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思考力・判断力を養う 中学校体育 サッカー (8時間完了予定)

〇学習者:中学3年生 1クラス当たり約40名

◯単元目標
① 相手守備者やスペースのズレを作り、ゴールを奪う
② チームでのコミュケーションを深め、仲間の良い動きを見つけ評価する
③ ゲームからチームの良さ・課題を見つけ、修正する

1時間目
◯本日の目標
試しのゲームから、チームと個人の課題をみつけよう

◯授業の流れ
① W-up
② 単元の流れ・目標を理解さる。
③ ゲーム8分×3セット(サイズ:フットサルコート×3コート)
*1ゲーム終了毎にチームでミーテングを実施
*チーム(1チーム6人又は7人 事前に体育委員中心で決めさせおく)
④振り返り

◯指導のポイント
・6人制にしGK・DF・MF・FWの役割分担を考えさせる。
GKは持ち回り制。(運動が苦手な生徒がGKばかりしないように配慮)
DFはゴールを守る役割。攻守ともにゲームを作る役割。FWは得点を決める役割。


◯ゲーム中の声かけ
 ※本時の目標に繋げるためゲーム中の気づきを促すための声かけ※
・相手がいないところは?
・ボールを取られないためにどこに運ぶ?
・ボールをとられないために、パスをどこもらう?

※生徒の様子や変容※
・ゲーム中心の授業構成のため活気が溢れていた。

・ゲーム間のミーティングでは、「あの時は〇〇して欲しい」「〇〇な時はどうしたらいい?」等
十分なコミュニケーションを図れていた

※生徒の振り返りから抜粋※
・パスを回すには、コート中心部に固まらず、コートの横幅一杯に広がってもらうと、パスが通りやすいことが分かった

・ハンドボールと一緒で仲間がパスしやすい場所に立つことが大切

・ドリブルとパスの使い分けができなかった。(ドリブルばかりしてボールを獲られた)

※授業者の感想※
・ハンドボール等で伝えてきたオフザボール(ボールを持たない人の動き)をサッカーでも活用しようとする場面が見られ、学習の転移を感じることができた。

・足で扱う難しさにストレスを感じるよりも、仲間と繋がりサッカーを楽しむ学習環境を作りたいと強く感じた

2時間目(8時間完了予定)
◯本日の目標
ドリブルやパスで守備者を動かし作り出したスペースに侵入しゴールを目指す

◯授業の流れ
①W-up+全回の確認(振り返りシートから良かったもの数点を読む)
②鬼ごっこ グリットサイズ(20m×25m)学習シート参照

※攻撃優位になるよう2vs2用の設定)※


〇ラグビーA(身体タッチ)
ルール:守備者からボールを投げてスタート
攻撃者は手でボールを扱いライン突破を目指す
攻撃者は、守備者に身体をタッチされると終了

※指導のポイント※
・守備者にタッチされない距離感を掴む(両手以上の距離を確保)
・守備者を防いだ逆をとる(守備者の重心を見分ける)

※具体的な声かけ※
・どの距離感だとタッチされない(攻撃者へ)
・どの距離感だとタッチできる(守備者へ)
・相手を動かして逆をとろう!
・どの瞬間にスピードアップする?


〇ラグビーB(ボールタッチ)
 ルール:守備者からボールを投げてスタート
攻撃者は手で片手でボールを扱いライン突破を目指す(ボールは持ち抱えない) 攻撃者は、守備者にボールをタッチされると終了
※指導のポイント※
・守備者から遠い手でボールを扱う
・わざとボールを守備者に晒し、タッチにきた瞬間に逆をとる(駆け引きを楽しむ)

※具体的な声かけ※
・どのようにボールを持つとタッチされない?(攻撃者へ)
・タッチできる瞬間を逃さないぞ!(守備者へ)
・相手を動かして逆をとろう!
・どの瞬間にスピードアップする?


③1vs1 学習シート参照
グリットサイズ(20m×25m)※攻撃優位になるよう2vs2用の設定※
ルール:守備者からボールを攻撃者にパスをしてスタート
攻撃者はサッカーのドリブルでライン突破を目指す
守備者は、ボールを奪い逆サイドのライン突破を目指す

※指導のポイント※
・守備者から遠い足でボールを扱う(ラグビーBをイメージさせて)
・ボールが身体から離れないよう、常にボールが触られる場所にボールを動かす
・ボールが身体から、大きく離れた時は、急いでボールをお臍の下に持っていくイメージで動く

※具体的な声かけ※
・守備にボールを触られないようにするには(攻撃者へ)
・ラグビーBでどのようにボールを扱っていた?(攻撃者へ)
・ボールを奪える瞬間を逃さないぞ!(守備者へ)


④2vs2 学習シート参照
グリットサイズ(20m×25m) 
ゴールサイズ(5m)
ルール:守備者からボールを攻撃者にパスをしてスタート
攻撃者は、コートの真ん中にあるゴールにシュートを目指す
守備者は、ボールを奪い逆サイドのゴールにシュートを目指す

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※指導のポイント※
・優先順位を整理する
 攻撃の優先順位 1;ゴール 2;ゴール方向へのパス 3;ボールを奪われないパス・ドリブル
 守備の優先順位 1;ゴールを守る 2;ボールを奪う

※具体的な声かけ※
・ゴールを目指そう
・ゴールを守ろう
・仲間の動きは見えている?

