年11月)

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現在のNOINのコンビニ決済選択画面。このシンプルな施策の結果ユーザーの行動を他コンビニからファミマに向かわせることに成功しました。こういう施策がバチッとはまったときの快感はなにものにも代えがたいものがあります。

プロダクトスイッチの難しさ

マーケティングを少しでもやったことのある方なら理解してもらえると思いますが新規獲得コストよりもスイッチングコストのほうが一般的にかなり高いです。(だからこそApp業界ではユーザーを先に取るということに執念を燃やし、競合プロダクトに勝とうとするのです)

今回のコンビニをスイッチさせるというのは「リアルの行動を変化させた」=「リアルでの行動習慣を変えた」という点で非常に価値のある施策だったのではないかと思います。セブンイレブンに行ってた人をファミマに連れてくのはなかなか難しいと思います。しかし、セブンイレブンに行っていた理由は近いからであって、セブンイレブンだからではないことが多いです。そこにファミマに行く理由に加え、行ったら欲しい物(= söpö)がある状況を用意できたことが今回スイッチングに成功した大きな要因と言えるのではないでしょうか。

söpöは絶好調

PBで当てるのは非常に難しいと言われているなか、söpöはおかげさまで絶好調で発売わずか2ヶ月で20万本を超える大ヒットとなっています。

新商品も企画しているようなのでぜひお楽しみに。

おわりに

私がnoteを始めたきっかけは会社の情報をちゃんと発信することでノインの事業に興味を持ってもらい、採用につなげるということだったのでnoteの当初の役割を果たしつつあります。ただ、やっぱり継続するのが大変でなかなか続かないのも事実。どうしたら書き続けられるか電通の同期でもあるパンフォーユーの矢野さんに話したところ、採用担当のKPIとしてnoteを書かせることを加えるということを教わりました。そうするとどうしても書かせたいのであの手この手で書かせようとしてくるとのことです。試しに当社でもその仕組を導入してみようと思います。私がnoteを書いていないと採用担当の評価が落ちていると思ってください。

さて、ノインでは絶賛採用強化中です。ご興味ある方はぜひご連絡ください。特に募集してなさそうなポジションでも忙しくて載せられてないだけだったりするのでお気軽にお声がけください。


サポートいただいた場合とくに収入とするよりは書籍購入やセミナー参加等してその内容をまとめるなどの方法で還元予定です。