見出し画像

知識人

言葉をみんな食い荒らし
知識のみがまかり通る
一人になんるのに理由があるか
理由があるから生きるのか
        吉田拓郎

答えを欲しがるのが人間
人間は理由が知りたい
「なんで?」が人間を進化させた。
これは間違いのない事実だ。

進化した人間の知識欲は
とどまるところを知らない。
何でも知りたがり
何でも理由を欲しがる
みんな賢くなって
自分の正義に酔いしれる
賢い同士で
騙し合い
殺し合い
賢い勝者は
いよいよ自分の正義に酔いしれる

賢い勝者の知識欲は果てしなく
知れば知るほど
恐怖が募る

それでも一番知るべき
本当のところは
知らんぷり。
知りたくもないと見て見ぬ振り。
でも
本当のところはイヤでも見える。
知識を総動員して否定をする。
わたしは
老いない
病まない
死なない

老いない彼は吠える
俺が正しいと
ちんぷんかんぷんなことを吠える
問われたことの意味がわからず
的の外れたことをイケダカにまくしたてる
物笑いになっているのも気づかずに。
年功序列が好きな周りは
それを誰も教えてやらない
彼はますます
ものが聞こえなくなり
判断能力が落ち
自我に囚われ
ものが見えなくなっていく。

病まない彼は
病む自分を許せない
病は全て敵
病まない彼は
誰よりも
病気に対して臆病者
ウィルスが怖い
抗生物質が大好き
抗体が弱くなろうが
知識で得た手段で
体を壊してでも
病と戦う。
怖い怖い怖い。。。
病まないためなら死んでもいい。

死なない彼は
死を見ない
死んでも生きる。
死んだあとにも困らないように
金は使わない
貯蓄、投資。
名前と魂は死なないと嘘を付く。
死なない彼は
必死に死後を考える。
明日が、来年が、10年後が、
死なない彼は怖くてしようがない。
終わりのない恐怖。
死なない彼には
恐怖の尽きる時が見えない。
死なないというのに殺されたくはない。
死なない彼は
誰よりも死を恐れている。

知識は
人間を
闇に導く
知識は
人間を
恐怖へ導く

それでも知識は
人間である以上大事なもの

知識に振り回されるか
知識を大事に使うか

知識に振り回されている自分が見えるか
知識を大事に扱えているか

知識は本当の答えではない
答えにしてしまったら
知識の思うつぼ
知識に囚われ
ガンジガラメで動けない。

生きることは
死ぬことは
知識ではない
理由もない
老いすことも病むことも。

ただ現象だ。

なら
知識で言葉を繕って
ごまかすのではなく
最低限の言葉を使って
素直に受け止めたい。

言葉も知識だから
恐怖・悲しみ・喜び
そんな感情も言葉であり知識。
だから
適切な言葉をさがすのではなく
自由に形を変えやすい
簡単な言葉で
自分に対しては
自分の気持ちを伝えたい。

知識は
人間を
世界を
社会を
人間にとって都合よく
綺麗に
住みやすくしてきた。

知識でつくられた
人間関係は
世界環境は
社会環境は
いま
ズタズタになっている。

さあ、
このあと
知識でどうする。
地球を破壊に向かわせるか
人間が滅びて地球が救われるか
知識を駆使して
共存の道を歩めるか。

お上から言われたことではなく
指導者をあてにするのではなく
ひとりひとりの知識が問われている。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?