ミニシアターの苦戦に学ぶ---「ミニ」は誰にとっての価値なのか?規模と価値の非連動性についての考察
マーケティングにおいてビジネスのサイズ・規模、そして提供される製品やサービスの「大きい」「小さい」といったサイズ・規格の概念は、顧客にとっての本当の価値を見極める上では必ずしも重要ではありません。
顧客価値
顧客にとっての価値とは、顧客が企業の提供するものからどれだけ意味や喜びを感じ取り、深く体感できるかによって決まります。
この点において、ブランドの力の源泉となるのは、顧客自身が企業の提供するものをどのように認識し、それを利用・活用して、どれだけその存在を価値あるものと見なすかにあります。
苦戦するミニシアター
例えば小規模ながら独自の視点を持つミニシアターは、その「ミニ」という規模の小ささそのものに価値はありません。
重要なのは、そこで顧客が他では得られない映画体験を通じて、コミュニティとの絆を深めたり、文化発信の場として機能したりと、共に価値を創造できることです。
顧客がミニシアターに足を運ぶ理由は、映画を媒介にした人間関係の構築や、充実した時間の過ごし方を共創したいという思いにあるのかもしれません。
社会資本としてのブランド
マーケティング活動と顧客により共創された強いブランド(価値)は単に製品やサービスの枠を超えて、顧客の生活における「欠かせない存在」=「ありがたい存在」として認識されます。
それは、その製品やサービスを通じて、企業と顧客が響あい共創することによって生まれる文化的価値や社会的なつながりだからです。
例えば、ミニシアターが提供するのは、映画鑑賞の場だけではなく、コミュニティを基点とした価値共創によって生まれる文化的空間です。
誰にとっての「良いブランド」か?
したがって、「良いブランド」か「悪いブランド」かを判断するのは、規模の大小ではなく、顧客が実際にそのブランドから価値を強く感じ、対価を喜んで支払おうと思えるかどうかによります。企業が提供する価値が顧客にとって本当に魅力的で、顧客自身もその価値創造に主体的に関わることができれば、ブランドは強くなるのです。規模に囚われずに、顧客との価値の共創を重視することこそが、ブランドの真の力の源となるのです。
顧客との価値の共創という視点を大事にすることで、「顧客が享受する体験価値こそがブランド力(価値)の源泉」ということがより明確になります。
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