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がんや慢性疾患の倦怠感をケアするために

みなさんどうも!HAMTライブラリ緩和ケア担当のいなとらこと古田です。
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この連載では【鍼灸師が知っておきたい緩和ケア】についてお伝えしています。

この記事では緩和ケアで遭遇する”倦怠感”について鍼灸師として知っておきたいことを解説します。
前回の記事では、”がんの痛み”に鍼灸師ができることをまとめています。まだご覧になっていない方はぜひコチラからお読みください🔽

倦怠感ってなに?

読者のみなさんも、生きていて「だるい」「しんどい」「きつい」など感じることはありますよね?私もよくあります。
どんな人でも倦怠感を感じることはありますが、病的なものとそうでないものを分けて考えておく必要があります。まずはそこから確認してみましょう。

参考文献 1 より

健常者における倦怠感は原因となった活動がはっきりしていて(仕事が忙しかった、肉体労働があった など)、休めば回復する一時的なものです。
しかし、がんやがん治療に伴うがん関連倦怠感、もしくは慢性疾患に伴う倦怠感は持続的で日常生活に支障をきたします。
また、特に器質的な疾患がなく疲労感が持続してしまう慢性疲労症候群も似たような特徴があります。

【用語解説】
・がん関連倦怠感
 がんやがん治療に関係した、最近の活動とは不釣り合いな日常生活を妨げるような苦痛を伴う持続性の疲労感覚のこと。
・慢性疲労症候群
 原因不明の強い疲労感が少なくとも6ヶ月以上持続し、その疲労感によって社会生活に支障をきたす疾患。

今回は緩和ケア領域で遭遇する、がん関連倦怠感と慢性疾患に伴う倦怠感について整理していきましょう!

よくある症状がゆえに軽くみられがちな「だるさ」

倦怠感は頻度が高い症状です。
進行がん患者さんでは約30%~90%、緩和ケア領域では約50~100%ほど認められるとの報告があります。また、心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腎不全の患者さんにおいても約80%に認められるとわれています。

このように”倦怠感”はよくある症状がゆえに軽くみられてしまう傾向にあります。
医療者側からすると「倦怠感があるのが当たり前で治療の優先順位が低い」と捉えられたり、問診の際に倦怠感があっても患者さんが否定してしまう結果、見過ごされる場合があります。

患者さん側からすると「病気なんだからだるいのは当然のことだ」とか「だるさが強いと治療が続けられないかも…」などの感情によって症状が隠れてしまうことが考えられます。
また、単純に問いかけを理解できていない場合もあるため、問診にも工夫が必要です。

「疲れやすいことはないですか?」
「やる気が出ないとか、おっくうに感じることはないですか?」 
「横になっていたいと感じますか?」

というように、具体的な質問をしてみると隠れていた症状が見えてくることがあります。

地域によってかわる表現

”倦怠感”については地域によって表現が変わることがあるため、その点も注目しておきましょう。
自分の地元以外で仕事をしている方は土着の表現について知ることが大切ですね。

私は長野出身で「だるい」「つかれる」などに馴染みがありましたが、京都に来ると「しんどい」「えらい」と言う方が多い印象でした。
さらに福島県にいるときは「こわい」と言う方が多く、はじめは意味がわからず戸惑った記憶があります。また、九州地方出身の知人は「きつい」と表現する事が多いですね。

がん関連倦怠感の分類

では病的ながん関連倦怠感についてみていきましょう。

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