彼への愛を語ります。相方はカナダ人
私には大好きな相方「ヒロさん」がいる。
ヒロさんとの出会いは、学生時代にアルバイトをしていたコンビニでのこと。ヒロさんはコンビニから50mくらい先にある会社で働いていました。毎日会社の仲間たちと一緒にコーヒーを買いに来てくれます。(しかも1時間おきに。きちんと仕事せんかい。)
彼の周りにいる人はいつもにニコニコしていたから、とっても景気のいい会社なんだろうなぁ~、と思っていました。(事実、とても景気のいい会社だった)
ヒロさんは、日本で働くカナダ人です。たまに英語を話しながら店内に入ってくる彼が、かっこよくて仕方がありませんでした。気になる!もっと彼を知ってみたい!
コンビニでは、毎日来てくれるお客さんには勝手にあだ名が付けられます。ヒロさんは当時「カナダ人さん」という愛称(そのままやないかい)でスタッフからもよく知られる存在でした。
大学の5年間(うち1年は中国に行っていた)で、私は恋愛をしてこなかったから、どう距離を詰めていいのか分からず、時間ばかりが過ぎていきました。(この頃、水野敬也の『運命の恋を叶えるスタンダール』を必死に読んだ)
とはいえ、大学も終わりに近いこの時期は楽しくすごしてなんぼ!と考えていた私は、時々よぎる「さみしさ」にふたをして、できるだけ明るく毎日を過ごしていました。(実際にすごく楽しかった)
大学卒業間近の2月、コンビニの卒業も迫っていたある日。
ヒロさんは、中国語で書かれた資料を手に持って私の担当するレジに並びました。
「ごめんなぁ!どうしてもこの資料の翻訳をしてほしくて!」というヒロさん。(この時、彼は私を中国人留学生だと思っていた。)色々間違えている。
ええええええええっと!ええんやけど、ちょっとまってぇ。焦る。照れる。後ろに並ぶお客さんが「はよせんかい」というプレッシャーをかけてくる。
レジを後輩ちゃんに代わってもらって、その資料の内容を確認する。
「ああ、困ってるみたいやしどうにかしてあげたい」という想いだけでなんとかその資料を翻訳をしました。
そして「助かったよ!ありがとうね!」と言い、彼は走って会社へ帰っていきました。何という嵐のような一瞬。嬉しいような、恥ずかしような。
すると翌日、再びヒロさんはコンビニへ現れました。
今度は、コーヒーを手にレジを待っています。(今日はいつも通りやな、安心したで)
「昨日は助かりました。お礼にこれ、食べてね」というヒロさん。焼き菓子のセットを買ってきてくれました。
そしてその会話をしたとき、自分でも何故かわからないけど、
“もう彼に会えなくなってしまう。”
”この会話がきっと最後になる。”
後悔したくない。と、とても強く感じて、
「私と一緒に食事にいってもらえませんか」と言った。
暫く何も言わないヒロさん。何?急に?という表情をしている。
自分の顔が、真っ赤になっていくのがわかる。
頼む、何でもいいから喋ってくれぇ…!
あ、もしかして、彼女がいたのか...?!(私はその可能性について想像をしていなかった。考えとかんかい)
んああああああああああ。もう。なんということ!
彼が次の言葉を言うまで、とても長い時間が過ぎていったように思う。
そして「いいよ!いつにしようか?」と言ってくれた。(言ってくれたというよりは、その重すぎる空気が彼にそう言わせたという方が正解)
それから、私たちは何度かのデートを重ねて、今では一緒に暮らすことができています。
とても鈍感なヒロさんです。日本の夏が苦手なヒロさんです。コーヒーが大好きなヒロさんです。どんなヒロさんも大好きです。
あの日、勇気を出してよかったなぁと思います。
一緒にいられるのが当たり前になった今、『2人の人生チャプター2』はぜひカナダで過ごしたい、なんて夢を話をしながら、
「愛を込めて淹れたよ」という、ヒロさんのコーヒーをいただきます。
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