失恋してから立ち直るまで 92日目-2

中絶したことをおもいだした

取り出しやすい大きさになるまで待ち、
頭を潰し、身体を書き出す方法。

その方法を知ったときおぞましかった。

そして、産みたいと思った。

しかし現実的にそれは難しかった。

私は殺人をしたのだと改めて認識した。

頭のないハムスターの赤ちゃん。

母親のハムスターが、弱った子を守るため食べる行為をする様子で、

そのため頭のない体をみつけた。

胸が苦しかった。

日に日に大きくなっていく他の子たちの個性をみていると、そのうちの1匹がこの世を去ったということ。

同時に、私のおなかで授かった命を頭蓋骨を潰し身体を書き出し、その子の未来を奪ったということ。

私は何をしてもこの事実を抱えて生きていかなければいけない。

それが私のこの世での修行。

華やかな世界、容姿のうつくしさ、などなにか憧れるところはあるものの、私の目の前には現実があり、ただ愚直にその現実と向き合い、ときに夢をみる、そんな生き方を勤め上げる必要がある。

苦しい日々の中で自分の気持ちを穏やかにしていくこと。

日々修行だ。




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