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相手の立場になって考える方法

「『究極理解』とは?」の記事でも記載しましたが、「相手の立場になって考える」ことは、相手を理解するために非常に重要な要素です。では、どうしたら相手の立場で考えることが出来るのでしょうか。

事実をありのまま見ていない?!

Neuro Linguistic Programming (NLP, 神経言語プログラミング)というものをご存知でしょうか。NLPは別名「脳と心の取扱説明書」と呼ばれるものです。元々は欧米を中心にセラピー(心理療法)の分野で急速に広まったものですが、最近ではいろんな分野に活用されています。「プログラミング」と聞くと、パソコン等でソフトを作成する際に使用するものをイメージされると思います。NLPにおけるプログラミングとは、生まれてから今に至るまでたくさんの経験や体験から様々な意味付けを行い、その経験や体験に基づいて、考え方や生き方、反応の仕方に一定の傾向やパターンができることを言います。

そして、この傾向やパターンが、物事を見る際の「フィルター」に影響を及ぼします。NLPにおけるフィルターとは、その人が持つ価値観や信念のことを言います。人間は自らの体験に関してフィルターを通して解釈するものであり、必ずしも現実のものに即しているとは限りません。つまり、自分が見ているものは自分の「思い込み」を通してみており、「ありのまま」の姿を見ていないのです。この概念を理解することは、相手の立場になって考える上で非常に重要です。

自分を消すとは?

私達はフィルターを通して物事を見ていて、ありのままを見ていないことが分かったところで、相手の立場になって考えるとはどういうことか考えてみましょう。

フィルターは、自分の価値観や信念に基づいて作られているものですので、このフィルターを通して物事を見ているうちは、自分の価値観や信念から離れることが出来ません。ですので、このフィルターを違うものに変えない限り見方が変わらず、相手の立場になって考えることもできません。しかし、フィルターは自分が今まで生きてきた経験や体験に基づいているものですから、フィルターを変えることはそう簡単ではありません。

そこで「自分を消す」ことに集中します。まずは、自分を横に置いておいて、相手がやっていること、話していることに集中し、相手に「共感」します。否定や肯定はせず、ただただ「そうだね」という気持ちで話を聴きます。これを繰り返していると、相手は聴いてもらえていると実感するので相手からの信頼が増します。そうすると、相手が自分の気持ちをよりさらけ出すので、相手の気持ちがどんどん理解できます。ポイントは否定も肯定もしないこと、これが非常に重要です。

共感の先にあるもの

共感すると、相手が何を考えていて、どういうところに悩みや不満を持っているのか、だんだん分かってきます。この状況になってくると、相手の立場になって考えることが可能になってきます。そこで、何かしらのアドバイスをすることになりますが、アドバイスは自分のフィルターを通したものになりがちであることに注意ください。せっかく共感して相手の立場になって考えられたのに、アドバイスが自分の経験や体験に基づいたものだと、相手に響かない可能性が高いです。

ですので、オススメは「相手が自発的に気がつくようなコメントをする」です。「〇〇さんはどうなったらいいと思う?」のような相手が答えをみつけられるように誘導する形が良いと思います。そうすることで、相手は「押し付けられた」と感じることなく、次のステップに進んでいくことが可能です。

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