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詩-曲輪式オルフェ-

あの桜の開いた大きな御苑に
『をれ』は
あの人を連れていった

光 光
いつぞやに撮る約束をし
果たせなかった青山の聖母様は形を変えてここへきたのだろう

メイリアメイリア
その全てが曲輪式(くるわしき)

メイリアメイリア
生き様をこっそり捉えてやる

メイリアメイリア
いつか俺にやらしておくれ

この世で一番作り物の刹那を写してやる

メイリアメイリア
あの光景は
メイリアメイリア
お前のことだよ
メイリアメイリア

また膝の上に乗り込んでおくれよ

メイリアメイリア
メイリアメイリア

メイリアメイリア
そのくたびれた線と底なしの身体

メイリアメイリア
お前に必要なのはなんだい 

メイリアメイリア
撮らせておくれよ光の束を

メイリアメイリア

こそこそとしていろ
メイリアメイリア

この世で一番刹那の時を写してやる
lllll

うつくしぃよぉ
なんでそんなに美しいんだよぉ
眩しすぎて見えないよぉ
抱きしめようとするとふいに消えてしまうんだよぉ
ぐってぐってしたってすかってなっちまう

あー
せめぎあいの果ての曲輪式踊り子は素面のまんまに黒いオルフェを殺し抱きしめにやってくるんだ

架空詩集-守銭奴の演目-より

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