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新素材超薄型トランジスタの革新!電子機器の未来を変える超薄型強誘電体材料 MIT(マサチューセッツ工科大学)

MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究チームが、電子機器の未来を大きく変える可能性を秘めた新しいトランジスタを開発しました。このトランジスタの基盤となるのは、2021年に同チームが発見した超薄型強誘電体材料です。この材料は、プラスとマイナスの電荷が自然に分離する特性を持ち、コンピュータメモリやその他の用途に応用可能とされています。

今回の研究では、この超薄型強誘電体材料を用いたトランジスタが驚異的な特性を示し、電子機器の性能を劇的に向上させる可能性があることが確認されました。特に注目すべき点は以下の通りです。

1.超高速スイッチング
新しいトランジスタは、デジタル情報の0と1をナノ秒(10億分の1秒)単位の超高速で切り替えることが可能です。

2.極めて高い耐久性
1000億回のスイッチング後も劣化の兆候が見られないという驚異的な耐久性を持っています。

3.超薄型構造
材料の厚さは数ナノメートル(10億分の1メートル)で、これによりより高密度なメモリストレージが可能になります。また、超薄型構造は低電圧での動作を可能にし、エネルギー効率の向上にも寄与します。

新しい強誘電体材料は、原子レベルで薄い窒化ホウ素シートを平行に積層したものであり、自然界には存在しない構造です。この構造は、電場が加えられると層の一部がわずかにスライドし、ボロンと窒素原子の位置が変わることで、電子特性が劇的に変化します。この現象により、トランジスタの劣化を引き起こさずに1000億回のスイッチングが可能となります。

また、現在のフラッシュメモリのような従来の材料では、読み書きを繰り返すと劣化が避けられませんが、新しい材料ではその必要がなくなります。

この技術が量産されるためにはまだ課題がありますが、すでに複数の研究グループが大規模生産に向けた研究を進めています。もしこれらの課題が解決されれば、この新しい強誘電体材料は将来の電子機器に多大な影響を与えることでしょう。

この研究は、アメリカ陸軍研究局、MITマイクロシステム技術研究所、サムスン半導体研究基金、アメリカ国立科学財団、ゴードン・ベティ・ムーア財団、ラモン・アレセス財団、アメリカエネルギー省基礎エネルギー科学プログラム、日本学術振興会(JSPS)、文部科学省(MEXT)などの支援を受けています。

MITの研究チームが開発したこの新しいトランジスタは、今後の電子機器の性能と効率性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。革新的な技術の発展により、未来のコンピュータやデジタルデバイスがどのように進化していくのか、大いに期待が持てます。

詳細内容は、MITが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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