【短編小説】貸切の遊園地
「お客様、おめでとうございます!お客様が当園通算1,000万人目の来場者になります!」
入場ゲートをくぐると、クラッカーの音と共に周りの従業員全員が拍手をしてコチラを見ている。ここは都心の少し外れにある遊園地、「しらぬいランド」。小さな遊園地ではないが、出来てからだいぶ経ち、周りには他にも綺麗なレジャースポットも増え、客の数はそこまで多くない。きょうは平日だし、朝9時の開園からまもない時間ということもあって、俺以外に他の客はまだ誰もいないようだった。呆気に取られている俺に、