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パレスチナのオクトーバーフェスト!

ミュンヘンが確か始まりのオクトーバーフェスト。オクトーバーというくらいだから10月と思いきや、9月です。本場ミュンヘンも。それは10月になると寒くなるから・・・とかいう話も聞いたことがある。わが地元、福岡のオクトーバーフェストは10月です。

ベツレヘムからバスでラマッラへ向かう。ラマッラのバス停からローカルバスに乗り換え、目的地タイベ村へ。

タイベ村はパレスチナでも珍しい、クリスチャンだけの村なのだ。中東、パレスチナと思うとイスラム教の国でお酒はご法度じゃないの?と聞かれることも多いがイエスキリスト生誕の地であることを考えるとなるほど、と合点がいくだろう。以前のnoteにも書いている。→クリスチャンの町、タイベ

普段は閑散としたタイベ村、この日はオクトーバーフェストの初日(2日間開催される)、西岸地区からだけでなくナザレやハイファなどイスラエルのアラブ人たちも押し寄せてくる。

バスを降りると道を聞かなくても路上駐車の車や人の波でどちらの方向が会場なのか一目瞭然だった。車にはローカルナンバーだけでなく外交官ナンバーも多数ある。というのも各国の代表事務所(大使館に相当)に招待状を送っているのだ。そしてこの小さな村のイベントを国際的に有名なものとなるようにと広告にもなる。ある国の外交官ナンバーの車は駐車違反をして早急に移動してください、くれぐれもビールを飲んだ方は運転はしないでください、とアナウンスをされていた。

入り口のキャッシャーにお金を払うと手の甲にスタンプを押してもらい入場する。壁一面にタイベオクトーバーフェストの垂れ幕。そして人人人しかしまだ午後3時頃。外は明るいファミリータイムだ。子供たちは壁に設置された簡易のボルタリングで遊んだり、顔を出したり隠したりしているゆるキャラというか偽物ミッキーと戯れたりしている。

この後もっと人が来るよ。この町の人はきっと全員来ると思うよ。西岸全体からとイスラエル側のクリスチャン、たぶん3000人以上は来るね。考えてみてよ、ここはファミリービジネスで経営してるだろ?入場料払ってなおかつビール代は別。フードの出店者からは出店料も取っている。ステージのアーティストには破格のギャラもしくは無料で出てる人もいるんだよ。この2日でここはどんだけ儲かってるんだろうね。

と関係者がそっと私に話しかける。下世話だが、確かにそうだ。

知ってるかい?数年前はラマッラーのホテルでやったんだよ。

え?なんで??ここの方がホテルの室内よりずっといいじゃない。

そうりゃそうだよ。行政ともめたんだよ。1つの企業だけが儲かってるって。それでホテルでしたけど案の定盛り上がらず、それで行政と折り合いをつけてまたここでやることになったんだよ。毎年入場料は値上がりしているけどね。それでも人は来るからね。

ここタイベビールはパレスチナで初めてのビール工場、正直味も悪くない。ゴールデンにアンバーにフレイバーのあるものそしてノンアルコールもある。製造に大変なこと、それは水。日本のビール工場でも水の良さを謳っているところは多い。ここパレスチナだと水の確保が難しいのだ。イスラエルは綺麗な水が豊富にあるというのにね。

日も暮れて少しずつ暗くなってくるとステージの照明が際立ってくる。心なしかボリュームも大きくなってきたような気もする。広くない敷地に人もごった返しステージにはウード奏者に歌手というザアラブ!という感じの音が鳴り響く。ステージの真ん前で若い男子が手をつなぎ輪になってダプケを踊る。左から右へ動くのがダプケの特徴だ。ステップも基本に忠実にしかし先頭は激しくオリジナルを加えた動きをする。さしづめ、日本の盆踊りといったところだろうか?氷川きよしの歌で若人が踊っている、そんな空気も無きにしも非ずだ。

さあ、君もおいでよ。男子たちがわたしや他の女性もダプケの輪に入るように促す。初対面の彼女と目を合わし、えいや!と輪に入る。ステップもままならないがパレスチナビールの酔いに任せ日本代表になったつもりでアラブの音階とリズムに体を委ねる。


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