外資系の独自選考に挑み続けた結果得たスキル

就活を始めた大学3年の秋ごろ、外資系企業の早期選考プログラムを受けてみた。結果的に内定することはできなかったが、とても良い経験になり、得たものは大きかった。課題に対する考え方とアプローチ方法を自分の中で確立できたからである。そのおかげで後に他企業の選考でのグループディスカッションを制することができたのだ。

なぜ受けようと思ったか

外資系企業という響きがかっこよかったという単純な理由はあった。外資系に受かったらみんなに自慢できると思ったし、早期選考のため、早く内定が出れば後は自由に遊べると思ったのだ。それ以外では、外資系企業がどのような選考をするのか興味があった。大学生活は十分充実していたが、自分のまだ知らない世界、知らない人々を知ってみたい好奇心がエントリーの背中を押した。

受けてみてどうだったか

イノベーションを起こす能力を測るテストという名目で、答えのない問いが8日間与えられて、毎日考えて答えを出し、提出するというものだった。

受けてみた感想は、めちゃくちゃ難しかった。訳がわからん。である。何が問われているのかよくわからない問題もあれば、問題の設定が難しすぎて理解するのに苦労するものもあり、とても頭を捻った。1問つずつ時間をかけて考えたくても、毎日どんどん次の問題が来るため、ある程度のところで見切りをつけて提出しなければいけないし、スピード感も求められた。

しかし、問題のどこかしらにヒントが書かれているような気がして、全力でやってみたら、できるかもしれないとドキドキする気持ちもあった。私は毎日一生懸命考えた。
この選考は落ちても何回でも挑戦できた。私はこのテストには合格したが、次の面接で落ちていたため全部で3回挑戦し、計24問の課題を解く結果になった。

どのように取り組んだか

何度もいろんな課題を解くうちに、私は考え方や取り組み方の手順のようなものを身につけていった。課題について徹底的に調べ上げ、概要を理解してそこからアイデアをブレストする。その中からアイデアをまとめてフォーマット化するといった流れである。このやり方を仕組み化させることができたと思う。どの課題もその手順に当てはめると答えを出せるようになったのだ。
考えてから答えを出してまとめるまでの時間は、初期と比べて圧倒的に短縮され、もはや考えるのが楽しくなっていた。
この考え方やアプローチの仕方は、のちに学ぶことになるデザイン思考とつながる考え方だった。

まとめ

結果的に次の段階の面接は通らなかった。理由はその会社でやりたいことが思い浮かばず、志望動機が見つからないことだった。自分の興味とビジネスがマッチしていなかったのである。

内定できなかったものの、課題に対する考え方を身につけることができたのはとても意味のあることだ。この後で日本の一般企業の選考を受けていた際、だいたい最初にグループディスカッションがあるのだが、私は一度も落ちることはなかった。与えられた課題に対して同様の手順でスマートに取り組めたからだと思う。どのような順序で何をすればよいかが分かるため自然といつもグループの中心人物として議論を前に進める役割をこなすことができたのだ。

社会人になった今でもその考え方は役立っている。答えのない問いについて考えて答えを出すという能力は働く環境において、需要が高まっているからだ。

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