見出し画像

フランス語を勉強していて良かったと心から実感した

パリ滞在6日め。朝9:45発ストラスブール行き列車=TGVに乗ろうとパリ東駅に来た。今日はパリからストラスブールで乗り換えてアルザス地方のコルマールへ行く予定だ。

TGVが遅れるのはよくある話。まさか…

駅がざわついている。なにか様子がおかしい。乗客がホームに溢れかえっている。どうやらほぼ全てのホームで列車が大幅に遅れているらしい。そこまではよくある話なので仕方ないか、と電光掲示板をぼんやり眺めていた。いつまでたっても自分が乗るべき列車の番号が出ない。遅れているなら何分遅れとか、何かしらアナウンスが掲載されるはずなのに。
もしかして列車自体が運休したのか?
だんだん不安になってきた。

すると、フランス語の放送が耳に飛び込んだ。
「朝9:45発ストラスブール行きの列車は出発する駅が変更になりました。ぶらぶらぶら………北駅へ移動してください……ぶらぶらぶら」

は?今なんて言った?

出発駅が変わったって言った?言ったよね?
言った気がする。
え?
そんなことありえる?

ものすごく不安になり、駅員に聞きたくても混乱に陥った旅行者の人だかりでなかなか近づけない。そうこうしているうちに出発時間が迫って来る。急がねば。

人だかりをかき分けて
「すいません、今ストラスブール行きの列車の出発駅が変わったと聞きました。
確かでしょうか??」
「ああ、そうだ、そのとおりだ」

そんなことあるかーーー!

日本でいえば、新幹線の駅が東京駅から上野駅に変わりました、と言ってるようなもので耳を疑った。でも駅員が確信したのだから信じて別の駅に行くしかない。予定通りなら出発予定時刻はあと15分後。猛ダッシュでメトロの改札を抜け、メトロを間違えないように慎重にかつ急いで確かめて変更駅へ。

着いた変更駅のどのホームから出発するのかまったく見当がつかない。目に飛び込んだ駅員をつかまえ、「ストラスブール行きの列車のホームはどこ?」と聞くと「ここじゃないよ、東駅だ」という。
どうやらこの駅員にはまだ出発駅変更の旨が知らされていないらしい。
またまた不安になり
「そうじゃなくて、今日は出発駅が変わった、って東駅で言ってたんです!どこのホーム?!」と念押しで聞いてみた。
すると他の駅員が来て、
「ここの階段を登った何番ホームだよ!」
と教えてくれ、汗だくになりながら猛ダッシュで階段を駆け上った。

間に合ったーーー!!

列車がちょうどホームに滑り込んできた。

列車が遅れたお詫びに、と駅員がミネラルウオーター、りんごのコンポートゼリー、walker'sクッキーの詰め合わせを無料でプレゼントしてくれた。

列車は無事にストラスブールへ向けてガタゴトと出発した。だんだん車窓の風景がパリの郊外を抜けフランスの田舎町にさしかかった。遠く畑の中にポツンと十字架がそびえ立つ教会が見えた時、どんなにホッとしたことか。

汗だくの体に染み渡るオランジーナのうまいことよ

今日ほどフランス語を勉強してきてよかった、と思った日はない。出発駅を知らせる放送が聞き取れなかったら、今ごろ途方にくれて列車のチケットも無駄になっていたであろうから。

そして無事にストラスブールで乗り換えて目的地であるコルマールに着いた。はーよかった。旅は何が起こるかわからない。これだから旅はやめられない。

#海外旅行 #フランス #列車 #エッセイ #旅日記 #ひとり旅 #出張

▼フランスの輸入菓子はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?