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Google UXデザインプロフェッショナル認定 全7コースを修了した感想

Courseraで提供されている、Google UXデザインプロフェッショナル認定(Google UX Design Professional Certificate)の全7コースを修了し認定を受けましたので、受講を始める前から認定されるまでを振り返りたいと思います。


コースの概要

Google UXデザインプロフェッショナル認定は、Googleが提供するUXデザインの基礎を学べる専門資格で、Couseraというオンライン教育サービス上で提供されているため、仕事をしながらでも空き時間に受講することができます。

認定を受けるためのコースは7種類

ユーザーの事を知ることから始まり、画面の設計やインターフェースのデザイン、ユーザービリティテストなど、UXデザインには様々な業務があります。これらを学ぶための7種類のコースが用意されています。

  1. ユーザー エクスペリエンス (UX) デザインの基礎

  2. UX デザイン プロセスを開始する: 共感、定義、アイデアを作成する

  3. ワイヤーフレームと忠実度の低いプロトタイプを構築する

  4. UX リサーチを実施し、初期コンセプトをテストする

  5. Figma で忠実度の高いデザインとプロトタイプを作成

  6. Adobe XD のレスポンシブ Web デザイン

  7. 社会的利益を考慮したデザインと雇用の準備

すべてのコースを通して課題が存在し、最後にそれらを集めてポートフォリオを作成します。就職に向けた準備も含めてUXデザインプロフェッショナル認定となります。

認定までに必要な時間

週に10時間の学習時間で、約6ヶ月でプログラムを完了できるとアナウンスされています。各学習項目に設定されている目安の時間は、多めに見積もられているので、実際には6ヶ月より早く修了できるのではないかと思います。

受講に必要な料金

料金は月額約5,000円でしたが、為替の影響により数百円の価格変動がありました。最新の料金は公式ページでご確認ください。6ヶ月間の受講を想定すると、約30,000円で認定を受けることができます。


なぜ受講したのか

私は既にUXデザイナーとして働いていましたが、案件を進める中で新しい知識や技術を学ぶ機会というのは多くありませんでした。既存のスキルの練度が上がっていくようなイメージです。成長やキャリアアップの為にも、未習得のスキルを学びたいという気持ちや、欠けているスキルを補完したいという思いは常にありました。

学びたいことを決めるって難しい

学びたい知識や技術はたくさんあり、Xを眺めているだけで「これやってみたい!」と思うような投稿がよくあります。学びたいことが無数にあるせいで何からすればいいのかわからないという状況でした。

モチベーションを保つのも難しい

仕事後の勉強時間は限られており、忙しい日には学習の時間を確保するのが難しいこともあります。短時間で何を学ぶかを決め、勉強を始めるのは大変です。毎日新しい興味が増える中、勉強を自身の納得感だけで進めるのは、モチベーションの維持が難しいと感じていました。

検定を受けることを目的とした学習

検定には必要な知識やスキルが定義されており、検定の取得という明確な目的があります。学ぶことを決める事に困っていて、モチベーションを維持したい私にとってピッタリだと、UX分野の検定を探し始めたところ、『Google UXデザインプロフェッショナル認定』を見つけました。リモート受講が可能で、料金もお手頃。何よりGoogleが提供するUXの基礎教育に興味がありました。


どのように受講したか

早速Couseraに登録して受講を開始しました。登録して1週間は無料なので、気軽に始めることができました。

コースは週ごとに内容が区分けされ、4週から6週で1つのコースが完結します。できない日があっても1週間単位で遅れないように進めることが目標でした。

序盤はクイズの課題が多かったのですが、次第に「相互採点課題」という資料作成の課題が増加。まとまった時間が必要なため、休日を中心に取り組むようになりました。課題が未完了でも次のコースを開始できるため、平日は課題を一時保留し、新しいコースの講義を受けるという取り組み方へと落ち着きました。


得られた知識や技術

7種のコースを修了して得られるものは、以下のような知識と技術です。

  • 共感マップ、ペルソナ、ユーザージャーニーマップ等を用いたユーザーニーズの理解

  • ユーザーの課題や問題点の特定

  • クレイジーエイト、How Might We、競合他社調査などを活用したデザインアイデアの生成

  • ワイヤーフレームやプロトタイプの制作(Adobe XD, Figma)

  • デザイン要素や原則を活かしたモックアップの作成

  • デザインプロセス全体でのアクセシビリティの考慮

  • ユーザーインタビューやユーザビリティスタディを通じたインサイトの収集

  • ユーザーテストの計画と実施によるUXの改善

UXデザインの全体を把握できる

UXデザイナーとしての基本的な業務内容を網羅的に学ぶことができます。自分で設定したプロジェクトを中心に学習が進められるため、実際の業務に近い体験が得られます。ただし内容は必要最低限なレベルに留まるため、より専門的な技術は自身で磨き上げる必要があります。(特にFigmaやXDの使い方など)

業界について知ることができる

このプログラムは就職を目指す人向けに設計されているため、業界に関する知識も知ることができます。大手企業に属するスペシャリスト的なデザイナーやスタートアップに属するゼネラリスト的なデザイナー、I型やT型といったデザイナーの特性についても学べます。UXデザインの具体的な業務だけでなく、これらの幅広い知識を得ることができる点は、UXデザイナーを志す人々にとっては有益だと思いました。


受講した感想

UXデザインの技量を示す認定ではない

この認定のコースでは、UXデザイナーに必要なスキルを学べますが、それを使いこなせるかどうかまでは見てもらえません。

理想を絵にするだけなら簡単でも、実際の業務では様々な制約のもとに設計が必要なのがUXデザインなので、この認定だけで技量の証明とすることは難しいと感じました。

認定を受けるだけでは不十分

実務経験のある受講者として、相互採点課題を採点する上で、業務では使えそうにない成果物も見られたので、誰しもがこの認定を受けて即UXデザイナーとして活躍できるという訳ではなさそうです。

ただし、UXデザイナーを目指す人にとって、この認定は確実に価値ある知識を提供してくれます。この認定を通じてUXデザインの全体像を掴めば、業務のキャッチアップもスムーズに行え、より自信を持って仕事に取り組むことができると思います。

最後まで続ける熱量が必要

いざ受講を始めるとなると、数ヶ月以上にわたる継続的な学習が必要です。基礎的な内容であっても、学ぶべき項目は多岐にわたります。加えて、課題制作は仮想のプロジェクトとはいえ、実際の業務を模倣したものとなっており、仕事の後にまた仕事をするような感覚になるかもしれません。ユーザーインタビューの実施やその結果の分析など、単に動画やテキストを閲覧するだけの学習だけではない事も把握しておく必要があります。

特に未経験者の場合、理解するのが難しそうだなという項目もありました。そのため、このコースを最後まで継続するためには、UXデザインへの興味や熱量が必要だと感じました。1週間の無料受講期間があるので、教材の内容やクイズ課題、相互採点課題の流れを確認してみることをおすすめします。

個人的な感想

私のこれまでの業務経験と重複する部分も多かったのですが、Googleが提供するUXデザインの流れを網羅的に学ぶことで、実務で経験のない知識を得ることもできましたし、感覚的に行っていたことをより理論的に捉えることができたような実感があります。今後は「Google UX Professional 」という素敵な肩書きで仕事していこうと思います(笑)

ご覧いただきありがとうございました🐶


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