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六畳一間

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2022年10月の記事一覧

教室

教室

昼下がりの悪魔

不均等に並ぶ机といくつもの染色体

異物として浮遊するこの空間の中で

嫌味たらしく僕の指先を掠める陽光の名残

揺られる稲穂は穏やかにその音を風に同化させる

それらを包み込む暖色のカーテンから逃げ出した風塵

目を閉じる

船を漕ぐ

この誘惑の名前は

始まりの時

何もかも終わりにしたかった

何も持たずに飛び出した家は段々と遠ざかる

街明かりに目もくれず

速くなる鼓動と息は私の背中を強く押した

橋の真ん中までひたすらに走った

そこに立った私は思ったの

この世界に終わりを告げるのは私であると

孤独も何もかもおいて

飛び立とうとする私は

春の綿毛や花火の火種が落ちる瞬間や

紅葉が影に揺れる時間や白い息が雪雲に紛れる時

それらと同じように

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