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がんの痛みにできること ~標準治療の理解と鍼灸の活用~

みなさんどうも!HAMTライブラリ緩和ケア担当のいなとらこと古田です。
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この連載では【鍼灸師が知っておきたい緩和ケア】についてお伝えしています。

この記事では緩和ケアでは避けては通れない”がんの痛みの治療”について鍼灸師として知っておきたいことを解説します。
前回の記事では、鍼灸師が”がんの痛み”について知っておきたいことを概説しました。まだご覧になっていない方はぜひコチラからお読みください。

がんの痛みの標準治療はどんなもの?

皆さんは”標準治療”とはなにかご存知でしょうか?

標準治療とは…
科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもある。

がん情報サービス がんに関する用語集 より引用抜粋
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/index.html#anchor6

がんの標準治療は大きく3つに分けられます。
1.手術
2.放射線治療
3.抗がん剤治療

また近年では”緩和ケア”を加えた4つの治療をがんの標準治療としている意見もあります。
緩和ケアは”生命を脅かす病気”になったときから開始されるのが理想とされているため、私はその意見に大賛成です。

今回はその”緩和ケア”の中でも重要な”がんの痛みの治療法”について学んでいきましょう。

がんの痛み:薬物療法のキホン

薬物療法は、がんの痛みに対する治療の大黒柱です!
まずは、WHOが提唱するがんの痛みの薬物療法4原則についておさえましょう。

がんの痛みの薬物療法4原則

1.経口投与を基本に
口から内服することが基本となっています。しかし、現場では鎮痛薬の貼付剤や持続皮下注射、静脈内注射を導入している人がいると思います。患者さんにとって適切な方法が選択されています。どんな方法が採用されているのかチェックするようにしましょう。

☆ワンポイントアドバイス☆
オピオイドの貼付剤(フェンタニル経皮吸収型製剤)は温めると吸収量が増加して過剰投与の状態になる危険があります。
温灸や温罨法の際には注意が必要です!

2.時刻を決めて
決められた時刻に投与することは効果的に鎮痛したり、効果を評価する点で重要です。
時間通り投与されているのか、痛みの増強はないのかについて訪問時にチェックすることが大切です。

3.患者ごとに適量を決める
患者さんが納得するレベルまでが”適切な投与量”とされています。
これは痛みの種類や場所などを注意深く評価した上で決定されます。
以前は「3段階除痛ラダー」といって段階的に薬を増やしていく方法が推奨されていましたが、2018年のWHOガイドライン改訂により削除されました。より個々の状態に合わせて処方されることが推奨されてきています。

4.細かい配慮を
鎮痛薬を使用している上で苦痛はないか注意することが大切です。そのために、患者さんや家族にも薬の特徴や副作用について理解してもらうことが重要とされています。
鍼灸師も使用されている薬の特徴や副作用を把握した上で、困っていることはないか注意を払うことが大切な役割だと考えています。もし何かあるときは主治医や看護師に報告できる体制を整えておきましょう。

オピオイド鎮痛薬について

がん疼痛の薬物療法について知る上では”オピオイド鎮痛薬”の知識は欠かせません!
…が、鍼灸師の私がこの場で解説するのは不適切だと思います。
そこで、おすすめのnote記事と書籍、HPのリンクを貼っておきます!
これらはどれもわかりやすくまとまっていて勉強になります。
ぜひ目を通してみてください。

…と、さすがになにも書かないのも申し訳ないので、
オピオイドの限界について、鍼灸師目線でふれておきたいと思います。

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