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あと232日(妊娠2ヶ月:6週6日)


珍しく大雨が降ったお盆になった

私の地元ではお盆にお墓で爆竹を鳴らしながら故人を慈しむ風習があって、(これだけ聞いたらちょっと物騒だよね笑)今年は身内の初盆だったこともあり、何年ぶりかの精霊流しをすることになっていた。

精霊流し(でぜひ検索してみてね)をするための船は、いとこ家族が手作りした。私の家では昨年ミニチュアダックス犬が亡くなったから、小さいサイズの船をお母さんが手作りした。とっても賑やかでアットホームな船が二隻、田舎道を練り歩くことになってなんだか嬉しかった。


降ったり止んだりせわしない雨のせいで少し慌ただしく出発した船は、地元の人からたくさん声をかけてもらいながら小道を進んだ。

精霊流しをするときにも爆竹をたっくさん鳴らす。今年は気合いたっぷり、7万円分の爆竹を用意した!とおじちゃん達が荒ぶってて(笑)
爆竹なんて、きっと他の県で自宅前で鳴らされようもんなら警察ごとだよね?でもね、ちがうの。鳴らせば鳴らすほど喜んでもらえるのが私の地元のお盆なの。「今年も賑やかね。」「まだ始まらんとかなって、待ってたよ。」って、みんな家の外に出てきてくれて、船に手を合わせてくれる。このあったかい慣習が本当に大好き。

目的地は近くの海。お盆に帰ってきた故人が西方浄土に向かう15日に、賑やかに送り出すためにみんなで船を出し、花火を鳴らす。とても賑やかな行事ではあるけど、故人との最後のお別れみたいで、どこか寂しくなったりもする。泣いたり笑ったり、食べたり飲んだりして過ごすお盆。


今年は妊娠していたこともあり、私は重たい船を引くことはできなかったから、手を添えるくらいにして一緒に歩いた。故人も飼ってた犬も私にとってすごく大事な存在だったから、海に近づくにつれて寂しさが勝った。旅立とうとしている命と今私に宿る命のことを思って、涙が止まらなくなった。

海に着いた船は、最後に火をつけて燃え尽きるまでみんなで見守った。
頑張って作った船や積み込んだ故人の好きだったもの、遺影も全て一緒に火を付ける。この瞬間は何回経験しても慣れない。


その人がどんな人生を送ってきたかは最期の瞬間を見るとわかる、ってよく聞くから、こんなふうにみんなに賑やかに送り出してもらえるなんて、いい人生を送ってきたんだな。姿はなくてもこうしてみんなが同じ人のことを思って過ごす一日があるって、もしかしてすごく幸せなことなんじゃないか、なんて、船が燃えるところを見ながら、そんなことを思っていた。


お腹に宿るまだ米粒くらいの小さな小さな命は、この瞬間をどう感じたんだろう。爆竹の音に驚いたりしたんだろうか。私が感じた寂しさ悲しさに共鳴してくれたりしたんだろうか。

来年の夏には、きっと一緒に精霊流しを見ることができるようになるから、この瞬間のことも話して聞かせたいな。いろんな物事に触れて、感じて、この子を形作るものの一つになりますように。




(※なんとなく、とっても乱文!笑 
感情に任せて書くとまとまらないね。失礼しました。)