見出し画像

これからの「カラー社会」 ~多様性ある世の中での働き方 ~

日本社会において『仕事』に対する価値観が大きく変化して中、どういったキャリア観を持って人生を設計していくか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

コロナウイルスが経済に深刻な影響を与える中、企業は競争を勝ち抜くためにも、生産性および創造性を高める源泉である『多様性(ダイバーシティ)』を無視できなくなってくるでしょう。ただし、ここでいう『多様性』は、単純に年齢や性別、国籍が違っているということではなく、集団において役職で表すことができない様々な役割が必要とされることを意味するかもしれません。

そういった前提に立ったとき、今までの社会を「数字社会」、コロナショック以降の社会を「カラー社会」というように表して、それぞれの社会における働き方の価値観について考えてみました。 

数字社会・・・今までの社会、価値観   

画像1

今までの社会は、仕事の結果というものは目に見える【数字】において評価される『数字社会』といえるかもしれません。

どれだけ売り上げを伸ばしたか?どれくらい効率化を行ったか?等の分かりやすく目に見える数字を出すこと自体が目的の社会です。だからこそ、その数字が社会に対して「どのような意義や意味を持つのか?」ということはなおざりにされやすく、組織の構成員もそのような『仕事の意義』は考えなくてもすみました。

そういった数字社会において、仕事の重要性は【数字】の大小で判断されます。

「100の結果を出せ」という最終的には数値化できる仕事を振られ、自分の持っている能力=数字を使ってそのタスクを達成することが仕事の目的となります。 そういった状況下では、10の能力よりも20の能力を持っている人が重宝されますし、仕事における『成長』とは自分の持っている【数字】を大きくすることを意味するようになるでしょう。イメージとしては、ゲームにおいてレベルアップするとパラメータが上昇することに似ているかもしれません。

この数字社会は言い換えれば、小さな数字しか持っていない人(能力が低い人)は、存在価値が低いと見なされる社会です。つまり、社会に求められるのは、与えられたタスクに対して、大きな数字を持ってこれる人ということになるでしょう。

課長や部長といった役職も、他の人よりも【数字】が大きい(実質的にそうなのかどうかはさておき)ということを表しており、数字の大小で構造上もしくは意識上で明確な優劣が付いているのがこの数字社会です。

カラー社会・・・これからの社会、価値観

画像2

ではこれからの社会はどうなるのでしょうか? それは数字社会で置き去りにされてきた、仕事の意義や意味が問われる社会になると考えられます。

つまり、仕事が社会にどう貢献していて、自分の仕事は所属する集団(会社など)にどう働きかけているのだろうか?ということが問われる社会です。

そうしたとき、仕事の結果や成果は【数字】ではなく、持っている価値観を表現できたか?に基づいて善し悪しが判断されるようになるでしょう。それを【カラー】と表してみたいと思います。

そういった【カラー】が重要視される世の中においては、仕事の目標というものは『オレンジ色』というように抽象的に設定されるかもしれません。これはもう少しかみ砕いて表現すれば、「太陽のようなオレンジ色を仕事で作り出し、社会に元気を与える」というようなゴールが作られるイメージです。

画像3

そうすると、このカラー社会においては自分の持っている【数字】の大小は大した問題ではなく、自分自身がどういう【カラー】(価値観・思想)を持っているかということが問われるようになるでしょう。

カラー社会の中で求められる人材の人物像はどうなるでしょうか?
それは、自分のカラーを十分に理解し、自らにあったカラーの仕事を選び、自分に足りないカラーの人と協力してゴールを目指せる能力を持つ人だといえるのではないでしょうか。 

そういった自分のカラーを活かす行動は、まさに絵画を描くことに例えられるかもしれません。つまり、オレンジの仕事を作り出したい時に、自分自身がイエローのカラーを持っていれば、レッドのカラーを持つ人と混色=協力して、目的の色を作り出すイメージです。

画像4

では最後に、このカラー社会において『成長』、つまるところ『キャリア設計』とはどういう行動を意味するのでしょう?

それは数字社会とは全く違うものになるでしょう。つまり、カラー社会においては、能力を高める(=数字を大きくする)ことだけでは片手落ちになるということです。そういった能力開発以上に、自己理解・他者理解の能力というものが、重宝される世の中になるはずです。

自分のカラーを理解し、他者のカラーを理解する。
そして社会に求められている課題を解決する価値観を提供できる。

こうした自分だけの絵を描く人材になることが『成長』の最終的な目的になるでしょう。ありていな言葉で表現すれば、それは人生の視座が高まっていくこととも言えるかもしれません。

ただ、各々の人が成長した後の最終地点では「自分にしかできない仕事は何かを知る」という世の中であり、働く人みんなが幸せを感じれる社会になっていると考えます。

そういった社会、素敵ではないでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?