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インテル 人間の脳を模倣した世界最大規模のニューロモーフィック・システム「Hala Point」を構築

インテルは、AIの未来を形作るために、世界最大規模のニューロモーフィック・システム「Hala Point」の構築を発表しました。このシステムは、人間の脳を模倣した計算アーキテクチャーを採用し、Loihi 2プロセッサーを搭載しています。Hala Pointは、1秒間に20京回の演算処理能力を持ち、従来のディープ・ニューラル・ネットワークの効率を大幅に上回る性能を示しています。

この技術は、科学や工学、物流、スマートシティーのインフラ管理など、多岐にわたる分野での問題解決に貢献することが期待されています。特に、リアルタイムでの継続学習能力は、AI技術の未来に革命をもたらす可能性を秘めています。

サンディア国立研究所では、Hala Pointを用いて、科学演算の問題解決に取り組む計画です。このシステムは、AIの進歩に合わせて演算処理、モデリング、シミュレーション、データ分析を行うことができます。

現在、Hala Pointは研究用プロトタイプとしての位置づけですが、将来的には商用システムへの応用が見込まれており、新しいデータからの継続学習を行う大規模言語モデル(LLM)など、実用的なブレークスルーを目指しています。

AIが直面するサステナビリティーの課題に対し、ニューロモーフィック・コンピューティングは、メモリーとコンピューティングを高度に統合し、データの移動を最小限に抑えることで、効率と速度の向上を実現します。

インテルは、この技術を研究用プロトタイプから業界最先端の商用製品へと進展させるため、世界中の200社を超えるパートナー企業と連携しています。Hala Pointの今後の展開に、世界の注目が集まっています。この革新的な進歩により、現状、持続することが難しいとされる、広範囲導入済みAIモデルの継続的な学習という問題を軽減できると考えられています。

Hala Pointの基盤を形成するLoihi 2ニューロモーフィック・プロセッサーは、イベントベースの非同期スパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)、メモリーとコンピューティングの統合、連続的に変化するスパース接続など、人間の脳に着想を得たコンピューティングの原理を取り入れて、桁違いの電力効率とパフォーマンスの向上を達成しました。ニューロン間はメモリーを介さず相互に直接通信するため、全体の電力消費は低下します。

Hala Pointは、6ラックユニットのデータセンター向けシャーシに、Intel 3プロセス・ノードで製造された1,152基のLoihi 2プロセッサーを積んだ、電子レンジほどのサイズです。140,544個を超えるニューロモーフィック・プロセシング・コアに分散された最大11億5,000万のニューロンを1,280億のシナプスで結合し、消費電力は最大でも2,600ワットに抑えられています。また、補助演算用に2,300基を超えるx86プロセッサーが組み込まれています。

Hala Pointでは、処理、メモリー、通信チャネルを1つの超並列化ファブリックに統合し、システム全体でメモリー帯域幅は毎秒16ペタバイト(PB/s)、コア間の通信帯域幅は3.5PB/s、チップ間の通信帯域幅は5TB/sに達しています。8ビットのシナプス演算は1秒間に380兆回以上、ニューロン演算は1秒間に240兆回以上処理することが可能です。

生物学にヒントを得たスパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)モデルを適用することで、このシステムはフル容量の11億5,000万ニューロンを人間の脳の20倍高速に、より低容量の際には最大200倍高速に実行することが可能です。Hala Pointは、神経科学モデリング用ではないが、そのニューロン容量はフクロウの脳やオマキザルの皮質とほぼ同等です。

詳細内容は、Intelが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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