⑤振り返り


※生徒の様子や変容※
・ラグビーAでステップワークの感覚・ラグビーでボールを失わない感覚を養うことで、1vs1の質向上に繋がった
・1vs1で「手で扱っているように足でボールを動かすよ」という声かけは生徒の変容に繋がった
・2vs2では、攻守ともに優先順位を整理することで、ゴールを目指す・ゴールを守るというサッカーの本質が体育授業でも表現できた

※生徒の振り返りから抜粋※
・ウラのスペースでボールを受けるとゴールに行きやすい
・ワンツーでゴールを奪えて嬉しかった
・どうしたらボールを獲られず、ドリブルしたらいいか考えた
・シュートができる位置でパスがもらえるよう考えた

※授業者の感想※
・積み上げができるコーディネートだったと感じた
・振り返りの雰囲気もよく、生徒にとっても楽しい授業だったのではないか

3時間目
◯本日の目標
パスやドリブル等で、作られたスペースを活用しゴールを奪う

◯授業の流れ
①W-up+全回の確認(振り返りシートから良かったもの数点を読む)
②2vs2 グリットサイズ(20m×25m) 添付ファイル参照
ルール:守備者からボールを攻撃者にパスをしてスタート
攻撃者は、逆サイドのラインをドリブルで通過する
守備者は、ボールを奪い逆サイドのラインを通過する

③3vs3 ポストマンゴール グリットサイズ(30m×35m) 
ルール:守備側からボールを攻撃側にパスをしてスタート
ゴール方法は、攻撃側が、逆サイドゾーン内にいるポストマンへパスを成功させる(ポストマンがゾーン内でボールを止める)と得点
守備側は、ボールを奪い逆サイドゾーン内にいるポストマンにパスを成功させる
ゴール後は、失点したチームから攻撃をスタートする
グリットアウトした場合はキックインで再開(キックインからポストマンへのパスは禁止)

オプション:慣れてきた頃(多くのゴールがでてきたところ)で、ポストマンからリターンパスを受け、ゾーン内で止めることができたら、ボーナスポイント(胸付けジャンプ1回)リターンパスは、ポストマンにパスをした生徒・その他の生徒のどちらでも可。
→パス&ゴーの感覚を養うことで4時間目のテーマ理解をスムーズにさせる

※指導のポイント※
・優先順位を整理する
 攻撃の優先順位 1;ゴール(ポストマンへのパス) 2;ゴール方向へのパス 3;ボールを奪われないパス・ドリブル
 守備の優先順位 1;ゴールを守る(ポストマンにパスをさせない立ち位置) 2;ボールを奪う

・オフザボールの生徒の関わり方
 シュートを打てる+パスを受けられるスペースを探す

・ポストマンのポジショニング
 仲間からボールを受けられるポジショニング(パスの線を引く)

※具体的な声かけ※
・ポストマンを見ている?
・ポストマンへのパスを消そう!
・ボールを持っていない仲間の動きは見えている?
・ボールを持っていない二人は、お互いのことを見ている?

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⑤ 振り返り
※生徒の様子や変容※
優先順位を整理することで、多くのゴールが生まれ授業に活気が生まれた
オプションを提示することで、授業最後まで活気を失わず、チャレンジする生徒が多かった

※生徒の振り返りから抜粋※
・パスを受ける前にポストマンの場所を確認するとゴールしやすかった
・ボールと線を結ぶイメージでポストマンに入ると沢山のパスを受けられた
・仲間が考えていることをなかなか理解できず、ボールを持った時にパニックになった
・待っている間に○君からアドバイスをもらった

※授業者の感想※
・今回も積み上げができるコーディネートだったと感じた
・オプションを入れることで生徒のモティベーションを持続できた

4時間目
◯本日の目標
両サイドのサーバーからのパスを受け、ゴールを奪う

◯授業の流れ
①W-up+全回の確認(振り返りシートから良かったもの数点を読む)
②4vs4  
グリットサイズ(30m×35m) 
ルール:守備チームからボールを攻撃チームにパスをしてスタート
攻撃チームは、逆サイドのラインをドリブルで通過する
守備チームは、ボールを奪い逆サイドのラインを通過する

※指導のポイント※
・攻撃で幅をとらず、真中を攻める傾向がでると思われるので、その様子を観察する
 →横幅を使おうとする動き・声かけがあれば「Good!」などの声かけを行う

