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Beauty of Helvetica/ヘルベチカの美しさに今更ながら感動したお話

こんにちは。
WebデザイナーのTikoです。

今日は、フォントのお話。
その中でも王道中の王道フォント、Helveticaについて。

Helveticaの難しさ

Helveticaって、難しい。
被らないように避けちゃったり、安易だと思われるかなとやめてしまったりすること、多いと思うのです。

実際に私も、その傾向がありました。(おそらくいまだにある。)

フォントを選ぶとき、いつも自分の中では理由があり、理論があります。
ただ、この汎用性の高いフォントは、有名なブランドや企業でもよく使われているので、オリジナリティを持たせるには、きちんとした理論と、しかるべきデザイニングが必要だなと感じています。

それがHelveticaが選ばれる理由でもあり、避けられる理由なのかなと思っています。

でも、最近、やっぱり、この文句なしの原点的な美しさは、Helveticaだけ!!と感動したので、今日はそれについて書こうと思います。

フォントが主役のデザインだからこそのHelvetica

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こちらのデザインは今夏、沖縄で開催されるイベントのフライヤー。
(Nullっていうタイトルもミニマルですき)

今回のメインは、ブラックのHelvetica Boldの存在感だから、どこまでも引き算して、引き算して、配色と質感を大切にしたグラデーションとともにシンプルに仕上げました。

ただ並べただけでは、もったりとしがちなHelvetica Bold。
デザインと同じくらい時間をかけたカーニング作業。
ちょっとした文字間とフォントサイズでかなり印象が変わってくるので、大切な作業です。

シンプルなデザインにしっかりとした存在感とミニマリズムを同時に与えてくれるのは、Helveticaのなせる技だと、制作しながら感動してしまいました。涙

個人的にはHelveticaの小文字のaが魅力的で、この文字が入っている単語こそ、Helveticaの愛嬌のようなものを表現しやすいなと感じています。


Helveticaが使われているロゴ

私が最初に好きになったHelveticaといえば、Trainspottingのオレンジの背景に白字で書かれたこのロゴ。

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今見ると思ったよりも、カーニングが詰められていなかったことに気づきます。

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こちらはT2というリバイバル版で、オリジナルよりかなり詰められていますね。個人的にはこのくらい詰めている方が好きです。

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ちょうど同じ頃、よく着ていたUNDER COVERもHelveticaで、飾り気がないのに存在感のあるタグが好きでした。

他にも、THE NORTH FACE、FlancFlanc、evianやBMW、MUJIなどにも使われています。
カーニングやウエイトによって表情が変わる、愛されるフォントだなということがわかります。

Helveticaの起源は60年以上前

ヘルベチカ (Helvetica) は、1957年にスイス人タイプフェイスデザイナーのマックス・ミーディンガー(英語版) (Max Miedinger) とエドゥアルト・ホフマン (Eduard Hoffmann) が発表したサンセリフのローマ字書体。簡素で落ち着いた書体でありながら説得力に富む力強さが特長で、用途を選ばない幅広い汎用性がある。現在最も使用される書体の一つとなっているほか、出版や広告の業界では必要不可欠な書体として知られる。

「ヘルベチカ」の名称は、ラテン語で「スイス」を意味するHelvetia(ヘルウェティア / ヘルヴェティア)の形容詞形であるHelvetica(ヘルウェティカ / ヘルヴェティカ)に由来する。つまり、ヘルベチカとは「スイスの」を意味する語である。

(Wikipediaより引用)

新しい書体がたくさん発表されている中でも、ずっとスタンダードであり続けているHelvetica。
改めて見直すきっかけとなりました。

オリジナリティがあるのか、安易であるのかは、そこにストーリーや想いがあるかないかだと思います。
「とりあえずこれでいいか」と逃げで使うのではなく、理由や信念をもって、これからも積極的に使っていきたいフォントだと思いました。


では心地よいデザインとともにある、心地よい1日をお過ごしください。




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