どうしてITスタートアップ出身のぼくが、オーダーメイド結婚指輪サービスをはじめたのか
はじめまして。
たくみ(@tkp0520)と言います。
今週「memoring」というデザイナーとつくるフルオーダーメイド結婚指輪のサービスをリリースしました。
ぼくのことを知ってる人たちは「え?なんでたくみ結婚指輪のサービスやってるの?」と、思っているでしょう。
そして、そもそもぼくのことを知らない人は「誰だろ?この人?」ってなってると思います。
今回はサービスリリースの背景について備忘録も兼ねてnoteに残せればと考えています。
ぼくのキャリアについて
まずは、これまでのぼくのキャリアを簡単にご紹介させていただきます。
学生時代には某人材系企業のフィリピン・マニラ営業所で営業インターンをしていました。テレアポ、飛び込みと営業の基礎を叩き込んでもらい、帰国後メタップスというITベンチャーに新卒で入社しました。
メタップスではアプリマーケティング事業に従事し、その後17Liveの日本支社の立ち上げに参加させていただきました。
1年間17Liveのグロースを行ったあとには、エンゲートとというスポーツテック企業で事業の立ち上げをさせていただき、2019年4月から独立して仕事をしています。
これまではITスタートアップ、それもどちらかというとかなりキラキラしたスタートアップで仕事をしてきました。
どこかで独立したいなぁ、と考えていたので今年のタイミングから「えいや!」と独立いたしました。
※キャリアの話は長くなるので別エントリーでもお話ができればと考えています。
結婚指輪を探し出して感じた違和感
そんなITスタートアッパーなぼくでしたが、昨年2018年7月に嫁ちゃんにプロポーズをし、見事結婚することができました🎉
結婚を考え出したタイミングから結婚指輪をインターネットで探し始めました。
「結婚指輪 おすすめ」などで探したまとめサイトを見た結果、どうやらハリーウィンストン、カルティエなどが人気だと知りました(女性のみなさん、男性はこの辺のことが全然わからないのです・・・)
「なるほど、こういうブランドが人気なのか!じゃ、そのへんブランド見てみよう!」と、それぞれのWebサイトを見てました。
それらのサイトはラグジュアリーでかっこよく、オシャレでした。
「へー、いいじゃん」って思いながらサイトの中をどんどん見ていきましたが、途中でなにか違和感が。
「あれ?かっこいいしオシャレなんだけど、なんかあまり心に刺さってこないなぁ」
そう思いながらそのときはサイトを見るのをやめました。
ぼくにとって既存のブランドが物足りなかった理由
そのときの違和感を言語化してみるとこんな感じ。
「ブランドが提供する結婚指輪の主語がブランドになっている」
これにつきると思いました。
どういうことかいうと・・・
「私達は100年続く歴史があるブランドです(だからこれを身に着けているあたなも素晴らしい)」
「こんなにいい金属を私達は使用しています(だからこれを身に着けているあなたは素晴らしい)」
「このダイヤモンドは素晴らしい純度です(だからこれを身に着けているあなたは素晴らしい)」
見れば見るほどブランドを中心に置いて、「このブランドは素晴らしい!」→「だからこのブランドを身に着けているあなたも素晴らしい」というロジックが見えてしまいました。
結局ぼくがほしいと思っている結婚指輪を見つけることはできませんでした(もちろん金銭的にそうしたハイブランドに手が届かない!というのもありました!笑)。
ジュエリーデザイナーとの出会い
そんな中ジュエリーデザイナーの藤島くんと出会いました。
藤島くんは個人で活躍しているデザイナーさんでフルオーダーメイドで結婚指輪をつくっていました。
それまでオーダーメイドで結婚指輪を作れることも知らず、藤島くんのお話は大変勉強になりました。
そして、藤島くんがオーダーメイドで結婚指輪を制作する価格を聞き驚きました。
「え、そんな値段でオーダーメイドで結婚指輪つくれるの?」って思わず聞き返してしまいました。
藤島くんの指輪への思いを聞き「あぁ、ぼくが求めていたのはこういう結婚指輪なんだ」と確信しました。
その後奥さんも交えて藤島くんと話しながら結婚指輪のコンセプトを考え、実際にデッサンを描いてもらいました。
こうして、ぼくたち夫婦の結婚指輪は完成しました。
結婚指輪をオーダーメイドでデザイナーさんと相談しながらつくる中で感じたのは、結婚指輪という「モノ」をつくっているが、この「つくるプロセス」自体に価値がある、そう考えるようになりました。
この体験がmemoringをはじめようと思った第一歩です。
ジュエリーデザイナーが抱える課題
藤島くんと話す中で驚いたことがいくつもありました。
・ジュエリーデザイナーの専門学校があること
・毎年その専門学校を卒業する生徒さんがたくさんいること
・卒業後、実際に指輪をつくる職につく生徒さんが少ないこと
そうした課題があるとは全然知りませんでした。
若くして結婚する人たちの課題
若くして結婚を検討しているカップルも課題を抱えています。
・若いタイミングでの結婚だと金銭的な理由でほしい結婚指輪を諦める
・妥協したデザインで結婚指輪を購入する
・ブランドへの共感ができなくなっている
若いタイミングだと、給料がまだ上がっていません。
このタイミングにベストな結婚指輪を購入することが難しい、という話を周りから聞くことが多くありました(ぼくも辛かったです)。
また、ぼくたちの世代は正直ブランドものへの憧れを失っている世代です。
そうした「ブランド」への憧れを持たないぼくたちが選べる結婚指輪ブランドは意外と少ないのが実情です。
memoringで実現したいこと
そうした「デザイナーの抱える課題」と「結婚を考えているカップルの抱える課題」をマッチングすることに非常に価値があると感じました。
memoringでは優秀なデザイナーとオーダーメイドの結婚指輪をつくりたいカップルのマッチングをおこなっていきます。
これからのブランド
ちょっと蛇足になるかもしれませんが、これからの世代のブランドへの価値観は大き変化していくと考えています。
これまではブランドに自己を投影することでアイデンティティの強化を行っていましたが、これからはブランドに自分自身も参加することでアイデンティティをつくりあげていきます。
記号が記号としての価値を持たず、記号をつくるところからユーザーが参加するとも言えるかもしれません。
どんな名シェフがつくった料理よりも、嫁ちゃんがつくった料理に喜びを感じるように。
どんな名作の絵画よりも、子どもが「パパ」の絵を描いて持ってきてくれるほうが嬉しいように。
そのように記号がうまれる場所がどんどん変わっていくのだと思います。
memoringではそうした「自分たちで考えてつくる」という体験そのものを楽しんでもらえたらと考えています。
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