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君が恋をしたなら vol.18「ユウタんち」

ユ『とりあえず俺んち行って、俺の服着ればいいだろ?』

私『うん(うるうる)』

け『俺お前のサイズで入るかな?』

後ろをついてきているマルオたちにもそのことを連絡する。

ま『俺ら車とめるとこないから、駅前で待ってるわ』

かくしてケンジと三人、ユウタのアパートへ向かったのだった。

アパートは木造二階建ての二階だった。

ユ『ただいまぁ』

ドアを開けるとまず台所。意外にきれいにしている。

もう一つドアをあけると、ユウタそっくりな少年が。

『…どうも。』

というと、隣の部屋に入っていった。

やったぁ、ユウタ様の弟とも遭遇。あとはご両親のみ…。感極まれり…!!

ユウタはバスタオルを二枚持ってきた。

ユ『あー、俺らは塩水あびたから、シャワー、使うか』

そういって浴室へ案内された。

ユウタのにおいがする。

ユ『先に入って。』

私が先に入ることに。

浴室は小さなユニットバスだった。トイレは別のようだ。

髪までぐっしょり波をかぶったため、シャンプーを拝借する。

あ、これ、いつものユウタのにおいがする。

感極まれりとはまさにこういうとき言うのね、なんて思ってみたり。

15分くらいでお風呂をでた。

…替えの着替えがない。

脱衣場のドアを少し開け

『ユウタ〜』

と呼んでみる。聞こえないようだ。

『ユウタ?』

更に大きい声を出す。

聞こえないようだ。

『ユウタ!!』

とうとう大声を出す。

やっとユウタがやって来た。

『着替え…貸して?』

あぁ、とユウタはバタバタ戻ってゆき、慌てて着替えを持ってきた。

下着は残念ながらびしょ濡れなので、着ずに服を着た。

脱衣場で髪を乾かす。

30分近くお風呂場を使っていることに気付き急いで乾かす。

出ていくと、ケンジがにやにやしながら

『水も滴るなんとやらだな』

と笑った。

ユウタの風呂は早かった。10分かかってないんじゃない?というほど早かった。

いつまでも待たせているとよくないと言って、急いで家を出た。

10分くらいで駅前についた。

マルオが、

『男の服を着てるとエッチに見えるよね』

と言って、ふみが思い切り足をつねった。

私が下着をつけていないから、いける場所なんてなかった。

この際だから、私の実家近くのネカフェにでも行こうという話になり、運転を代わった。

初めてユウタの地元以外でのデビューはネカフェだった。

ネカフェに送り届けて、一旦私は着替えに帰ることに。

ユ『俺の服を着てこいよ』

というユウタに、

『いやだもーん』

と返事をして、私は一旦帰った。

私の格好を見て、母が何があったのというが、説明は誤魔化した。

下着をつけて、着替えようとしたとき、ふと思い出した。

『俺の服を着てこいよ』

うーん、と悩んで、ユウタの服を着て戻った。

みんなはビリヤードをしていた。

私は見たこと位しかないので、ボーッとみんなの姿を見ていた。

マルオが教えて、ふみも参加している。

ユウタに呼ばれた。

『お前もやれよ』

『だってやったことない』

『俺が教えるから』

という訳で私も強制参加だった。

球の撞きかたを教えてもらう。

思ってるより難しい。

ケンジが、

『俺にも教えてあげる子がほしーっ』

と吠えていた。

ずいぶんスムーズに撞けるようになってきた。

ジュースを取りに行くと言ったら、ユウタがついてきた。

『よしよし、ちゃんと俺の服を着てきていい子だねぇ』

と頭を撫でられる。

エヘヘと照れているとジュースの順番待ちの人が並んだのですぐに離れた。

今日はいろんな意味で、サプライズだった。

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