③3vs3+2S スルーパスゴール 
グリットサイズ(30m×35m)
ルール:守備チームからボールを攻撃チームにパスをしてスタート
攻撃チームは、逆サイドのゾーンでパスを受けたら得点(サーバー・サーバー以外)

守備者チームは、ボールを奪い逆サイドのゾーンでパスを受けたら得点

両サイドのサーバーは攻撃側の仲間
サーバーは線上を移動できる(タッチ数制限なし)
サーバーへの守備は禁止
サーバーからサーバーへのパス可能
サーバーからのスルーパス(ゴールへ繋がるパス)可能


※指導のポイント※
・サーバーを使うことが得点に繋がりやすいこと理解するまで時間がかかる場合がある
→約10分間観察をし、サーバーを有効活用していない場合は一度集めて問いかけてみる
<問いかけ>
楽に得点をするためには、どうしたらいい?
楽に得点をするためには、どの人を使えばいい?

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6~8時間目(8時間完了予定) 
◯本時の目標「生徒設定」
※チームや個人で課題を設定させます※

試しのゲームからの変容がどのように起こっているのかを観察することが重要

◯授業の流れ
①W-up
②ミーティング
※上記の目標・チーム練習の内容・ゲームで意識することを決める※
③チーム練習(フットサルコート半面)
④ゲーム(審判はセルフジャッジ)
※6時間目:練習ゲーム、7~8時間目:リーグ戦
⑤ミーティング
⑥ゲーム
⑦ミーティング
⑧振り返り


※指導のポイント※
・ゲームになると定点の観察をする傾向の教員が多いが、各コートを数分毎に回り観察を行う
・交代で待っている生徒に声かけをする

※授業者の感想※
チーム練習は10分しかないため、ゴールへ向かう1vs1や2vs2が多かった。
授業を通して、生徒間でスペースがキーワードになっており、よくある一人がドリブルでシュートを決める、ロングパスばかりのようなゲーム様相ではなく、ボールを保持しながら、パスワークでゴールを奪おうとするゲームが多く、生徒同士が繋がる単元となった。

5時間目※急な雨を想定※

急な雨で困った経験がある方も多いかと思います。
図書館で読書・・・
単元とは関係なくドッジボール・・・
教室で自習・・・
急な雨でも単元の進行を妨げないよう、5時間目は急な雨で体育館でのサッカーについてのNoteになります。


〇学習者:中学3年生 1クラス当たり約40名
〇使用スペース:体育館半面(ステージ側)
〇準備物:ビブス・フットサルボール・フラットマーカー


◯単元目標
① 相手守備者やスペースのズレを作り、ゴールを奪う
② チームでのコミュケーションを深め、仲間の良い動きを見つけ評価する
③ ゲームからチームの良さ・課題を見つけ、修正する

◯本日の目標
体育館でもサッカーで思考力・判断力を鍛えよう!

◯授業の流れ
① W-up
② 鬼ごっこA(10m×10m・15m×15m)
ルール
4角は1人しか入ることができない
4角は鬼にタッチされない
鬼は角に入っていない人をタッチできれば交代

※指導のポイント※
・自分だけがタッチされないことを考えると角から動ない。自分+仲間がタッチされないことを優先すると、仲間とコミュニケーションをとりながら動くようになる。

・鬼との駆け引きを楽しむ。

・5人チームのところは四角形ではなく三角形で行う

・小さいグリットから大きくすることで、ルールを覚える→コミュニケーションを図りながら、駆け引きを楽しめる

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③ 増鬼ごっこ(体育館半面)
ルール
鬼1人又は2人でスタート
タッチされた人は鬼と手を繋ぐ
どんどん鬼増え大きくなってきます。
鬼と鬼の間をすり抜け可能→間は腕タッチでOK
鬼が分裂することは禁止

※指導のポイント※
凄く盛り上がりダッシュで逃げるので、安全を確認しながら行う


④ ゲーム4vs4(3時間目に行ったポストマンゲーム)
ルール:守備側からボールを攻撃側にパスをしてスタート
ゴール方法は、攻撃側が、逆サイドゾーン内にいるポストマンへパスを成功させる(ポストマンがゾーン内でボールを止める)と得点
守備側は、ボールを奪い逆サイドゾーン内にいるポストマンにパスを成功させる
ゴール後は、失点したチームから攻撃をスタートする
ストリートサッカーと同様で、グリットアウトはなし

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※指導のポイント※
・優先順位を整理する
 攻撃の優先順位 1;ゴール 2;ゴール方向へのパス 3;ボールを奪われないパス・ドリブル
 守備の優先順位 1;ゴールを守る 2;ボールを奪う

・壁を上手く使うなど創造性を生かしたプレーは称賛する

・ネットで半面を区切る場合は、ケガがでないよう配慮する


※授業者の感想※
鬼ごっこでコミュニケーションを図ると、自然と連動した動きになるため、ゲームでもパスや仲間の動きに合わせて、動き出す生徒が多かった。


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