学級が崩壊したあの日

私は小学校6年生の時に言わゆる、「学級崩壊」を経験しました。
具体的に言うとクラス内のある女子グループが担任を気に入らず、指示を無視したり担任の指示を聞かないように他の子に言い始めたのに男子グループも同調したのち、あっという間にクラス全体が不穏な空気に包まれたのです。

担任の先生はは私の小学校で担任を持つのは初めてでしたが、教師歴10年ほどの女性の担任でした。元々は音楽の専任でしたので全学年と関りがある先生でした。

詳細は書きませんが、大学生になった今思う原因が大きく二つあります。

①先生が真面目でメンタル的に弱い方だった

元担任にすべての原因があるとは言えませんが、これがまずいえることだと思います。

極端にまじめだった

例えば、小学六年生相手に常に敬語で話してくれる先生でした。生徒の事も常に「さん」付けでした。当時は生徒間でもあだ名をやめようという、小学生当事者からしたら謎の風潮がありそれに倣ったことであったのだと思います。しかし、我々からするとほかの先生は名前を呼び捨てであったり親しみやすい口調で話しているのにどうして自分たちの担任だけ?という違和感がありました。


②それぞれの未熟な正義感

卒業当時は「私は巻き込まれた」という意識が強く私は「正義」側だと思っていました。今でも私は学級崩壊の原因ではないし、客観的に見ても冒頭に出てきた彼女たちの言動が大きく影響しているのは明らかです。

「私」の行き過ぎた正義感

私はルールを破るような間違ったことが大嫌いでした。うるさければ注意する、時間を守るように声をかけるといった委員長的なポジションにいた私はクラスのその他のメンバーを「子ども」と認知していました。自分と同じ六年生であるのにも関わらず。根拠は学力であったように思います。特に家が厳しかったわけでもないのに「勉強を頑張らなければばならない」という意識が強すぎて、その反動で全く勉強しない人を見下していたように思います。なぜ「この私」が子どもくさい奴らのせいで「やばいクラスの子」と認知されなければいけないのかと憤りを感じていました。

彼・彼女たちの正義感

これは今の大学生になった頭で考えればの事ですが、学級崩壊の原因メンバーたちにもそれぞれの正義感があったように思います。①であげた先生の真面目さが「嫌だ」とはっきり主張していたようにも思えるし、まだ小学生でしたので自分が楽しければいいという考えを持っていたのかもしれません。少なくとも、クラス内で自分たちが力を持っていることは把握していたようです。話し合いなどで沈黙が続くと、積極的に発言していました。


以上に点が大きな原因のように思います。それぞれは間違ったことをしているとは思っていなかったはずです。その中でも力を持つグループ、顔色を窺うグループ、何もかもがどうでもいいと感じているグループなど。今思い出しても気持ちが悪くなる、学校特有の社会が形成されいました。


学級崩壊を経て

その後、大方が同じ中学に進学します。後から聞いた話だとクラス分けは私の中心グループのメンバーを分散させることから始めたそうです。

その甲斐もあって中学校では別人かと思うほどに態度が変わりました。というよりも、学級崩壊で見えた姿は心が狂暴化していて中学での姿が本来のその子たちのようにも思えます。

やがて中学を卒業するのですが、それまでに私は大きな疑問を感じていました。学級崩壊のことが多くの人の中で風化されて、さらには「しょうがなかった」という扱いをされるようになったことです。中心グループの子たちが普通に当時の事を笑って話していたりしていると、私は密かに怒りを感じてました。

大学生の今はもう学級崩壊から長い月日が流れました。正直、鮮明に思い出せないことや私の主観によって捻じ曲げられているのではと思えることが多々あります。それでも変わらないのは当時を思い出すと嫌悪感と苦しさを味わうことです。

根に持っている、と捉えることも出来ると思います。確かに恨みは持っています。「あんたたちが普通にしてれば私の小学校最後の思い出が泥で塗られなかったのに」と。それと同時に怖かったという経験が心に居続けています。明日は何が起きてしまうのだろう、私がいじめられたりするのだろうかと常に考えていた日々でした。

そろそろ、負の感情を捨てるべきだとも思いつつこの「苦しい」経験が消えることはないとも思っています。この経験が人生にとっていい影響を与えるだなんて思えないし、思いたくもありません。

学級崩壊なんて起きないほうがいい。断言できます。もう昔の事だと割り切れる人もいればなんとなくその経験が心に滞在し続ける人もいます。学校・教師・生徒側が全員が良い思いをしなかったのは事実です。私のこの「傷」はもうしばらく心に残っていくのだと思います。癒えなくてもこの負の記憶と付き合うしかないのでしょう。


今回は心のわだかまりを当時より少し大人の目線で振り返ることが出来たのは良かったです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?