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ヨルダンの国境に向かう途中で

君はどこの人、日本人?英語喋れる?喋れないとイスラエルの入国厳しいよ。君大丈夫?

かなりハイテンションで話しかけてくるアメリカ人男子大学生。

日本人は英語が苦手だと言うことを心配してくれているのだろう。のちにその心配は余計だったと知ることになる。

この光景をうんざり顏で見ている恰幅のいい同じアメリカ人女子学生。あの男は口から生まれてきたにちがいない、うるさい、と顔に書いてある。目が合うと彼女は苦笑いしていた。そんな周りの空気をもろともしない彼は早口で誰もとなしに初めての中東旅行で大興奮していること、しかもパレスチナ自治区にも向かう予定であることを話している。朝早くからバスに乗り込んでいる乗客はみんなうるさそうな顔をしている。

彼のおかげで安眠を妨げられたものの無事ヨルダン側の国境に到着する。イミグレーションらしき小さな建物がある。入るとすでに長蛇の列だ。とにかく並ぼう。前列を見るとみんな手に白い紙切れを持っている。

あれ何?みんな紙持ってるけど。

わたしの前に並んでる人に話しかける。

何だろうね?

その会話を聞いてた人が

ほらそこ、紙あるでしょ、あれにパスポートナンバーと名前を書いて渡すのよ。

そんなことどこにも注意書きはないし、誰からも説明がない。

気のいい人が教えてくれただけ。日本だったらきっとペッパー君あたりが説明をひたすらしているかもしれない。とにかく、説明なしに伝言ゲーム的な情報というのはあり得ないだろう。こいうった文化の違いなのか、たまたまここだけなのかわからないが、大人の初体験ができること、不便さの楽しさとワクワクを味わえるのも旅の醍醐味に違いない。小さな紙切れを手に取り名前とパスポートナンバーを書き入れる。念のため国籍も記載しておくことにした。

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