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よりよいケアのファーストステップ!~がんの痛みで知っておきたいこと~
みなさんどうも!HAMTライブラリ緩和ケア担当のいなとらこと古田です。
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この連載では【鍼灸師が知っておきたい緩和ケア】についてお伝えしています。
この記事では緩和ケアの根幹である「症状緩和」に関わるためのファーストステップをお伝えしていければと思います。
鍼灸師として知っておきたいことや鍼灸師だからこそできることについても併せてお伝えしていきます。
今回は症状ケアの中核となる”がんの痛み”について学んでいきましょう!
痛みについては鍼灸師として広く知っておく必要があります。しかし、”痛み”と一言でいっても広すぎる領域ですよね。
以前の記事では”痛み”に関連する”苦しみ”についてまとめました。
こちらではトータルペインについて言及していますが、今回はその中でも主に「身体的苦痛」に該当する”痛み”について、さらには”がんの痛み”に注目してまとめていきます。
では、いま一度 ”痛み” について定義を確認しておきましょう。
【痛みの定義】
実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験。
[付記]
・痛みは常に個人的な経験であり、生物学的、心理的、社会的要因によって様々な程度で影響を受けます。
・痛みと侵害受容は異なる現象です。 感覚ニューロンの活動だけから痛みの存在を推測することはできません。
・個人は人生での経験を通じて、痛みの概念を学びます。
・痛みを経験しているという人の訴えは重んじられるべきです。
・痛みは,通常,適応的な役割を果たしますが,その一方で,身体機能や社会的および心理的な健康に悪影響を及ぼすこともあります。
・言葉による表出は、痛みを表すいくつかの行動の1つにすぎません。コミュニケーションが不可能であることは,ヒトあるいはヒト以外の動物が痛みを経験している可能性を否定するものではありません。
(改定版「痛みの定義:IASP」の意義とその日本語訳について.日本疼痛学会理事会.)
今回は緩和ケアのなかで避けては通れない”がんの痛み”にフォーカスします。
がんの痛みとは
がんによる痛みを一言で表現するのは非常に困難です。
”がん”と一言でいっても様々な病態があります。そのため、痛みの原因やパターンが様々なのです。
がん患者さん全体でみると、痛みの有症率は約5割程度であるといわれています。進行していたり転移している場合は6割以上の方が痛みを感じていて、治療によって治癒した方であっても4割弱の方が痛みを感じているというデータがあります。そして、痛みを感じている方の3割強が中程度以上(NRS:Numerical Rating Scale で5以上)の痛みがあるといわれています。
このデータの背景には、痛みに対する適切な治療(オピオイドの適正使用など)がいまだに不十分である点や、がん治療の進歩にともなう高齢化や併存疾患の多様化などが要因ではないかとされています。2.3)
がんを患っている方のおよそ半数が痛みを感じていることから”がんの痛み”の緩和は重大なテーマの1つなのです。
上記した定義をみてもわかるように、痛みは生物学的、心理的、社会的要因によって影響を受けます。”がん”という疾患の特徴から考えても、がんの患者さんが抱える問題には、痛みに悪影響をおよぼすものが多いことが想像できます。
それでは、がんの痛みについてかんたんに整理していきましょう。
病態による分類
まずは病態による分類をみてみましょう。
障害が起きている部位によって、大きく3つに分類できます。
![](https://assets.st-note.com/img/1647417657761-bNHSwpe4cX.jpg?width=800)
原因による分類
次に原因による分類をみてみていきましょう。
こちらも大きく3つに分類できます。
![](https://assets.st-note.com/img/1647413185446-uUkF3Dj90F.jpg?width=800)
分類や特徴は上記のとおりですが、鍼灸師として気をつけておきたいポイントを抑えていきましょう。
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